脱獄?
温泉街を支配する貴族
祖先はこの国でも有名な武人
温泉を支配する下級龍を追いやって人の街を建設する事に成功する
追いやられた龍たちは
山の上から怨みを込めて常に狙っている
復讐とこの地に眠るある宝を
緑龍が吹き飛ばした屋根
どさくさに紛れて壁をぶち抜くアン
「さあ!坊っちゃま」
とても良い笑顔で脱獄しようとしていた
衛兵詰所の牢屋から庭に出た俺達をとても大きな緑龍が待ち構えていた
詰めていた衛兵は皆避難したようだ
囚人は置いてきぼりなのか!
緑龍は地龍とはまた違う種類で
背中に翼があり二本脚で立っている
大きさは6〜7メートル西洋のドラゴンだな
兇悪そうな顔に長さ3メートルくらいの太い尻尾を
振り回してあたりの建物を壊していた
俺達に気付いた緑龍は唸り声をあげながら
近づいてくる
遠くから風切り音と共に数多くの槍が此方に飛んでくる
俺達と緑龍の間に数多くの槍が突き刺さる
「うゎぉ!あぶねぇな!」
思った通り対龍の発射台は雑な作りだ
緑龍は少し怯んでいたが怒りを露わにしながら
咆哮を上げ此方に向かってくる
なぜか、恐怖感は無い?慣れたのかな
呑気に考えていると
とても嬉しそうな笑顔のアンが
「坊っちゃま!緑龍の尻尾はとてもとても美味しいんですわ!」アンは食材として見ているようだ
いつもの調子でつかつか近寄り懐に入り背後に回ってポーチからいつもの包丁を取り出す
いや、そんな小さな包丁で大人の胴ほどある尻尾をきれるわけないよなんて見ていると
テレビで見た事あるマグロの解体ショーのように
小さな包丁でサクサク尻尾を付け根から切り離す
何が起きたのか信じられない様子の緑龍は
自分の尻尾を三度見して咆哮では無く
恐怖の鳴き声をあげながら翼を広げ逃げていく
空に舞い上がった緑龍をよそにアンは
「坊っちゃま、緑龍の尻尾は付け根の関節から
七つ目の関節までが美味でそれ以降は苦味があり食べれません」
尻尾の根元の部分だけを取り自分のポーチに入れてホクホク顔で此方に戻ってくる
あたり一面緑龍の血塗れになっていた
そこに、槍を飛ばした衛兵達が踊り込んでくる
「おい!見ろ槍が緑龍の尻尾を切り飛ばしたんだ!緑龍が飛んで逃げるのが見えたから間違いない!!」いや違いますよ
「おい、お前達怪我はないか?牢屋に居て緑龍に襲われるとは運が悪かったな!でも、もう大丈夫だ!この街には[飛ばせ俺の槍]が配置されてるから
心配はいらない!」
発射台の名前のセンスに呆れながら
衛兵達に違う牢屋へと案内される、自由はまだ先のようだ
◆◆◆
緑龍は巣のある大きな木の上で休んでいた
気がつくと何故か身動きが取れない
捕まった記憶は無く自分を捕らえる事など出来る訳もない不審に思いながら力の限り暴れる
幾ら暴れても身体の自由は奪われたまま
何も見えず何も聞こえないイライラだけが募って行く
どれくらい時が経ったのか
急に視界が晴れ身体が動く辺りを見渡すと
そこには一匹の人間がいた
お前がやったのか!怒りに任せて緑龍は男に噛み付きその身体を食いちぎる
怒りは収まらず空腹を満たすため
餌の気配のする街へと飛び立つ
多くの餌が集まる建物に降り立ち
手当たり次第に建物を壊し中にいた餌を頂く
二つ目の建物を尻尾で壊した時に中から餌が三匹
出てくる
自分を見て恐れ慄きもしない無知な餌を食べようと近づこうとすると足元に人間の武器が突き立つ
警戒よりも怒り、こんな武器で自分を傷つける事など出来ない!怒りから咆哮を発する
三匹の餌は怯むことすら知らないのか?
訝しんでいると一匹が近づいてくる
右手での攻撃を躱され姿が消える
不意に尻尾から激痛が振り向くと餌が自分の尻尾を手に持っている
その目は怯えでは無く捕食者の目
その時うまれて初めて緑龍は恐怖を感じる
捕食者だと思っていた自分は奴らにとっての餌に過ぎないのだ
奪われた尻尾の怨みよりも恐怖が勝ち
緑龍は初めて鳴き声を上げて逃げる
自分の尻尾を手に持ち笑う捕食者から少しでも遠くへと振り返る事などなく...
俺達はギルドの宿泊施設に軟禁という形で拘束されていた衛兵詰所が破壊されたので仕方なくギルド預りになっていた
俺達を見たギルド職員のお姉さんは
「観光に来たんじゃ無かったのかい?この街を荒らすなんていい度胸してるじゃないか?」
激おこである
そこへ貴族の使いの人間が現れて
「釈放だ、お前達を訴える人間が死んだ緑龍に殺されたんだ感謝するんだな」
結果、俺達は被害者がいなくなったので不起訴処分しかし街への滞在は禁止直ちに出ていくようにと告げられる
衛兵に囲まれて門から外へと追い出される
まぁ逮捕を免れたので良しとして街を後にする
街の前を流れる河を渡り西に進み次の街を目指す
河を渡り少し行くと村がありそこから駅馬車が出ているらしいので先ずはそこを目指して
はぁ、混浴...
短めですが如何でしょうか
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