貧巨優劣は無し!
先月から度々温泉街の宿泊客しかも
子供ばかりが行方不明になる事件が相次いで起き
犯人は未だに捕まっておらず
街の住人は不安に心を痛めている
子供達はどこへ?
犯人は一体誰なのか?
サイクルヒル河は海へと流れ
海を隠すように左手には山が聳えている
山の山頂付近から流れる小さな川は右に左にくねくね曲がりやがてサイクルヒル河へと流れ込む
その川に沿うように何軒もの温泉宿が軒を連ねる
宿から出る温泉が川に流れ込み川は湯気を出しながら下流へと流れて行く
温泉街の入り口の停車場で馬車を降りる入り口には重厚な門がありフルプレートを着込んだ兵士が警備に当たっている
門の中から外に向かって人よりも大きな発射装置が並べてある
弓というよりも大きなボウガンのような形で
鉄製の槍が六本並べてある
門から外に撃ち出すから当たらなくても大丈夫なのか?
川に沿って建つ温泉宿は縦に長く全てを守るのは無理なんじゃ?まぁ下級龍だからそんなに脅威でも無いのかもね
川の上流から下流に向かって身分の高い人が住むらしい、一番上には入り口からも見える立派なお屋敷がある
領主様のお屋敷だそう
煙となんとかは高いところが好きらしいから
関わらないでおこう
まずは、行者に教えてもらった冒険者ギルドに向かう。オススメの宿を聞くのと観光名所を尋ねに
山道は整備され石畳が敷いてある馬車一台が楽に通る幅で川に沿って登っていく
温泉宿や細い道の奥には遊郭が並び鄙びた良い雰囲気を醸し出している、嫌いじゃない
山の中腹にギルドは有り様々なお店が建ち並んでいた、人の手で整地され建物を建てたのだろう
ギルドの前には案内板が置いてあり探し人の紙が沢山貼られている
ギルドの受付には黒髪を結い上げ両肩を出し胸にさらしを巻いた勝気そうなお姉さんが座っていた
真紅な口紅がとても色っぽく少し見惚れていると
「何か用かい?坊ちゃん」
少し不機嫌に尋ねてくる
「すいません観光に来たんですがオススメの宿を聞きたくて」
「ここは冒険者ギルドだよ?観光案内なら他所でしてもらいな」
何が気に障ったのか取りつく島もない
すいませんと後にして近くのお土産屋さんに尋ねてみる
「温泉宿ね、この平地に建つのが一般で下に行けば安くなる上に行けば高くなるよ。」
「上は貴族様の泊まる宿、下の方は怪我した冒険者が湯治で長く泊まるためだねご飯も出ないし」
食事はアンが作るのでまぁ下の方で良いのかな?
ありがとうと礼を言い登ってきた坂を下る
雰囲気の良い温泉宿[キャッスルケープ]
に宿を取ることにする
建物は古びていていかにも何か出そうな雰囲気だが混浴とあるのはここだけだった
いや、混浴が決め手では無いこの古びて今にも壊れそうな感じが気に入ったんだ!たぶんそうだ!
宿に入るといかにもな痩せこけた親父が出て来る
親父の目が俺を見て何か雰囲気が変わる
もしや、変態なのだろうか?
玄関にはとても厳つい龍の置物が有り壁にも龍の絵が貼ってある
龍が好きなのだろう、俺もアイドルのポスターを壁に貼っていたので気持ちは分かる
俺とアンとミストの三人で一泊銀貨三枚
リーズナブル過ぎる!取り敢えず十日ほど先払いで払う。楽しみは後にして街の中を散策しに行く
街には沢山の湯治客がいてそこそこ賑わっている
アンと腕を組みミストを肩車して街を歩く
色々なお店があり色んな食べ物も売っている
団子によく似た物や煎餅のような物
この辺りでは米が食べられているのだろうか?
懐かしく思い団子に煎餅にと買ってみんなで食べながら歩く
この街に似合わない必死の形相でビラを撒いている女の人がいた
「お願いします!何かわかりましたらご連絡下さい、本当に困っています、助けて下さい」
なんだろう?気になり近寄ってみると
行方不明の子供を探しているお母さんだった
なんでも一緒に訪れたこの街でいなくなったらしい。
ビラを一枚貰い年齢、名前、身長、髪の色など
書いてある事を読む10歳の男の子、男湯と女湯に別れて入っていなくなったそうだ
可哀想だが事件に巻き込まれたんだろうと名前などを一応記憶しながら宿に戻る
庭を借り夕飯の準備に取り掛かるアン
テーブルでは俺と大人の姿のミストが精霊魔術について話しをしている
どんな事が出来るのか?
魔法と何が違うのか?など聞くが
「知らん!生まれた時から使えるから考えた事もない!」と全く役に立たないので胸を揉んでおく
エロのスキルはかなり上がっている筈だ
相手に気取られる事なく揉む事が出来る
不意に耳元でアンが囁く
「坊っちゃま?まさか貧乳がお好きなのではないですよね?」
「巨乳にも貧乳にも良さがあり甲乙は付けられない!」ドヤ顔で答える俺に二人の美女の冷たいジト目が刺さる
今日は山菜とキノコを兎に詰めて焼いた
ローストラビット
キノコのポタージュ
マッシュポテトサラダ
冒険者に飽きたら、アンにお店を出してもらい店員として生きるのも良いかもしらん
ミストはポタージュとサラダを一緒に食べて危うく喉に詰まらせるところだった
デザートはアップルパイシナモンの風味とホイップクリームがとても合う紅茶を飲みながら珈琲があればいいんだけどなと贅沢な事を思う
さてと、時はきた!古き良き時代には存在したと言う[混浴]現代では考えられない事
世界中の漢が憧れ一度は夢に見た[混浴]
いざ行かん!鼻息が荒くなるのを全力で抑え
「さてと温泉でも行こうかな?」と口にすると
「わたくしも一緒にまいりますわ」
「私もいく」ふふふ、混浴の意味を知らない二人が罠に嵌ったぜ!顔には出さず
「じゃあ一緒に行こうか」
冷静を装って風呂場へと向かう
風呂場の前に注意書きが有り
[ただいま改装中につき混浴は行なっておりません]
ずこっ!見事にコケた俺をアンが駆け寄り大丈夫か聞きながら起こす
俺の中の煮えたぎったマグマは向かう所を無くし
こんなボロ宿壊れちまえと八つ当たりし
一人寂しく男湯に向かう
アンの事だ俺が脱いでくれと言えば喜んで脱いでくれるだろう、しかし!違うのだ
そんな気は無いけど仕方なく見えてしまう
そう!これこそが混浴!あー魔法が使えたらこんなボロ宿吹っ飛ばしてやんのになぁ
ふざけんなよ!怒りながら
男湯の脱衣所で服を脱ぎ風呂に入る用意をしていると急に背後から羽交い締めにされ猿轡をかまされる
おいおい二回目だよ猿轡なんて、呑気に構えている場合じゃない。ふがふが言いながら抵抗するも
後ろ手に縛られ抵抗出来ない
引き倒され足を縛られ目隠しをされ
引き起こされるどこに連れて行かれるのか不安になったその時
扉が開く音と
「あらーまちがえてしまったかしらー」
「ちょっとアンこっちは男湯だよ!」
救世主が現れたそんな気になった
俺を羽交い締めにしていた誰かは気配を感じたのか逃げた素っ裸の俺を残して...
少し短めですが如何でしょうか
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