幼児期の必殺技と淡い希望
この、世界は
巨大な十字に並ぶ、5つの大陸の周りを数多くの小さな島が取り囲む形で形成されている
多くの魔物が生息する一番大きな大陸を目指して
数多くの人間が海を渡った
戻ったその手には数多くの戦利品を手に
人々は魔王不在の今こそが絶好の機会だと
様々な欲にまみれたまま武器を手に
大陸を目指した。
新たな魔王が誕生しようとしている事を知らずに
食っちゃ寝?を繰り返し、体感では4〜5ヶ月経ったころ。目も耳もその機能を取り戻しつつ周りの世界が鮮やかさを帯びてくる。
いまだ歩く事さえままならないが、色んなことが分かってきた。
まず、母ちゃん!黄緑色のクルクルパーマの髪。
まるで、色鮮やかなブロッコリーを頭に乗っけてるそんな感じ
まぁ当然だが?常に俺の側にいる。
料理を作る時に、自然と指から炎を飛ばしてたのを確認、魔法が使えるらしい
炊事、洗濯、裁縫を、こなし。どんなに俺がぐずって泣いたとしても、完璧なリズムで背中をトントントン
聞いたことがない様な綺麗な声で歌を歌い、1分も経たずに寝落ちさせる技を持つ
完璧な母ちゃんである。前世の母ちゃんの記憶が無いため感動すら覚える
顔もかなりの美形である。難点は貧乳と髪型?なぜそこまでクルクルしているのか、俺の髪型が気になって仕方がない。
次に父ちゃん
ガチムチのマッチョ。
格闘家と言うよりも、プロのボディビルダー。色黒イケメン、右腕が左腕の倍くらいシオマネキか!と突っ込みたい
そして、身体中傷だらけ
ノーヘルのスクーターでガラス屋にでも
突っ込まないと付かない様な
顔なんてイケメンが台無しの
十字傷、厨二か?厨二なのか?
抱っこされると痛い痛い
思わず泣いてしまう
我が家はまるでログハウス
丸太を組んで壁や屋根を作っている
やっぱり貴族では無いらしい
メイドさんも居ないし.....
見た感じ貧乏では無いが裕福な感じも無い
普通の生活、俺にはぴったり合ってる
不満は多々ある
特に食事、ミルクから少し離乳食に代わりつつ
あるが、俺はおでんが食べたい!
出汁をいっぱい吸い込んだはんぺんとちくわぶ
それを、日本酒の冷で流し込みたい!!
などと、あ〜う〜ごねて泣いてみても
無理矢理ミルクを飲まされ
完璧なリズムで背中をトントンされ
直ぐに落とされる......悔しぃ
いや、幸せではあるが
あとは、夜
夫婦なんだし、仕方ないと思うが
まだ早いだろ!父ちゃん!
まだ、弟も妹も要らない
同じ部屋で寝てるから
嫌でも声が...
二人が盛り上がって来た所に...
ふふふ、今こそ見せてやる
この俺の必殺技を
くらえ!!!
必殺、夜泣き!!
その後同じ事を繰り返してたら
隣の部屋に、これで安眠出来る
はぁ早く彼女欲しいなぁ
今回は二人とも美男美女だから
期待してもいいよなぁ
あとは.......髪型だけかぁ




