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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
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暢気な日常と阿鼻叫喚

新しく出来たダンジョンは地下3階

新しく出来たダンジョンには強力な魔物は存在しない、ダンジョンの外からやってきたら別だ


新しく出来たダンジョンを見つけた地龍の母親は子育てに適しているかを調べるために子供を入り口に残しダンジョンを調べていた。


ダンジョンの幅は広く子供よりも大きな母親が楽に移動出来る。天敵になりそうな魔物の姿も確認出来ない。


ここを住処にしようと考えながら、子供を迎えに行く。おかしな事に入り口で待っているはずの子供が2階の中頃まで自分を迎えに来ていた。


寂しくて付いて来たのかと思い近寄ると明らかに歩き方がおかしい?よく見ると前脚の片方が無い


何か魔物に襲われたのだ!と考えて急いで側に寄り添って子供を守る態勢にはいる。しかし、魔物は追って来ず子供の泣き声だけが聞こえる。


取り敢えず最奥の部屋へと連れていき何があったのか聞く、なんと、人間に襲われたのだそうだ


人間如きが、私の最愛の子供を襲ったのだ

許せない!怒りで我を忘れそうになるが

まずは子供の治療から右脚は根元から綺麗に切られていた、自分たちの鱗や革は並大抵の刃物と腕だと傷一つつけることも出来ない筈だ、かなりの手練れがいるのだろう。


母親は気を引き締めて回復に専念する。

やがてくる、子供の仇を屠るために



俺達はギルドで地龍の報告を済ませる


職員の話によると母親と逸れた子供の地龍がダンジョンに迷い込んだのではないか?


元々あの森で地龍の報告があったので

そんなに驚きはしなかった。


だが、俺達が地龍の右脚を手に入れたと報告すると職員の目の色が変わり話を聞いていた他の冒険者達も耳をすませているようで急にギルド内が静かになった


「地龍の右脚ですか?右脚を持ち帰ったと?」


「あぁ、ダンジョン探索の依頼や申請を出していないのは悪かったが、誤ってダンジョに入ってしまい襲われそうになったんだ」


「それで?右脚を?あなたはGランクの冒険者ですよね?地龍はAランク上位ですよ?

子供でもCランク上位の筈です!いったいどうやって??」


「冒険者なんだ秘密に決まってるだろ?これがその前脚の一部だ」

とあやふやに答え鱗の一部を見せる


「確かに、地龍のウロコです..で!その子供は?」


「右脚を失ってダンジョンの奥に逃げて行った」

「手負いのままで?」


「あぁそうだ片足なのでそんなに早くは無かった」その話を聞いていた他の冒険者たちが挙って我先にとダンジョンへの入場許可を取り出した


お祭り騒ぎになっている


地龍は簡単には倒すことの出来ない強敵なのだ

子供など滅多にお目にかかることなど無い


しかも、手負い。取れる素材は親と変わらないので仕留めればかなりの金貨が手に入る


皆、欲に駆られ冷静な判断が出来なくなっていた

地龍の母親は子供の側に必ずいるのだ


我先にと許可を得て装備を整えて急いでダンジョンへと向かうPTでギルドはごった返した


アンは悔しそうに

「私達が見つけたのに!」と可愛く口を尖らせて拗ねている


「仕方ないよ、ランクが低いから許可が下りないしな、アンが手に入れてくれた右脚だけで十分だ」と慰めつつギルドを後にしようとすると


「アレックス君、素材は?地龍の素材は買取させて貰えないのかい??」とギルド職員が慌てて

俺達の前に回り込む


「素材はいるものを選り分けて武器屋にでも持って行こうと思うんだけど?」と返すと


「ギルドでも買取はしているから是非是非買い取らせてくれ宜しく頼むよ!」と力強くお願いされた


「まぁ余れば」と明言は避け宿に帰る

宿の、延長手続きを済ませて部屋に入り寛いでいると


宿の娘が来客だと告げてくる

「来客?知り合いなど居ないのに誰だ?」と訝しく思っていたら、ギルドに地龍の素材を持って帰った冒険者が居てまだ素材を売ってはいないらしい、と噂になり俺の所に素材を是非とも分けて欲しいと様々な人間が訪ねて来た


武器屋の親父が「爪を金貨15枚で」


防具屋の爺いが「鱗を金貨10枚で」


魔法屋の婆あが「革を金貨60枚で」


などなど申し込みが多数あるが


アンが全てを断る「素材は御主人さまが必要な分だけ使いその残りをギルドに卸す事になっております、お引き取りを」笑顔だが相手に一言も喋る隙を与えない


渋々帰っていく

中には捨て台詞を吐く者や脅しのような言葉まで


さっさと売り払おうとアンに尋ねる


「御安心をすぐに坊っちゃまの胸当てを作り不要な物は売り払います。さぁ坊っちゃま、サイズを

サイズを測りますわ!」

何故か鼻息が荒く近寄る


少し怖い、そう思っていると服を脱がして胸囲を測り肩幅、胴囲を測るその後しれっと下を脱がそうとするので頭にチョップを入れる


その晩俺は先に休みアンは遅くまでおれの胸当てを作ってくれた有難い


朝目が覚めると、いつものように隣に眠るアンの髪の毛に手を通して頭を撫でる

目がぱちくりと開きこちらをみて笑顔で


「坊っちゃまおはようございます」と吸い込まれそうな笑顔に


「おはよう今日も綺麗だな」

と挨拶する


「もう、坊っちゃまったら♩」

と嬉しそうにクネクネしているアンをよそに

支度に取り掛かる


テーブルの上には出来たばかりの胸当てが置いてあった、もう出来たのか早いな、などど関心しながら試着してもいいか?と尋ねる


「是非♩」とアンに手伝ってもらい胸当てに頭を通す時に内部が見えた、[坊っちゃま大好き アン]

と細やかな刺繍が入れてある。

少しゲンナリしながらも腕を通して具合を確かめる

サイズはまさにおれのために作られた物だ文句のつけようがない


アンが「坊っちゃま良くお似合いですわ」と笑顔でこちらを見てニマニマしている


そんな、暢気で平和で幸せな時間を楽しんでいる時ダンジョンでは阿鼻叫喚の世界が広がっていた


昨日からダンジョンに篭っていたPTの数名が

ボロボロになりギルドに帰って来た


20名以上の冒険者が挑み帰って来たのはたったの4人だけだった、その4人も満身創痍、命辛々逃れてきた様子だった。


一人は右腕を失い一人は膝から先を一人は両目をやられて顔が黒く焦げている一人は背中に大きな爪痕が残っていた。


命辛々逃れてきた4人の話によると、ダンジョンの奥に子供を見つけ我先にと仕留めにかかったら


母親が側にいて返り討ちに遭い命辛々逃れてきた

仲間は皆生きてはいないだろうと泣きながら話す


ギルド職員は王城に向け緊急の連絡を行いすぐに対処に向かわせるPTを探す


時期悪く今は、龍王国近海の海龍の討伐にこの国最高のPTは出発した後だった


残るは実力は高いが悪評も高い

疾風のインザーギ率いるPT位しか地龍の親の討伐は任せられない


止むを得ず疾風に向けて連絡を取る

あの嫌味なニヤケ笑いの顔が目に浮かび嫌な顔をしながら

最後までお読み頂きありがとうございます


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