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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
17/86

母親の愛?

父ちゃん視点で進みます



時は遡り

アレックスが家を出た翌日の事


フライパンとおたまを手にトゥルーはアレックスの部屋をノックする。


「アー君もう起きないとご飯出来たよ!」

返事が無いのを訝しく思い扉を開く


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁ」

近所中に聞こえるような叫び声に俺はさてと始まるかなと準備をしていた


ボスの叫びにいち早く駆けつけたポチは

トゥルーの左手に握られたフライパンで殴られ壁に突き刺さる

「ぱぱぁぁぁぁぁ!アレックスがいないの!家出したみたいよ!!!!!!!!」


当然知っている昨日の夜に別れを済ましているからな、などと気取られるわけにもいかず

「な、なんだーと!それはいかんな!いかん!」


壁からポチを引っこ抜きトゥルーはポチに乗り凄い勢いで玄関から出て行こうとする。


フライパンとおたま、エプロン姿で

俺は不意にポチの尻尾を掴む、その勢いでトゥルーだけが玄関を突き破り外に飛んでいく


玄関先で目を回し伸びているトゥルーを抱き抱え家に入る。しばらくして気がついたトゥルーは、

「あ、ぱぱ、悪い夢を見てたみたい」と疲れた笑顔で口にして頭を摩りコブがあるのを確認して

驚愕の顔に変化していく


「まさか!夢じゃないの?」

「あぁ、アレックスは家出したみたいだな。」


「大変!直ぐに追いかけなくちゃ!」

「待て、あいつの気持ちも考えてやれ!」


「だって、あの子はまだまだ子供なのよ!」

「ちゃんと準備して家出したんだ簡単には帰って来ないさ」


「でも!やっぱり心配だから私は行くわ!」

「わかった、その代わり俺たちも準備してからだ」


「うん、絶対に見つけるわ。」

「嫌がるのを無理やり連れて帰るのは無しだぞ!」


「分かってるわよ、その時は私も付いて行くから!」

「困った母親だな」


それから準備に取り掛かる昔使った道具を納屋から引っ張り出して手入れする。

トゥルーは用意していた事もあり、やはりその日のうちに出発する気満々だ。無事に船に乗っておいてくれよ、と心で思いながら家の外に


トゥルーが家に向かって[収納]と一言呟くと家が小さくなりトゥルーの手の中に。


いつ見てもコイツの魔術は凄い流石は世界でも有名な魔女だななどと感心していると、


跡地に看板で[息子を探しに行きます。御用の方はギルドまで]と書き立てて


「さあ!行くわよ!ポチ!」何故か返事が無い?

あれ?っと辺りを見渡したトゥルーがはっ!とした顔で家のミニチュアを出し耳を当てる


かすかにポチの鳴き声が聞こえてくる


「ごめんごめん」とミニチュアからポチを引っこ抜き改めて出発する。


この世界最強のストーカーの出現である。

ふと、目が覚めると

とても柔らかく暖かく良い匂いに包まれていた


下着姿のアンの胸に顔を挟まれて

ここが、天国なのかと馬鹿な事を考えていると


不意にアンと目が合う

天使の様に微笑んで「おはようございます坊っちゃま良く眠れましたか?」と聞いてくる


せっかくなので暖かさに身を任せて

「あぁおはよう、おかげでぐっすりだよ」

と返すと「うふふ」頭を抱きしめ胸に押し付ける


少し息苦しいが正に天国

あの仙人もイチコロだなこりゃ

そう言えば、アンはゴーレムなのに体温がある

お風呂も無いのに何故かとても良い匂いがする。青い箱に入った石鹸のようなとても懐かしくて安心する良い匂いだ

着ているエプロンドレスはシミひとつない

そんな事を考えながら柔らかさの誘惑から身体を起こし身支度に掛かる


ベッドの脇に脱いだ服が畳まれて置いてある

何時もそうなんだがいつのまにか洗って畳んである

気になったので身支度していたアンに尋ねてみる

「なぁ、アン?何時も良い匂いがするけどどうしてだ?あと、ゴーレムなのに暖かいし、俺の服はいつのまに洗ってるんだ?」

一気に尋ねたらキョトンとした顔で


「もぅ坊っちゃま、一つづつお尋ね下さい♩」

と笑顔で応える下着にブーツを履いた姿で


「ごめん、先に服を着てくれ」

いくらゴーレムと言っても、これだけの美人の下着姿は破壊力が凄まじい、純白の下着には可愛らしくレースが模様を作っていた。

俺の貞操が悲鳴を上げている男だけど


黒のエプロンドレスを身に纏いホワイトブリムを付け笑顔で近づいてきて俺の身支度を手伝いながら

「レディですから魔術で身体を綺麗にしていますわ。ちなみに坊っちゃまがお休みになった後で坊っちゃまの身体も隅々まで綺麗に隅々までうふ」


母ちゃん俺の貞操はもう時間の問題で破られそうですごめんなさい


「体温に関してはわたくしをお作りになった、

お父様ロベルトが無からではなく人を元に作ったからだと思いますわ。つまりはゴーレムと人間のハーフでごさいますわ」


「洗濯に関してはスキルに家事がありますので、

ちょちょいのちょいでございますわ」

助かるよと声を掛けてそう言えば料理スキルなんかもあったなと思い出す


「そう言えば料理も出来るんだよな?」


とても良い笑顔で頷き

「ええ!お任せ下さい最高の料理をお出しいたしますわ!調味料は愛!うふふふふふ」

壊れ出した、戦闘はだめっぽいがその他は優秀なようだな。そんな事を考えながら宿を後にしてギルドに向かう。


旧王都のギルドは一階が受付とその奥に酒場を営んでいた。朝から酒場では夜勤明けのオッサン達が飲んだくれている。依頼を張り出している壁は酒場の横を通り過ぎた場所にある


どんな依頼があるのかを壁に近づき見ている


「迷い犬を探して銀貨2枚」


「草原に咲くアリエルの花を200本採取銀貨4枚」


「森ゴブリンの討伐金貨1枚」


う〜ん迷い犬を探すか、後は草原で薬草でも探すかなどと考えていると酒場の奥から


「おい!小僧!どこの貴族様かしらねぇがギルドにメイド連れて舐めてんのか!殺されてぇのか!」とかなりの酔っ払いが絡んでくる


ほかのオッサンが止めに入るが怒りは収まらないようで「何とか言えや!クソ餓鬼が!こっちは冒険者稼業で女っ気もねえのに!ぶちころすぞ!」


知らんがな、などと冷めた態度でオッサンを見つめているのが余計に気に触ったようで

こちらに近づいてきて俺の襟首を両手で締め上げる。はぁ、と溜息を吐きながらその手を払おうとした時、横から細くしなやかな腕がオッサンの腕を捻じ上げて「わたくしの坊っちゃまによくも!その腕へし折って差し上げますわ!!」と


オッサンの両腕を捻りゴキッ!と腕をへんな方向に折り曲げた、オッサンは「ぐぁっ!」と呻き蹲った。その股間を焦げ茶色のロングブーツで思い切り蹴り上げる破滅の音が聞こえオッサンは泡を口から吐き気を失う。


オッサンの仲間達は呆気にとられて誰も言葉を発する事無くアンを見つめている。

般若の様な雰囲気で「あら!貴方達も仲間ですわね?」と笑いながらオッサン達の方へ行こうとするのを見て慌てて止める


オッサン達は汗だくになりながら必死に謝り

腕が変な方向に捻れて気を失っている仲間を抱えてギルドから逃げる様に出て行く


アンは大きな瞳に涙を浮かべて

「坊っちゃま申し訳ございませんわたくしのせいであのような輩に絡まれてしまい」と俯いている


俺は「いや、気にしないよ、アンを選んだのは俺なんだから。お前は俺にとっての初めてのゴーレムだからな!」と頭を背伸びしながら撫ぜてやる


アンは

「お前が初めて、お前と初めて、初めてはお前」

などと、呟き。泣いてなかった?と思うほど妄想の彼方を旅していた。


さてと、犬探しに行くか。


迷い犬の捜索はまず依頼者の訪問から始まり

犬の特徴、名前、好きな物などを羊皮紙に書き込む。

旧王都は流石に王都だけあり途轍もなく広い

おおまかに4つの区域に分かれている

街の外周を五メートルほどの高さの城壁が丸く囲い外周はおおよそ70キロくらいだろうか?


城壁には人が歩く為の道と敵を攻撃する為の窓が等間隔で開いてある


丸い街の上半分を大きくして十字に分けて

右上が貴族の住む貴族街

左上が王族が住む城と庭園が広がり

右下に商店や平民街、左下にはギルドや兵士などが住む兵舎などがある。


王城や貴族街には高い塀と堀があり一般には解放されていないため入ることは出来ない


外周には3つ門があり、西門、東門、南門がある

平民街と兵舎の前で交差して丁字路になっている


迷い犬がいるとしたらこの平民街と兵舎の辺りだろうと路地裏や物陰などを隈なく探しながら

街の見物を兼ねて二人で歩いていると


久しぶりにエルフに合う

エルヴィス以来だ俺の街には結構な数のエルフが住んでいたがほかの国には少ないのだろうか?

などと考えていると


「おい、アレックスギルドはあっちだ、と親指をギルドに指して聞いてもいないのに案内しようとする」


「え、さっき寄って来ました」と応えると


「そうか、気をつけてな」と意味不明な事を言っている。

どうしたのだろうか?誰かと勘違いでもしたのか?


そんな事はすぐに忘れて迷い犬探しを続けた

随分さがしたのだがノウハウの無い素人に迷い犬を探し当てるのは難しい。


そこで「アン?何かいい方法ないかな?」

後ろからニコニコしながらついてくるアンに尋ねてみる。すると少し驚いた様に喜び


「迷い犬を探すと致しますと、う〜ん、あ!動物と話が出来る魔術がございますわ」

早速頼むとアンが道端にいる犬に

「わん♩わん♩」と可愛く喋りかけている


ふざけているのか?とも思ったが喋りかけられた犬が驚愕の表情で「わ....わん」と応えていたので通じている様だ。何か分かったか聞くと


「この犬は知らないようですわ」と申し訳なさそうに応える


「いや、それはいいんだが俺にもその魔術を掛けてくれないか?」期待を胸にお願いする


「はい♩大丈夫ですわ」と右手をこちらに向けて魔術を発動する。少し暖かい膜のようなものに包まれる、「バリンッ!」と言う音と共に膜が消える?


「坊っちゃま?何か加護魔法がかかってますか?」と驚いた顔でアンが尋ねてくる


「あぁ種類は分からないが母親が加護を掛けているみたいだ」ギルドで言われた事を思い出す


「かなり、高度な加護が掛けられているみたいですわ、申し訳ございません」こんなに強力な魔法があるなんて、と呟いている。スキル120の魔術を跳ね返すってどんな加護かけてんだ母ちゃん


何か不思議そうに首を傾けていたので

「どうした?まだ何かあるのか?」と聞くと


「いえ、強力な魔法は使用するMP も尋常じゃない程必要になりますわ、ましてや永続的にこのような強力な魔法を使うとなると何か自分に誓約を掛けているとしかおもえませんわ。目が見えなくなるとか、片腕が効かないとか」


「う〜ん?うちの母ちゃんはふつうに生活していたぞ?じゃあ母ちゃんじゃ無いのかな??」


「お母様はエルフの方でしょうか?」


「あぁそうだ、父ちゃんが人間なんでハーフエルフだな」何か関係があるのか?


「わたくしの魔術に精霊瞳と言う魔術がありますわ坊っちゃまを見させて頂いてよろしいでしょうか?」エルヴィスの言ってた精霊眼の魔術版かな?


「あぁべつに構わないけど」


「失礼致します」そう言うとアンの瞳が金色に変わる。その時「きゃぁっ!」とアンが腰を抜かす


「大丈夫かっ?何か見えたのか??」

少し焦りながら聞くと


大変申し訳なさそうに

「坊っちゃま、坊っちゃまの周りには今まで見たこともない程の数の加護と呪いの魔法が取り囲んでいますわ」

え?何それ??


さらに言いにくそうに

「さらに坊っちゃまの頭の上にはとんでもない物がございますわ」


凄く気になるが先ずは、

「加護と呪いの数はどれくらいだ?解除出来ないのか?」と尋ねる


「大よそではございますが、600程の加護と同数程の呪いが」いやマジでヤバイ奴じゃんか!

大人のエルフは俺に合うたびにそんなもの纏った俺を見てたって事か!!


「魔法の渦で坊っちゃまの顔が見えませんわ」


なんだそりゃ!うん?会うエルフ会うエルフ俺の名前を呼んでたぞ?さっき出会ったエルフもアレックスって呼んでたし、嫌な予感がするが後だ


「簡単にどんな加護とか呪いがかかってる?」

気になるところから尋ねていく


「加護は病気に掛からなくなる」

「睡眠不足にならない」

「嫌いな野菜も食べられる」

「虫歯予防」

「あ!全MP を消費して自然治癒を上げるなんてのも御座いますわ」


すこし呆れながら

「じゃあ呪いの方は?」

尋ねると


「まぁ酷い、女子が術者に無断で坊っちゃまに触れると性病にかかる」

「術者に無断で大人の階段を登れない(不能)なんてのも!許せませんわ!」

「数が多すぎて目眩が致しますわ」


学校で女子が次々と原因不明の病気に罹った訳がいま分かりました。母ちゃん何してんだ!


「で!解除出来そうか?」

期待はしていないが尋ねる


「申し訳ございません一つ一つがあまりに強力な魔法ですので解呪者でなければ無理ですわ」

とても申し訳なさそうに応える


そうか、やっぱり駄目か

さて、本命だな


「で、頭の上には何があるんだ??」

心して尋ねる、


アンは目を逸らして

「え、え〜っと、自己紹介的な?」

と作り笑いで曖昧に応える

まるでエルヴィスのように。


「アン、俺はお前を信用しているんだ!お前は俺に嘘をつくのか?何があっても生涯付き添ってくれるんじゃ無かったのか!」

と、おおきな瞳を見つめ問い詰める。

ここで聞かなきゃ社会の窓を開けたまま大通りを練り歩くみたいだからな。


アンは白い頬に朱をさしながら

「坊っちゃま!分かりましたわ。何があろうとこのアンが坊っちゃまをお守り致します。何を聞いて落ち込んでもわたくしが御慰めしてみせますわ!」と瞳に力を入れて俺を抱きしめる


通りがかりの人達が怪しそうに見ているのでやめて欲しいが、何が書いてあるのか気になる


「先ず、坊っちゃまの頭の上に縦に四メートル横に六メートル程の板状の物がございますわ」

え?大き過ぎない?と突っ込む前に話は続く


「その板にはカラフルな文字が明滅していますわ」は?


「書かれている文字は一番おおきな文字で

[迷子]と書いてありその周りに

坊っちゃまの名前、住所、両親の名前が明滅しておりますわ。そして、坊っちゃまのお母様にたいする感謝の気持ちや自身の想いなどが愛溢れる文字で長文として書いてありますわ!。少し嫉妬してしまいます」


「後は坊っちゃまの好物や他のエルフの方にこの子供を見かけて助けないとお母様の名に於いて必ずお仕置きすると脅し文句が長々と書いてありますわ」俺は恥ずかしさのあまり倒れる


「坊っちゃま、お気を確かに!アンがアンが付いておりますわ」アンの柔らかな胸に抱かれながら


悪い笑顔で高笑いする母ちゃんとポチを幻視する


犬は明日さがそう....

長々と書きましたが読んで下さって

有難うございます。


評価頂けると泣いて喜びます

褒められて伸びる子ですので

宜しければ評価下さい


こうすればもっと読みやすいなどの

ご意見ございましたら

参考に致しますのでよろしくお願いします。

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