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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
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鍛錬と依頼と貯金の日々

穏やかに波打つ晴れ渡った海原を

一隻の商船が帆に風を受け進む


魔王国西の獣人の町から龍王国へと

様々物資な物資を載せて


監視を任されている鶏人が不意に鶏冠を揺らし


「何か海の中で大きな物影が動いている」

と操舵室へと報告を入れる


船長は慎重にに舵を左に切り物影を避けるように

針路をとる。操舵室には前方を見る為の窓はあるがその後の報告が無い為

「どうだ?鯨か何かか?」と監視に声をかける


返答がない事に不審を抱き部下に様子を見て来い

と指示をだす。


操舵室の後ろの扉から出た部下がその場で動かずに立ち尽くしていた。

「何してやがる!早く行け!」怒鳴りつけるも

部下はある一点を見つめて驚愕の表情を浮かべている。不審に思い舵を部下に任せて扉から外に


そこには、40メートル以上あるこの商船よりも

遥かに大きな海蛇、いや海龍が海面に頭を出して

こちらを見下ろしていた。


船長は腰を抜かしてその場に尻餅をつき

「あわあわ」と震えて声も出せない


海龍はその大きな体で船を覆い被すように海の底へと船を沈める 、大量の物資と沢山の人を載せたまま


遥か後方でその現場を目撃した他の商船は

急いで舵を切り来た方向へと逃げていく


難を逃れた商船によりギルドへと報告が入り

海龍の調査と討伐隊の編成が始まる

冒険者研修を終えて

3人の仲間も出来た


本格的に冒険者として活動を開始する。

だが、まだランクがGの俺たちが受ける事が出来る依頼は危険が少ないが報酬も少ない


毎日複数の依頼を受けて

ランク上げとお金を貯めていく。


レナト達はお金を貯めて装備を一新してより強い魔物を狙いに行くらしい


俺は一人でも旅が出来るようにゴーレムの資金

を貯めている。

そんな事をみんなに話すとジャンルカが

「ゴーレムかぁ、港でよく見かけるけど盾なんて出来るのかなぁ??」

レナトが「馬鹿だなぁ、雑務専用のゴーレムじゃなくて戦闘用のゴーレムもいるんだよ値段も高いけどね」幾らくらいするのか尋ねてみた


「う〜ん新品だと金貨200枚はするんじゃない?

まぁ新人は先ず中古のゴーレムでお金を貯めて買い替えていくのが普通だよ」

中古だと金貨20枚ほどだそうだ


「うへっ!中古で金貨20とか、大甲虫の鎧が買えんじゃん」ジャンルカが顔を歪めながら呟く


最低でも金貨20枚か、最近の取り分がひとり

銀貨8枚だから一月もすれば買えそうだ


「取り敢えずお金を貯めて首都に行ってみるよ」

そう言い採取の続きを再開する

皆も各々夢がありそれに向かって真剣そのものだ


来る日も来る日も薬草塗れになりながら

貯金を続けていく。ギルドが銀行の代わりのような事を業務として行っている


預けたお金は世界中のギルドで下ろす事が出来るらしい便利な組織である


依頼をこなし10日ほど経ったある日の事

ギルドのお姉さん事ナターシャさんが


「ねぇねぇアレックス君、明後日は依頼を休んでギルドに待機してなさい。」と語り掛けてきたので

「何かあるの?」と聞き返すと


「Sランクの冒険者チームがこの街に寄るそうなのよ」とアイドルでも来るような感じで嬉しそうにはしゃいでいる


後ろで一緒にいたミランが俺を押し退け

「えっ!Sランクって黄金獅子の

カルロスさん?!!」ファンなのかグイグイ聞いている


「そう!そうよ!!金髪の貴公子、獅子心臓の

カルロスさんよ!!」

二つ名が多いな、などと感心していると


「レナト!明後日は休みだ!!」

ミランが叫びながら走って出て行く


「そんなに有名な人なの?」俺が口にすると


ナターシャさんは顎が外れそうなくらい

愕然ととした顔で「え!えぇ!し、知らないの!!」信じられない、なんて呟いてる


そうか、有名な冒険者なら少し興味があるな


2日後、街は一種のお祭り騒ぎの様な雰囲気を醸し出している。大きな街だがSランクの冒険者は

滅多に見ることは出来ないらしい。


ギルドの前の道に人垣が出来、今か今かとその時を待っている俺もレナト達と一緒に人垣の中に居た、空港に着いたハリウッドスターを待つ一般人のようだ。


その時、一台の見た目で高そうな馬車が近づいてくる、歓声が上がりギルドの前に馬車が止まると

中から数人が降りてくる。


金髪の目付きの悪い男と、妖艶な格好の女

全身鎧を着込んだデカイ男と、見覚えのある

水色の髪の男、「エルヴィス!」

俺は驚きから声を上げるが周りの歓声に掻き消される


金髪の男の目の前に一人の男が踊り出た

「カ、カルロスさん!じ、自分ファンなんです!」と股間を強調した変態が握手を求めて

手を差し出す


「よ、寄るな!変態!」

金髪に振られた変態は呆然と立ち尽くす


不意に並んでいる俺と金髪の目が合う


「小僧、父親の名前は?」


「ケビンです」親父の知り合いか?と答えると


「やはりな、お前の目は親父そっくりだ」

と忌々しげに顔を歪める


「お前の親父の顔の傷は俺が付けたんだ!」

ニヤリと笑いながら続けて

「まぁ7箇所骨折させられたがな!」

悔しそうに俺を睨む


「どうだ?小僧俺と一緒に来ないか?」

金髪が口にするとその後ろで変態が

えぇーみたいな顔で自分を指差して俺も俺もと

叫んでいる


俺が何か言う前に横からエルヴィスが

「ダメだ!」と金髪の腕を引いて耳元で何かを囁いている


訝しげにエルヴィスの話しを聞いていた金髪が

盛大にずっこける。


「はぁ!?本気で言ってんのか?」

金髪が何やら怒っている


「間違いない」


「どうして今まで黙ってたんだ!」


「俺も知らなかった、この街でコイツを偶然見かけたんだ」


「ふざけんなよ!死んだって言ってたじゃねぇか!!」


「死んだとは言っておらん、敗北したと言ったはずだ。」


「普通敗北って死んでんじゃねぇのかよ!くそっ

やっぱ死んでなかったのかよ!。そうか!ケビンの奴か、ちきしょう!負かして嫁にするとかあいつ何考えてんだ!」


「バディ落ち着け」


「うるせぇ!落ち着いてられるか!それと今は

カルロスだ!」


何か二人が小声で言い争っている

金髪がこちらに来て


「すまない、さっきのは無しだ」

後ろで変態がガッツポーズを決めているのがウザい


「俺達はこの街にひと月は滞在する

もし、何か困った事が有れば俺を頼れば良い。

お前の親父とは、強敵と書いて友と呼ぶ間柄なんだ。遠慮するな。」


急に笑顔でフレンドリーになったのが気になるが

「ありがとうございます」と笑顔で返す


「じゃあな!」とギルドに向かう一行に

変態が近付いて

「カ、カルロ」「近づくな変態!」

変態さんは膝から崩れ落ちて泣いている


知り合いだと思われると困るのでその場を離れる

レナト達がついて来ないのに気づき


「おーい、もういいだろ?採取に行こうぜ!」

声を掛けるが反応が無い


おい!と肩に手を掛けて声をかける


「ア、アレックスはカルロスさんの知り合いなのか???」


「いや、全く知らない」


「じゃあ何の話ししてたんだよ!PTに誘われてたし!」


「なんか、うちの父ちゃ、父さんと知り合いらしい?」


「すげぇ!アレックスのお父さんってやっぱり冒険者なんだ!」


「いや、木樵。たんなる木樵だよ」


「え?」

「え?」

「え?」

3人がハモりながら不思議そうな顔をしている


「多分同じ村の出身とかじゃないかな?」

曖昧な答えに納得いかないのか何か言っていたが

本当に知らないから仕方ない

あれ?そう言えば父ちゃんは冒険者をやってたっけ?まぁいいか

「多分子供の頃の喧嘩仲間だろう?顔に傷をつけたって言ってたし父さんは顔にでっかい傷があるんだ」骨折させられたとか言ってたが


「俺も傷物にされたい」変態が後ろで呟いているが無視する。


「さぁさぁ!行こうぜ時間が勿体無い!」

無理矢理終わりにして俺達はいつもの採取に向かう。父ちゃんは何気に顔が広いなぁなどと考えながら


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