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始まり

そこには無限の暗闇が広がっていた。




 あれ、ここどこだ? なんでこんなところに......




 あれ、思い出せない......




いてぇ、頭がズキズキする。それと何か体がふわふわしているし......




あぁ、そういえば小さな女の子を車から轢かれそうになったのを庇ったのか......

あの子大丈夫かなぁ? 死んじゃったのか俺。はぁ、我ながら儚い人生の終わり方だったなぁ。

早すぎるだろ人生終わるの。まあいつか死ぬ人生だし。人は死ぬために生きているからな。




まああの子が無事なことを祈るか。後家族とか心配してるかな?......あとあいつとか。




「おい聞こえとるかね? おーい」




何だよ人が折角人生の終止符打ったっていうのに......

全く不謹慎な人だ。



「誰が不謹慎だって? 三条、八雲君?」


 そこには白髪頭に眉間に深い皺のある黒いローブをまとった年の頃七十位の爺さんが佇んでいた。


黒いオーラ付きで......

 あれ、これ心を読まれてる? 然も名前まで......? 何で?

 

 


「分かるよ、分かっちゃうよ~。それよりもう一回人生やり直さないか? 十七歳で人生を終えるにはちと早すぎる」



えーー何このテンプレ。マジかよ~! おい、俺TUEEEEEEになってしまうのか?


 それよかこの人は一体......? あっ! 神様か。分かっちゃうんだよな、お約束だもんね。

この察し能力はさすがに健在か。俺が一体どれほどのラノベを読んだと思っているのだ? 




 あれ、いやでも神様ってこんなに禍々しいもんなの? こんな気難しそうな顔してたか?



「いや、まあ邪神だけど。フフ」


 え? あぁ邪神ね......




んんんん??? 邪神??? それになんでドやってんの? この顔でドやられても怖いんだが......


「私の名はコリン! 邪神をやってる者だ! フハハハハ!」



なるほど......なんかマジっぽい。嘘の気配が全くしない。何故か納得してしまう自分がいる。あの黒いオーラとか邪神そのものだし。



 いやいやいや、ちょっと待っておかしいだろ......なんで邪神が出てくんの? 普通さ、神様出てこない?

 邪神じゃない方が出てくると思うのは私だけですかね?

 心の中で一人ツッコミをするの疲れるな.......



「うるさい奴じゃのう、そんなこと気にしてどうする? まぁ理由を挙げるとすればそうじゃのう、お前が助けた小娘おるじゃろ」



ああ俺が庇った女の子か、それが今の繋がりとどう関係してくるのか?


「あれワシの孫なんじゃよ。助けてくれてありがとな! ハハハ」




はい? そういうの先に言ってくれないかな? 何で邪神の孫が俺らの世界にいたの?  


 そんなことはお構いなし! という様に話を続けてきた。



「孫がどうしてもあの世界に行きたいと言うもんじゃからの、孫の頼みじゃからの、しょうがないじゃろ。それで少しユーチーブを見てたら道路に飛び出してしまっての」


自分の孫見とけよおい! そんなもん見るより孫見とけ孫! 大事な孫だろう!


「そこで君に助けてもらった次第じゃ。まぁ孫を助けてくれたお礼に人生をやり直させてやってもよいと言っているのだよ八雲君。君が救ってくれたのは本当に感謝している」


 そう言ってコリンは真っすぐと俺の瞳を見つめて語ってきた。そんな感謝されると中々恥ずかしいものだな。然も邪神に。ムムム......まあ悪い話ではないが。

そしてこう続けた。 




「普通こんな事せんぞ。一応お礼だがまぁ無理強いはせん。お前が望むようなこともできなくはないが、そこは君の努力次第だと言っておく。楽して強くなってもそれは本物の強さではなく脆い強さじゃ。それと転生先は剣と魔法少々の世界じゃ。あと、もし転生するならその年で行くからの。生まれたての赤ちゃんの精神年齢が思春期真っ只中のガキだなんて知ったら大変だろう......ワシなら卒倒するまである」




 うわ、マジかよ! テンプレすぎるぞ剣と魔法て。でも魔法少々か。俺結構ゲームのRPGとかでも後衛の魔法使いやってたりしてたからな。そんなに需要が無いのかな? 結構重要な役職だと思うけど。 おっと話が逸れた。

 しかしチート無しっていきなり無理ゲーかよ! 結構、俺TUEEEEEE展開になるかと胸を躍らせてたのに...... まあ、年に関しては納得できる。色々気まずいだろうからね。うん。


 ではどうすれば良い? まさかこの年で一から剣と魔法を覚えるだなんて一体何年かかるのやら。



俺が頭を捻っているとコリンがこんな提案をしてきた。



「ワシが不老不死(仮)の力を与える。そこからは今書くこの紙を渡すからそこに行けば何とかなる」



 そう言ってコリンはいきなり空中から現れた羽ペンと少し黄身がかった紙を取り出し、その紙に羽ペンを滑らせていた。そして書き終わったのだろう、ゴツゴツした手で今書いた手紙を渡してきた。

 何なんだこの紙は、紹介状? それとなに、不老不死(仮)って何だよ。



「ま、死ぬなよ」

 

 コリンは遠い目をしながら呟いた。


 ん? 不老不死(仮)ではなかったのか?その説明を...... おい! ちょっと待て、俺話に流されてないか?



え~、まあいっか前世より楽しそうだし。








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