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ラッシュ列伝  作者: ユーサン
0章 俺にラブコメなんてもんは近寄ってこない
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人間の行動力とは単純なのに

あれ、今なんで俺は走っているのだろう。

実際今日転校してきた咲樹とはそんな何も関わってもなく単に先生に案内しろって言われ、その際に少し話した程度の関係だけなのに、何故こんなに必死になっているのだろう。ふと考えるあまり、走る足を止めた。「人間をちゃんと分かっているつもりだったんだがこうして見ると不思議だな」俺は結果だけを...客観的に見すぎているのかもしれないのだが、彼女はどこかほっとけ無くてなにか懐かしい物、守らないと行けないものと結局は、もやもやしたまんまにして、最後に「可愛いからに決まってるだろ」と意味わからない理由で、また走り出した。


何分走ったのだろう。倒れていた地点から言い方はあれだが、定期的に先程の自分のような倒れ方で、廊下の隅に転がっているのを見ると、方向は間違っていない。倒れている人たちは意識はあるものの、ヴぅぅぅなどの本能的に喉からなる痛みの声のみを発している。何人かは立ちあがろうとしているのを見る限り察していたがこれは毎日行われているとは言いきれないが当たり前のことらしい。それは初めのおばちゃんの対応や行動でも言える。あんな状況でギブアップする?などとはふつう言わない。そうしてどんどん自分のモヤを消し頭の中で整理している俺って少しできるとか思っているのだからそんなもうパニクっては無いのだろうと、言い聞かせていると初めて数人が立っている集団を見つけた。そこは1F食堂から廊下をある程度走り右の階段を登り左に曲がり廊下を少し挟み学生達が少しボードゲームなどで遊べる多目的ホールみたいなスペースにいた。

階段を上り廊下を左に曲がった直後でも見える距離なので、出来るだけ近寄りたくない俺は目を言わんばかりに見開いて出来るだけ多目的スペースにいる数人の人の特徴をできるだけ探ろうとし、観察した時だった。「咲樹・・・」そう、数人でこちらから見ると背を向けているがあれは先程まで一緒にいた彼女、咲樹である。やっと見つけたとホットするつかの間彼女と対面している人を観察し始めた。どう見ても体格は良く、体つきも良さそうで力もある。だが、その彼が持っていたのは家の風呂などで使われている持ち手付きのオケであった。正直分からなかった、何故オケを手にし集団の輪の中心に彼がいるのかが。数秒後自分が抱いていた問題があっさりと解けてしまった。彼がオケを一振し金属音までとは行かないが完全に風の音を凌駕する音と、一振をなぞるように風のウェーブが微かではあるが見えた。正確には景色がそこの部分だけ乱れていて強制的な透明の虹が完成していた。それは集団目掛けて飛んでいき、集団は壁まで吹き飛ばされ、そのまま倒れていった。先程まで咲樹を助ける気満々であったがそんな好奇心とは裏腹に絶望の恐怖感が植え付けられた。だがしかし、俺は1歩でもいいから歩かなくてはならない。こんな気持ち初めてだ。人をここまでちゃんと見て、増しては守りたいなんて思うなんて。そして俺は多目的スペースまで走った、全力で。「咲樹!」喉からでるめいいっぱいの声を彼女に届けに。彼女はこちらを振り向き囁くという表現では遠いが真剣な顔で何か不思議そうな反応を隠そうとしているのだろうか、確かに俺がここにくるなんて想像していなかっただろう。こっちも咲樹がこんな所にいるとは思っていなかった様に。「なんでつき倒したのに君はいるの」自分の想像していた考えを上回る答えが返ってきてあしを止めた


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