表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラッシュ列伝  作者: ユーサン
0章 俺にラブコメなんてもんは近寄ってこない
1/4

感情はただの黒い血でできたハート

目の前が真っ暗で自分が今何をしているのか、何をしていたかもおぼえてない。

ともかく目も開けられなければ体も動かない…がぁ!、変に体や何故こんな状況になったかなどと頭を動かそうとしたせいか体が急に痛くなった。「おい、ふーたが目を覚ましたぞ!」

どこかで聞いた声が耳を横切った。俺はこの声を知っている。そうだ、親友の荘太だ。高校に入り始めての席で隣になり何故かしつこく話してきて初めは鬱陶しかったのにいつの間にか隣にいるようになっていた。だがそんな自分の回想をしているうちに横からまた他の声が聞こえてきた。「いちいち声なんてかけても変わるわけではないでしょ?何をそんなに向きになっているの。」なにやら親友の焦るような声とは違い冷静で静かな女性の声が聞こえた。話を聞く限り俺はもう死ぬしか無いらしい。何故なら、焦っている親友。もう何をしても変わらないと言っている女性の声。だが、女性の声はどこかで聞いたことのある身近な声でもありどこか突っかかる点があった。あぁ...俺はきっともう死ぬのだろう、最後までなにもいいことなんて無かった。人とはお面を被った般若、はぁ...来世は何になるのだろうともう俺は死を覚悟して気を楽にしようとしてした。

「そろそろ下手すると大変だぞ、しっかりしろ!」最後まで俺の親友は声をかけてくれている。なんでこんな当たり前のように見えてこんなにイイヤツはいないんだろう。(信じていた存在はいつしかお面を剥がし妙にも悍ましいダンスを歌い出す)つい心の中でもこんなため息みたいな事をついつぶやいてしまう。最後に期待に応えて一言ぐらい呟いてかっこよく死んでみたいもんだ。そう思い体が痛む中、全身を力ませ喉を震わせながら親友に呟いた「有り難う、俺はもう終わりだ、本当に有り難う」そう僕は有り難うと一つの言葉を何度かいうともう喋れないほど喉が乾いているのに気づく。最後はごめんというより有り難うのが清々しいと思い、有り難うを選んだ、ふとそんな事で優越感を得ながら死を迎えようとしていた俺の横で先程の女性の声が聞こえた「別に死なないのにそんな必死にかっこつけなくてもいいのに」俺の心にクリーンヒットする言葉が炸裂した。俺死なないのね


第1章:青春の味は生々しくラブコメなど求めてはいけない

今は何時だろう。ふと居眠りをこけながら思った。実際今は学校の敷地内のお気に入りの原っぱで寝ている。きっとまだ学校には間に合う、はずだ。俺はそう言い聞かせながらただ起き上がるのが面倒臭いのを隠しまた眠り始めようとした。ふと自分の中でいつからこんなんになってしまったのかと思い記憶を遡らせる。高校入学時から遅刻ばかり、授業は寝るわ、勉強も禄にせず成績も良くも悪くもない微妙な感じ。ここの学校では学食が人気でフードコートも設けられておりなにより学生のふところに優しく美味しいと遠い方からの一人暮らしデビューの人たちも多い中、自分はただただ家から近くてそこまで頭もいい学校ではないのでここを選んだ。だがフードコートにはあまりの人数に1度見ただけで次の日以降コンビニだ。いやもっと前からこんなんだったか...小学生、そう小学生は今とは思えない程無邪気で社会などという金色の闇を纏った鎖など知らず楽しく過ごしていた。そういえば1回金持ちの家計の女の子が一ヶ月転校してきた。彼女いわく、勉強は特に問題ないが平凡な学校も1度味わないと損とか言っていた。今思うとなんて皮肉な言葉なのだろう、あの時は金持ちってすげーって思っていたのがバカ丸出しの証拠である。だが今思えば色々辻褄が会ってきた。その女の子は一ヶ月のはずだったのだが今みたいな性格のせいでいじめを経験し嫌な経験として刻まれながら1週間で転校していってしまった。意外と俺はそこら辺頭悪くて皮肉なんて言われてると思わず結構仲が良かったと思う。最後に一言ぐらい言ってくれればと思ったが今思うと切なく散った。中学生...あぁ、ここだ。ここで闇の鎖と出会い般若と出会った。だが深く思い出せば思い出すほど腹立たしくなりこの話は止めることにした。「いくらあなたが私の思うヒーローだからといっても遅刻しては元もないですよ、風邪も引きますし...あ、バカは風邪引きませんもんね、すいませんでした」やたらと一言が多いし、何故か社長出勤とかではなくヒーローなんだと疑問を思いつつ目を開けると誰もいなかった。

あ、もう遅刻する時間じゃん...時計をみて気がついた


やばい、これはやばい。俺は今教室のドアの前にいるが今危機を感じている。ホームルームをやっているのは担任ではなく生徒指導担当(副担任)だからだ。これはやばい、絶対言われる。あの先生容赦無く廊下に立たせたり廊下の雑巾がけとか命じてくるから本当に厄介である。恐る恐るドアを開けるとやはり副担任こと、鶴が台 悟(鶴が台 さとる)が今日も元気よく太陽をさんさんと反射しながらホームルームを続けていた。「おい遅いぞ、8時40分の鐘はとうになっているぞ」あぁ始まったこれはきっと面倒臭いぞ。やけに長い廊下の雑巾がけか、それとも英語の教師でもあるから単語100回ずつまとめてくるか、なんでも来い。「でも、今日は転校生がいるから特別に許してやろう。席につけ」ん?転校生、なんて幸運なんだこんな奇跡の糸しがみつくしかないだろう。俺はういっすといいながら席につくついでに先生の奥にいて見えなかった転校生を見てみることにした。窓が空いていて少し風があたり気持ちいいと思いながら転校生に目を向ける。嘘だろ...そこには青く少し長めのショートヘアで目の色は少し青がかった緑色のいうならばコバルトブルーに近い色の瞳がやたらと透き通っていてどこか懐かしさを感じさせたがそれよりも頭の中では可愛いというワードが頭の中に大きく印象を付けた。知らない内に数秒見蕩れていてついぼーっとしすぎてしまった、とっさに席に戻るがもう遅い。頭の中は可愛いというワードで埋め尽くされているのに加えて追い討ちが降りかかる。「おまい、あの女に惚れただろ、まぁ可愛いけどあいつはどこかで...使天皇のたしか、、風太には関係ない話だったな、すまん」何故か少し変な喋り方や変なことをいっているのは俺の親友と思っている雄一頼れる爆沼(はぜぬま) 荘太(そうた)。それにしても転校生は確かに惚れる程可愛い。だが使天皇とかよく分からない設定は程々にしといてほしいものだ「んだよ、今の使天皇って。気になるじゃねーか」だがしかし荘太はなにも答えてくれず前を向けと顔で表していた。そっーと前を向くと悟先生はこちらをじと見ていてなにやら睨んだ印象が見えたのだが軽く誤魔化し隣の転校生に目を向ける。「まぁとにかく軽く名前くらいでもいいから自己紹介をしてください」悟先生...人工ひまわりは転校生に自己紹介を頼んだ。見た感じ気弱で大人しそうな性格に見える彼女は声を発する「私の名前は寒川(さむかわ) 咲槻(さつき)一応特待生としてここにスカウトされて来ました。前の学校はささみやセントマリー女学院でした。これからよろしくお願いします」んー、特待生の後にささみやセントマリーは中々皮肉を言うに等しいぐらい突っかかるなぁ。ささみやセントマリー女学院は関東でトップの高校だ。さらにはその9割がお嬢さまとなるとその後の特待生で来ましたがかなり侮辱を皆に言っているに等しいのだ。先程の自己紹介は俺だけが引っかかる訳もなくクラスの皆がざわつき始めた。あいつ金持ちだからって...。なんなのあの女、ムカつく。勉強ができたって何も得しねーよ。可愛いからって意味わかんない。最後の方はもう反撃も出来ず単に羨ましい点を言っているだけなのはさておき何故に咲樹だっか...咲樹はあんなにも一言が多くここまでも考えられないのだろう。転校初日からクラスの反感はもちろん、印象もかなり最悪といったところ。さらには噂が噂を呼びおおげさに回ることは間違いない。そんなクラスのざわめきの中「えーと、こんな感じに頭のいい子なので是非勉強等を教えてもらうといい。席についてはあそこに空いている窓側の一番後ろでいいだろう」おい先生。何故にあなたは空気が読めないのだ。あんな自己紹介の後に勉強を教えてもらうといいなどとは言ってはより生徒に響くだけである。さらに教室がざわめく...。あの子に落語でも教えてもらおうかしら。そうね、あんなうまい言葉がポロッとでてくるんですもん、きっと得意に違いないわね。落語=先程の皮肉でかなりこれは悪印象の煙が塊として残ってしまった。俺はそんな悲惨にも可哀想な咲樹の事を考えていてふと思った。窓側の一番後ろってとなりじゃねーか、そう最悪な事に隣なのだ。だが咲樹にとっては1番後ろが丁度いいのかもしれない。何故なら周りからの授業中の反感などが受けにくいからである。だがしかし、俺にとっては咲樹の近く=周りからの反感の巻沿いがありそうで怖い。関わりたくない人No.1はいま君に決まった!おめでとう。そんな馬鹿な事を思って気をそらそうとしていると咲樹は話しかけてきた。「席隣だからよろしく。えっと...風太くん」

まぁまぁ当然の出だしってとこだろう。ただ先程同様、冷たい感じってのは伝わってくる。そんなことより俺は何故咲樹が名前を知っているのかが不思議でたまらないので聞いてみた「お前なんで名前しってんの?」名前で呼ぼうと思ったが照れるという感情なんてないのに言うのをためらいお前というワードで話した。きっとあれだ、名前で呼ぶとなんて言われるか分からなく怖かったからお前って呼んだんだな、うん。「何故ってさっき先生が口にしてたから」あー、先生が口にしてたんだ。そういえばあったような...無かったような気がしているとホームルームが終わった。「おっおう」よくあるコミュ障あるあるだ。会話が続かず一言で終わるあれだ。「おうとか一言で終わるなんてあなた女なんてできないわよ」さり気なく癇に障る事を言われムカつくのは置いといて彼女はさっと席を立ち廊下にさっさと出て行った。こうして俺は良くも悪くも彼女との面識ができ、転校生だからって先生に案内してやれって言われたりともう最悪だ。授業が1通り終わり昼休み(昼食時間)になる。彼女はきっともう俺を召使いとでも思っているのか彼女は「学食に連れてってくれるかしら?一応1番の目的は学食なので、連れてってね。風太くん」嫌だと言いたい気持ちが沸き立つ中、変な期待を抱いてしまい断ることができないまま黙って席を立ちポケットに手を入れ首でこいとアポをとる。ここの学校はフードコートになっており

自由におみせを選び食べることができる。それにしても人が多く、もう最悪だ。ふと近くの大きな群れを見つけどうやら看板を背負ったおばちゃんを見る限り一番人気の学食の抽選らしきものらしい。「あれがいいわ。着いてきて風太くん」もう完全に召使いになっていた...


その学食のメニューは和風盛り立て親子丼。これまた美味しそうな写真があり興味をそそらせるがやはり混雑で気分は萎え萎えである。少し無言の時間が過ぎおばちゃんがよいしょといい立ち上がった。多分抽選がはじまるのだろう。んじゃあ始めるよ!という声も聞こえ俺は確信した「3 2 1 ラッシュ~ゴー!」なにやらよく分からない掛け...「ぐはっ」後ろから物凄い衝撃、多分蹴りであろうか、かろうじて転がりつう受け身をとるが意識はもうノックダウン寸前。目を懲らしめ辺りを見ると俺と同じ用に数人が倒れていた。血のほろかな苦味を味わいながらすぐさま咲樹の姿を探す。いない、いない、どこを探しても咲樹はいなかった。もしや飲み込まれながら流れとともに進んでいるのか、そもそもこれはなんだ...おばちゃんがこっちにきて諦めるかい?と聞いてくるもののわけも分からない子の混乱の中俺はやるとだけいい走り出すのであった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ