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なろう演出祭  作者: 空伏空人
天使の血管【室木柴×絃羽】
27/34

3.紺に透けない淡い紫色

 一週間は長く何度も早く来いと願ったのに、当日になればもう今日かと思ったりして。朝目覚めてから約束の時間までは早回しのように時間が過ぎた。


 夕川駅のホーム。集まってきた鳩達にやるせなくなる。

 今日はパンを持ってきていない。握っていたペットボトルから水滴を垂らすと、それを追って跳ねるように移動していたけれど、やがて風を巻き上げるように皆飛んで行った。


「邪魔だったかな」

「え」


 会うのは二度目でも、彼女の派手さはすぐに見慣れるものではなさそう。その姿にはっとしてしまった。

 ノースリーブにショートパンツというまたも露出度の高すぎる組み合わせなのは、今日の暑さのせいだろうか。革のベルトが腰の細さを際立たせて、身体の線を想像させる。必然的に腕へと目をやるとシルバーではなくカラフルなバングルが付けられていた。手首に重いものをつけて疲れないのかな。腕時計とは訳が違うだろう。


 彼女が乗っていた筈の電車が唸るような音を立てて去って行く。どうして気付かなかったんだろう。

 顔が熱い。視線を逸らして梅雨の合間の太陽のせいにしていると、彼女が隣に立つ。


「ハト、飛んで行っちゃったね」

「僕が呼んだわけじゃないですから」

「そう。にしても、随分待たせてしまったようで。熱中症とか大丈夫?」

「平気です。えっと、飲み物買います?」


 後ろの自動販売機を指すと、小さく首を振られる。


「お気遣いなく。君こそ新しいのはいいの? だいぶ減ってるし温いんじゃないのか」

「えと、お言葉に甘えて」


 小銭を入れ、緑茶とスポーツ飲料のどちらを買うか迷って後者のボタンを押す。

 後ろからキュポ、と空気が水で滑ったような音がする。軽く振り返ると彼女が水筒を傾けているところだった。

 気遣いが下手なのか、何だか上手くいかない。諦めることにして落ちたペットボトルに手を伸ばすと、声が掛かる。


「ねえ、君。どうしてホームのなかで待っていたの?」

「えっ」


 それは勿論、あなたを出迎えるために。面白がるような声に答えようと身体を起こしてから、間違いに気が付く。


「あ……」

「気が付いたみたいだね。はは、全く面白いな。案外抜けてるんだ。

 ホームじゃなくて駅前で待っていればよかったのに! 入った時と同じ改札機では出られないよ」


 気持ちは嬉しいけどね、と朗らかに微笑まれて恥ずかしさでいっぱいになる。

 試しに改札機を通ってみたけれど、ICカードを翳してすぐに鉄壁のガードに阻まれた。駅員に事情を説明すると通してはもらえたけれど、今にも溜息を吐かれそうな怖い顔は忘れられそうにない。しばらくは電車を使えないような気がした。

 僕の隣で口元を押さえて肩を揺らす彼女に、いっそ豪快に笑ってほしいとさえ思った。





 佑の墓へは迷わず来られた。休みの度に来ているのだから当然といえば当然だけど、初めの内スマートフォン片手に右往左往していたことを思うと随分成長したと思う。


 周りのどの墓よりも新品みたいに輝いている。それはまめに掃除をしているからか、実際新しいからかは分からないけれど。

 花瓶に生けていた白い菊は姿を変え、茶色い滲みを作って項垂れていた。そのあまりの醜さに佑への弔いの願いを手折られたようで、動けなくなる。

 母が家に飾った花を綺麗なままに片付ける度、勿体ないと思っていた。そろそろ枯れちゃうから、という言葉にも花が可哀想だと思っていた。


 こんなにも早く朽ちてしまうのか。どんなに思いを乗せても、簡単に崩れてしまうんだ――。


「鳩くん、このお花、取り換えてもいいかな」


 控えめな問いに現実に引き戻される。柄杓を手にした彼女に何度も頷いた。いずれ朽ちてしまうとしても、一刻も早く汚いそれと交換したい。


「じゃあ、一緒にしちゃう? それとも、それぞれ左右にわけちゃう?」

「両方チグハグだとアレだし、一緒で」

「はいよ」


 自身が買ってきた花束を広げる。英字の書かれた茶色い紙から五本の花が現れる。

 濃紺の紫苑が一本、白と黄の洋菊が二本ずつ。その濃淡のコントラストと菱形に整えられたフォルムが美しく、彼女らしさみたいなものを感じた。


 僕も隣で花束を広げる。数本の小菊に囲まれるように鎮座するのは、鮮やかな青を放つ竜胆だ。

 花を選ぶ時、いつも白を選んでしまう。ベージュ色の箱の中に美しく穢れなく収まった姿を思い出すから。

 でも今日はこの青に惹かれて仕方がなかった。時期外れでいつもより高い花束にはなったけれど、光も透けないその濃さに強さを感じる。


 種類は違えど、彼女のそれとよく似ている。彼女はどんな思いでその花を選んだのだろう。共に飾られた二つの青は真っ直ぐ太陽に向かっていた。

 かちり、と音がして見ると纏められた線香に火を付けていた。何もせずに全て終わってしまったらしい。


「あ……すみません、何もしなくて」

「案内してくれたじゃないか。こんなに綺麗な花だ、佑もきっと喜ぶだろうね。はい、どうぞ」


 線香の束を半分渡され受け取る。独特な臭いが細い煙と共に舞い上がる。灰を落とさないように慎重に供えなくては。失敗すれば恐らく、この弔いは届かない。


 彼女は静かに穏やかに、手を合わせていた。閉じた瞼も長い睫毛の先さえ震えず確かな心持ちで死を悼む横顔に、尊敬の念すら浮かぶ。

 僕には真似できない。生まれてから今まで一度も感じたことのない数の感情が津波のように押し寄せては引いて、築いたものも奪い去られた。佑の死の大きさに、僕の心はひび割れてしまいそうなのに。

 彼女はどこか違う世界を見ているようだ。そしてその世界には苦しみも悲しみもないかのように、自分の時間を生きている。それはまるで。


 ――まるで、佑みたいだ。


 初めて会った時に漠然と湧いたその言葉が、確信に変わる。

 奇妙なほどの冷静さ。冷たいとすら感じるそれは、一方で礼儀正しさと優しさによってまろやかに人に向けられる。

 本心を探り当てることができないところすら同じで、改めて二人は友達なんだと思う。


 佑のような性格は珍しいと思っていた。

 学校は今まで見ていた世界よりずっと広く、なのにその中に佑のような人間を見つけることはできなかったから。

 それでも学校は世界の全てではなく、ほんの一部にしか過ぎなくて。

 もっと他の場所、違う地域に住み違う学校に通っていたなら佑は幸福になれたのかもしれない。せめてこの人のもっと近くに居られたなら、何かが違ったのかもしれない。


 手を合わせ、何を語りかけるべきか迷う。どんな話なら今日の佑に届くだろう。


 佑、君の友達は君の死を悼んでる。僕も悲しい。どうして死んでしまったのか、だなんて理不尽なことは問わないけれど、せめてあの世では幸せに――。


 違う、違う。途中までの言葉は聞かなかったことにしてもらえるだろうか。佑に捧げるべき祈願、それは。


 もし、佑と彼女の立場が逆だったなら、佑はどうしただろう。そう考えた瞬間、映画のワンシーンのように瞼の裏に映像が浮かぶ。


 墓を掃除し、健気さと荘厳さが溶け合う花束を墓石に添える。細い水の線を伝わせて、時間をかけて丹念に磨きあげる。そして無礼なほど丁寧に一礼すれば、もう二度とやっては来ないだろう。



 去る姿を見送りながら、佑が死を恐れなかった理由に思い至る。

 それは、佑が最期の時まで死を不幸だと思っていなかったからだ。


 馬鹿らしいとも思う。死を不幸だと思わない人など居るだろうか。けれど心の中で、それはやけに真実味を帯びていた。


 隣で動いた気配がして祈りの体勢をやめた。足を伸ばすと、ぽきりと体内で空気が潰れる音がする。

 身体の関節を軽く回している彼女に息を吐くような平坦さで声を掛ける。


「虎斑さんは、佑をどう思っていましたか?」


 その声は驚くほど抑揚がなく、色を失ってしまったみたいに不鮮明だった。溜息のように重く、独り言のように孤独な、ぼやけた思考そのままの口調。

 彼女は丸く開いた目を瞬かせると、ふわりと微笑む。ここは佑とはまるで違う。


「そうだなー。うん、そうだ。初めて彼女と会ったところに案内しよう。そこで佑とのことや、印象を話させてもらおうかな」

「初めて会った場所、那谷木ですか」


 当然そうだろうと思い訊ねると、夕川の喫茶店だと答えた。知っているところだろうか。


「前にも言ったが虎斑にとっても佑は面白い子だよ。一言で説明しろと言われても、わからないのだから難しい。ここはひとつ、特に印象に残っている出来事を個別に推測させてはもらえないかな。君の意見も是非聞きたいし」

「個別に? 僕も行った方がいいんでしょうか」

「君が嫌でなくて、相手が虎斑でもいいなら。全容を見て掴めないなら、手の届く場所を手に取ってじっくり考えるしか虎斑にはできないよ」


 確かにそうだ。判断材料はそんなに多くない。それならひとつに時間を掛ける方が得策だ。

 歩き始めた彼女は後ろを振り返り、僕越しに佑を見ていた。

 僕は振り返らなかった。





 店内は異様な明るさ。取り囲むような窓と天井に幾つも備え付けられた天窓が、天然の照明を最高度に活用している。

 流れる音楽は柔らかなクラシック。よく知らない曲なのが残念だ。

 店内の雰囲気も客の感じも、とにかく白くてベージュでピンクで、ほわほわしている。明らかに女性向けなメルヘンさが落ち着かなくて、異彩を放つ彼女の姿に安心した自分が居る。


「うーん、君にはもっとカワイイ恰好してもらった方がよかったかなぁ。なかなか美少女な顔しているし」

「遠慮させてください」


 美少女な顔、というのはよく分からないけれど褒められている気はしないから断っておく。

 そんな呑気な会話の間も、探るような視線があちこちから飛んでくる。居心地の悪さに座る位置を直しても当然何も変わらなかった。こんなことなら女性の姿を取るのも悪い考えではないかもしれない。


「……そうだ、性転換しよう。それならば女装ではなくなります」

「君は何をいっているのかね」

「え? 何かおかしいことでもいいましたか」

「いやいや…あ、もしかして異能かしら」

「佑に異能についてはきいていらっしゃらなかったんですか?」

「うん。聞いてないよ、異能ってなかなかデリケートな話じゃないの?」


 デリケート、なのか? 普通はそうなんだろうか。疑問を示す視線に、僕も同じような視線を返す。


「うーん、どうなんでしょう」

「どう、って」

「僕の異能は去年開花したばかりで…使ったのも佑の前で一度っきりです」

「なにかしら彼女もいわなかったの?」

「『ありがとう、助かった』とだけ」



 粘るように暑い九月の雨の日だった。それも身が削れそうなくらいの豪雨の日。

 朝の快晴に油断して傘を持たずに出掛けたから、突然の夕立に濡れながら走るしかなかった。大した距離でもなかったのに玄関に着いた時にはびしょ濡れで、ポケットから鍵を出そうとする手が何度も滑った。

 数日前に手にした異能を使うのはここだと思った。早く見せたくて、佑を驚かせたくて、寧ろここしかないような気がした。

 鍵を使わずに鍵を開けた。液状化させた手をドアの隙間から流すように差し込んで。

 カタン、と音がして気付いた佑はいつもの無表情で言ったんだ。



「つまり異能にすら驚かなかったと」

「はい」


 苦笑いを浮かべて、彼女は濃そうなアイスコーヒーに口を付ける。それを見て口にしたウーロン茶は思いの外薄かった。

 人間らしい佑を見たかったのだと思う。人並みではなくてもその表情を崩してみたかった。――初めておかあさんと呼び掛けた時のように。


 水あめのように透明にうねる手、そこに感じる柔軟さと肉体の面影。

 現れた力の種類に僕自身が驚かない筈がなかった。あれが僕の心の形と言われても、佑を映した何かだとしても、それを実感できるものはひとつもなかったのだから。


「彼女のイメージが崩れるイメージがわかないね。一貫していて、素晴らしい」

「人間のイメージってそう変わらないものでは」


 大人しくて無表情で静かで、周りを大切にする佑。おしゃべりが得意じゃなくてみんなのスピードについていけない僕。誰の前でもそのイメージは然程狂うことはないと思う。

 店の音楽が切り替わる。今度は知っていた。クラシックの次は……「キラークイーン」。


 目の前の彼女は、よく分からない。この人以上に不可解な人を僕は知らない。


「へえ、君はそう思うのか」

「だって、見ればわかるでしょう。明るい人は明るい服と笑顔で、落ち着いた人は落ち着いた服と言葉を使う」


 彼女は派手でフシダラな恰好なのに、口調は大人っぽくて態度は穏やか。ちぐはぐで不可解だ。

 僕の返答に愉快そうな笑みを浮かべて、アイスコーヒーにとろりとミルクを落とす。黒を割るように白が沈み、やがて浸食するように舞い上がってはまたゆらりと沈む。グラスの中の不安定さを眺めていれば、ストライプのストローであっという間に一つになった。

 まろやかな茶色い液体。彼女はそれを美味しそうに啜った。


「一目で人となりがわかるだなんて、ありえないよ。心を覗き見る力があっても、相手の経験全てを知る術があってもさ」

「そこまでしないとわからないものですか?」

「そこまでしてもわからないものだよ。佑がそうじゃないか、うっかりさん。うん、君も前途洋洋、可能性の塊って感じでいいんじゃない。いい姉弟だね、一度三人でお茶したかった」


 髪色とちぐはぐな瞳で見つめられる。母に向けられるようなそれに居た堪れなくなって、ウーロン茶を煽ると見事に器官に入り込んだ。

 余計に恥ずかしい気持ちで咳き込みながら、話を進めようと試みる。


「さ、さきほ、げほッ……先程、ひとつひとつを検討して考えるのも手、と…ゲッホ、おっしゃっていましたよね」

「うん、そうだね。ふたつみっつ、今すぐでもいえる経験はあるよ。楽しい思い出は覚えている方なんだ」

「で、僕の場合は、この異能が真っ先に思いつく『彼女を知る手段』です」

「はて、それはまた」

「僕は天使ですから。親は佑です。天使は親の影響を強く受けますから、百パーセントありのまま佑を反映はできませんが、一部を垣間見るぐらいはできると思うんです」


 そうであってほしい、と思う。

 血の繋がらない親子だとしても、ルーツとして追ってきた存在は心の中を大きく占める。一度も会ったことはない他の天使たちも、きっとそうだろう。

 本能的な性質だけでなく感情面でも“親”を目指して、僕達は自発的に学び、真似て、近付く。


「ふぅん。一理あるね」

「ならよかった。僕でもお役にたてそうで」

「おいおい、君自身の悩みじゃあないか。役に立つ、立たないはこの際どうでもいいさ。解決でなく納得の問題なのだから、目標達成にはやる気さえあれば十分だよ」


 彼女の言葉はいつも遠回しだ。簡潔過ぎて分からなかった佑とはまた違う、コミュニケーションの難しさ。

 きっと時間をかければ言いたいことが分かる、そう考えると彼女の話し方は嫌いじゃない。


「さて? 君の能力は『液体になる』、あー、違うか。さっきいっていたものね、女体になればいいって。じゃあ『変身』?」

「だと思います。どこまでできるか試したことがないので、はっきりとは言えませんが」


 答えて、ウーロン茶の入ったグラスに添えた右手を黒に変えてみせる。それを見た彼女は高く片眉をあげて、面白いなぁ、と呑気に驚く。

 こちらも十分反応は薄いけど、佑よりはマシだ。


 体の色も形も変幻自在。けれど正しく使えているかは分からない。まだ知らない使い方や性質が眠っている可能性もある。現れた途端に全てが明らかになる訳じゃない。

 なんとなく、『ああ、できるな』。そう思うとできる。説明書はない。


「変身、から君と佑に繋がるイメージか。虎斑が思いついたのは、『不定形』『変幻自在』『広範囲』かな」

「え?」

「うーん、わかりにくいかな?」

「はい……でも、そんなものですかね……」


 『人の性質が簡単にわかるわけがない』。先程の言葉の意味を少しだけ理解した。

 自分の背中が見れないのと同じだ。他人の背中は見えて、自分の背中も他人には見える。自分の知らない何かを他人が見つけることだってある。他人も自分も、全てを把握することなんてできないんだ。


 彼女が挙げた印象を聞いてもピンとは来ないけれど、心当たりがあるような気もする。答えはないから何とも言えないものの能力とは合致している。

 

「自分では『無差別』『未熟』『テキトー』って感じかと思いました」


 拘りなく何にでもなれるのは“無差別”を。ハッキリしない思考は“未熟”を。いざ致命的な事態になるまで気付こうとしなかった半端さは“愚鈍(テキトー)”を。


「でも、佑には当てはまるかもしれませんね」


 自分の力と思うと否定的になるけれど、佑ならば素直に頷ける。

 感情が読めない彼女の心中はブラックボックス。何もわからないということは、あらゆる可能性が詰まっているのとイコールだ。


「そうかそうか。つまり君は自らをそう思うんだな」


 どこかで聞いた台詞を発して彼女は目を逸らす。一体どこで聞いただろう。首を捻り、胸のあたりまで来たところで彼女の声に阻まれる。


「虎斑と鳩くんのこの異能に関するイメージに共通しているのは『不定形』で『無差別』ってところかな」

「えッアッハイ、そうですね」

「そこから更に連想できるのは、マイペースな性格とか、差別の意思が欠片も見られなかったところ、ってとこだね。虎斑は」

「僕は……」


 全く同じ意見だと片付ければ意味がない。どうしよう。

 焦りに冷や汗が流れ出し、頭を文字がぐるぐる回る。落ちた沈黙と外を走る車の音が僕を急かして、喉が萎む。


「悩みそうなら、先に虎斑と佑の出会いをいおうか? すぐに情報や結論を出す必要はない。あまり君にばかり話させるのも申し訳ないし」

「ありがとうございます、すみません」


 表情に出てしまっていたらしい。僕の方が話をさせてばかりなのに。気を遣わせてしまったことへの気落ちと同時に、深い安堵が胸に沁みる。

 おしゃべりの仕方を勉強しなきゃ。


「よし。ではさて、虎斑と佑が出会ったのは先程も言った通り、この喫茶店。実にたった半年前…この喫茶店に、一台のバイクが突っ込み、彼女が怪我をしたのがキッカケだった」

「なにそれ知らないんですけど」

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