表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なろう演出祭  作者: 空伏空人
死歌【新染因循×kinoe】
PR
18/34

傀儡

あらすじ


どこまでが散文詩でどこまでが掌編なのか―――互いの境い目を模索しようと思い立った結果の試作品集。


原作者:新染 因循

演出:kinoe

整然と列を成し、自分の番を待つ人々

決められた規則に大人しく従うそれは、己の意思を失った只のうつわ…傀儡と化している。

しかし、私という存在も、また同様にそこにあった。

足元に真っ直ぐ引かれた黄色いラインは、生と死の狭間の境界線だろうか。

ふと、思う。

境界線の向こうには何があるのだろうか、と。

光の届かない地下の世界を人口灯が照らし、閉鎖された空間は梅雨の時期のように湿っぽい。

ラインの伸びる向こうに視線をやると、ぽっかりと口を開けた漆黒の世界への入り口が、冷たい息を徐々に吐きながら、その時が近い事を私に告げる。

風が私の頬を撫でた。

長大な鉄の棺桶は、鉄の轍を踏み締め、咆哮を上げながら私の元へと疾走する。

そして、それは、まるでメトロノームのように一定のリズムを刻んだ。

響く単調なリズムはやがて、私の鼓動と同期する。

速まる鼓動

汗ばむ手指

予測できない未来に恐怖していると言うのか。

……馬鹿馬鹿しい。

一歩前に出る。

傀儡の視線が私に集まる。

集団から外れた異質な存在を訝しがり、興味を抱きながらも……ほら、やはり動けないではないか。

それぞれの傀儡共が、多種多様の鮮やかな衣を纏い己を誇張していた。

私を見て、と

私はここにいる、と

だのに、誰も私を止めることは出来ない。

それもそうだろう。

私は自ら糸を断ち切ったのだ。

社会、他人、家庭、国家、法律……ありとあらゆる場所から伸びる見えない糸、それに従うお前らとは違う……そう、操り人形ではない。

自分の意思で、自分の未来を決められるのだ。

見るがいい!

私のあり方を!

私を雁字搦がんじがらめていた糸は、一歩一歩と歩みを進める度に、いとも簡単に解けていく。

あんなにも重かった四肢は、羽毛のように軽く、私を前へ前へとさらに推し進めた。

煌々と輝く二つの眼が私を見つめ、私自身の視線と交差する。

そしてーー境界線を越えた。

最後の一歩は、私に地面を踏み締める感触を与えず、身体は底へと沈み込む。

……鉄の棺桶はすぐ其処まで来ていた。


薄れゆく意識の中

私が最後に捉えたのは、バラバラになった人形の姿……己を支える糸を失い、動けなくなった憐れな操り人形の姿だった……

続きはこちらから!

http://ncode.syosetu.com/n2639cp/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ