表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なろう演出祭  作者: 空伏空人
真夜中の約束、君からのオブコニカ【絃羽×牧田紗矢乃】
PR
1/34

0.プロローグ

あらすじ


僕は“探し物探偵”神咲歩。今日の依頼は少々難航しそうだ。明日までに婚約指輪を見つけてほしいとの事だが、広い屋敷の中で細指の彼女の指輪を見つけるだなんて。 けれども“探し物探偵”の名に賭けて、と懸命に探す僕を嘲笑うかのように、彼女は永遠の眠りに就いた。美しく清らかに、ただ眠るように――。 自殺か他殺か、何故彼女は死ななければならなかったのか。 ――僕は今から真実を探す事にする。


原作者名:絃羽

演出:牧田紗矢乃

 ベッドに横たわる彼女は、とても美しかった。

 数時間前に食事を共にし、微笑みを交わした時と寸分違わぬ美しさだった。


 それでも、目覚めの口づけを与えようと顔を近づければ、呼吸がないことがわかるだろう。白磁の肌から失われる体温が、現実を告げるかもしれない。

 大きな窓から差し込む満月の明かりを頼りに、誰もが時が止まったように立ち尽くしていた。


 視線を一挙に集めるのは、ベッドに横たわる美しい女性である。

 彼女は、ついさっき深い眠りについた。




 二月十一日、午前三時三十分。姫井雪ひめいゆきの二十歳の誕生日は、同時に彼女の命日となった――。




「雪が、雪がどうして!」

詩園しおん……」


 老婦人がむせび泣き、崩れ落ちた。枯れ枝のような指がベッドに伸び、ピンと張られたシーツに無数のしわを作る。

 夫であり、ベッドの上の美女の父であるいちさんが詩園さんの肩を抱く。

 視界の端に映った光景に、いたたまれない気持ちになった。

 詩園さんが咽び泣く声が、広い室内に蓄積していく。


 抱き合う老夫婦、唇を噛む婚約者、棒立ちの執事、くずおれたメイド、拳を握る執事見習い、入口に佇む庭師。日常ではそうお目にかかることがない光景が、ここに広がっていた。

 彼女の色をした吐息のような仄甘い空気が、悲痛な灰色に侵食される。

 それを見て、決心した。


 僕は探偵だ。だが警察と協力し謎を解くような、犯罪に精通した探偵ではない。無くした物を探す“探し物探偵”だ。

 だから、これから捜索を始める。


 ――“探し物探偵”の名に賭けて、この事件の“真実”を捜索するのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ