表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/16

01 異世界

TS展開…、やったぜ!!!

「ようこそ、異世界へ……」


 皆、唖然としてこの言葉を発した女性に視線を注ぐ。

 濡れたように光る艶やかな黒い髪と大きなトンガリ帽子、利発そうで美しい人形のような顔立ちと夕焼け色の瞳が特徴の女性は、笑顔で俺たちを見ていた。

 そこにもう一人の女性が走り込んできた。


「もう、マグリア姉さん。置いていくなんて酷いじゃないですか!」

「ああ、シレーネそういえば着いてきたのよね。彼らに事を説明するからお城に案内してちょうだい」

「はぐらかさないでください!!」

「あら、可愛い顔が台無しよ」

「双子なんですから同じような顔立ちですよ!」


 もう一人の女性が先程の女性に向かって文句をいい、その女性は右から左へと受け流していた。

 ハッキリ言って状況が全くと言っていいほどに理解が出来ない。

 いや、正確には理解が追い付いていない。

 気絶した後に起きたら気絶させた近藤伊織や野次馬、近藤伊織の取り巻きと共に鼠で有名な遊園地にあるお城に似た場所の庭園にいて、そこには魔女っ子ぽっい服装の二人の美女が俺達を城の中に案内をすると言う。

 まだ俺は気絶して今頃、保健室のベッドで(うな)されながら寝ていると言われたほうが信じられるレベルだ。

 そんな中、近藤伊織が痺れを切らしたか黒い髪のマグリアと呼ばれるに掴みかかった。


「あんた達、何者なのよ!!」

「あら、あなたも可愛い顔して激しいの好きなのね。ゾクゾクしちゃうわ♪」

「ふざけたことを抜かしてんじゃないわよ!この腐れビッチが!!」

「女の子がそんなはしたないことを言っちゃダメよ」


 そういうとマグリアは人差し指を近藤伊織の口にちょんと当ててウインクをした。

 何故だろう。自分がされたわけじゃないのに物凄くドキッとした。多分、この中いる男子でDTソウルを持つ男は皆一様に顔を熟れたトマトのように真っ赤にするはずだ。

 少なくとも俺はそうなっていると思う。

 だか、今の近藤伊織には逆効果なのか毛を逆立てた猫のように怒りをあらわにしてマグリアを睨んでいた。


「あんた、調子に乗ってんじゃないわよ!」

「うん?そうだったかしら?」

「人の神経を逆撫でしてないでどうしてこうなってるかを洗いざらい話しなさい!」


 マグリアはニヤついた顔で近藤伊織を煽り、その反応を楽しんでいた。

 俺としては近藤伊織がマグリアに手玉にとられているのがうれしくて仕方なかったが流石に事情は話をして欲しいところだ。


「まっ、あなたで遊ぶのはこれぐらいにしてあなた達が今、どういう状況下なのかこれからどうすべきなのかを説明するわ」

「チッ」

「ほら、舌打ちしないの女の子なんだから淑やかにね」

「誰のせいでこうなってると思ってんのよ!」

「まぁ、恐いわ。クスクス」

「ムカツクわね。さっさと話しなさい」

「それもそうね。さっきも言ったけどここは異世界よ。そして、私たち二人は異世界人と言えばわかりやすいかな。私たちからすればあなた達のほうが異世界人だけどね。何故、あなた達がここの異世界にいるのかというと私とシレーネがここに呼んだからよ」

 

 そう言うと彼女、マグリアはシレーネに視線を向ける。

 それに気付いたシレーネは軽く会釈をする。


「理由としては、あなた達を選定するためよ」

「選定…?」


 思わず声に出てしまったが彼女たちは俺達の何を選定すると言うのだろうか。

 俺達は身体能力も思考能力も普通の高校生の男女だ。

 いきなり、呼びだされて選定されると言われたら疑問に思ってしまう。


「何を基準に選定をするんだ?能力的なものは個人差があるとはいえ皆、平均的なものだけど」

「さぁね。なんだと思う?」


 明らかに何か含みのある言い方だ。彼女ら、マグリアとシレーネは何か隠している。

 選定するだけだったらここに呼びださなくてもいいはずだと思うし、最初から選んだ奴だけを呼び寄せればいいだけの話だ。だが、何故ここで選定する。というか選定ってなんなんだ?


 俺の頭の中でクエスチョンマークが踊り、疑問の海に沈んでゆく。

 グルグルと沈んでいくだけで答えはまったく浮かばない。

 けど、こいつら裏があるのだけは確実だ。


「皆さーん、こっち来てください。これからお城の中に入っていただき選定の儀を受けてもらいます。」

「選ぶだけでしょ。なんでこんなことを…」

「それほど重要なことって思ってもらってください。」

「あんたもあの女と同じではぐらかすのね」

「はい、選定が終わればすべてお話しますよ」

「ふーん」


 シレーネは戸惑う近藤伊織や俺たちを先導して城の中にいれてゆく。

 見た目がシンデレラ城みたいに豪奢であるが城の内装も豪奢なものだった。

 黄金に光るシャンデリアに床に敷かれた深紅のカーペット、どこかの巨匠が描いたのか壁には巨大な一枚が飾ってあった。

 俺は城の装飾品の数々に目を奪われていると誰かに左肩を掴まれ別の部屋に連れ込まれた。

 何が起こったのかは理解出来ないのは今更だが、今度は異様な強制力を感じた。

 俺はおそるおそる、左肩へ顔を向けた。

 そこには、先程まで近藤伊織をこけ下ろしていたマグリアがそこにいた。


「あら、痛そうなキズね」


 マグリアはそう言うと俺の頬のキズ綺麗な桜色に色付いた舌でなぞるように舐め、俺を壁へ押しやる。思わず、痛みが体に走る。


「お前に掴みかかったくそ女にやられた」

「女の子ひとりでつけられるキズじゃないと思うけどね」

「正確にはその取り巻きにもボコボコにされたかな」

「ふーん。そうなの。自己紹介がまだだったわね。マグリア、マグリア・フェグトリアよ」

「お、俺は…吉崎薫」


 簡単な自己紹介が終わったあと、マグリアは何かを悟ったような顔して、俺に抱きついて俺の首筋を舐めた。


「っう!!〇◇×☆±×÷♀♂!!!」

「あら、ウブなのね。可愛いわ」


 マグリアはグラマーというわけではないが女性らしい柔らかさがあり、それを服越しだが俺の肌に押し付けゆく。

 お互い服を着ているが体の感触が何故だかわかるような気がした。

 マグリアの体温が柔らかさが俺の体を駆け巡り思考はもうオーバーヒートしていた。


「おめでとう、あなたは選定された。けど勇者になれないわ。あなたは影として選ばれた。勇者の影、隠者としてね」

「えっ?」


 俺は思考が完全停止した頭でマグリアの一言を考えようとしたどういった意味があるのかを。だがそれはマグリアによって阻止された。

 マグリアはゆっくりと俺に顔を近づけ、唇を重ね合わせた。

 

「これから始まる地獄の前にいい思いはできたでしょ。童貞君♪」


 なんか、イラっときたが気にしないことした。マグリアがそう言った瞬間、俺は体にある違和感を感じた。

 下腹部のあたりがチクリと痛みだす。

 次第にの痛みは強くなり、その場に倒れ込んだ。その痛みは次第に俺を蝕んで行く。

 腹を何度も何度もナイフで突き刺されるような痛みが走り、肌には火が着いたのではないかと言うほどに猛烈に熱さを感じ、頭蓋骨は鈍器で何度も繰り返し金槌でメタメタに殴られたような痛みが走る。

 頭皮は蕁麻疹でもできたかのよう物凄く痒く血が出るほどにかきむしる。

 あらゆる激痛が俺を襲い声に成らない叫びが部屋中にこだまする。

 10分後、漸く体の痛みはおさまり、ふらりと立ち上がってマグリアを見た。多分、憎々しげな表情だったろう。

 俺は思わずマグリアに掴みかかろうとした。

 だが、マグリアはやけにムカツク笑顔で手鏡を俺に見せた。

 俺の視線はその手鏡に注がれた。


 そこには俺が気絶したときに見た夢の中に出た少女とまったく同じ顔の少女がいた。

  違いがあるとすれば何故か一糸纏わぬ生まれたままの姿だということだ。

 俺は恥ずかしさのあまり顔を横に反らす。今、俺の顔はゆで上がったタコのように真っ赤になっているだろう。

 見てはいけないけど見たという気持ちには勝てず目だけでチラチラ見てしまう。

 俺ってかなり変態なんだなと思ってしまう。そんな一瞬だ……。

 だが、あることに気づく。何故か、少女は俺と同じモーションととっていたことに。

 そして、おそるおそる俺は自分の胸に触れた。

 程よい大きさでとても柔らかった。

 その時、悟った。

 この少女は俺だ………。

 俺、女の子になってしまった。


「ようやく、理解してくれたわね魔人ちゃん♪」

主人公かなりウブで可愛いですね。

そして、次回戦いが本格的に始動する!!

コメント、高評価、お気に入りユーザ登録してくれるすごくうれしいです。

では、また次回にノシ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ