猫と海とたい焼き〜僕は滑稽〜
掲載日:2026/04/27
ぴょんっとどこからか飛んできた
猫に咥えてられた僕は
街の中を走り回った
随分と走り回り
ようやく海岸にたどり着いた
猫が海の岩場から飛ぼうとした
ぽとっと僕は猫の口から離れて落ちた
波にさらわれ海の中へ
これで自由に泳げる
そう思った僕は
前にも後ろにも進めない
やがて体が少しずつ
水に溶けていく
その時気付いたんだ
ああ
僕は魚じゃなかったんだ
僕はずっとたい焼きだったんだと
ああ
なんて僕は滑稽なんだ
なんて僕は愚鈍なんだ
こんな無惨な姿で海を漂うのなら
猫に食べられた方が良かった
あの猫は今腹を空かせているだろうか




