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35歳の俺が上司ざまぁするまでの物語  作者: VANRI


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8/12

売上会議?

 翌日、高橋と売上について話し合おうと言われたため所長室に行った。

 ソファのあるテーブルに売上に関する資料が置かれている。


「なあ、秘書とか雇わねぇ?」

唐突に言ってみた。


「雇えるわけないだろ、俺が経営してる営業所じゃないんだから。新しい役職作るなら社長の許可だっているし」

「楽しいと思うけどな〜憧れじゃない?

こういう所でイケナイことやんの。男の夢じゃん」

ニヤニヤしながら高橋を見る。


「そっちかよ……いや、待てよ。

秘書という名目では無理だけど、事務員補充ならいけるかも。実際、桜田の代わりの事務員採用も本社には決定した後の報告で良かったし」


「ほら見て見て〜ここブラインド全部閉めたら密室だし〜」

と、ブラインドを開け閉めしてみせる。


「わかったわかった、お前が所長になったら俺はもっと上だろうから秘書雇ってやるよ、

 ただし90代の爺さんな」

「はっ!? なんで90代なんだよ!」

「さすがに90代の爺さんには手え出さないだろ。

お前20代の若くて可愛い男の子には手え出すかもしれないから」

フフンと笑いながら言われる。


「逆に手え出すことになるわ!

 ご飯食べさせたり、オムツ交換したり!?」

「良かったな〜手え出し放題で」


 いつの間にかエロ話から介護の話になってない??



「そういや、学生の時一緒だった柳井覚えてる?」


 いたなそういう奴……

「何人もと付き合ってた奴だっけ……?」


「そうそう! 五股しててさ、俺らが彼女いないって言ったら一人くらい分けてやるよ、って」

「あいつのお下がりはいらんよな」


「ハハ……でさ、あいつ結婚したらしくて」

「へー、よく女遊びやめれたな……」

「それがやめてないらしい」

「え? どういうこと?」


「結婚してもオスであり続けたいって言って浮気しまくりらしい」

「……カッコよ」

「なあ、凄いよな。リスクよりそっち選ぶって。

いやリスクより性欲選んでるだけか」


 社会的には批判ありまくりな生き方だが、

同じ男からしてみると、憧れであり羨ましい部分もあるのだ。




「さ、ここから本題な」

高橋の顔つきがガラッと変わる。


 秘書、まあまあ本気だったんだけど流されてしまった。


「今から話す内容は、副所長以上しか知らない話になる。だから今までお前も知らなくて当然の事な」


 その言葉を聞いて、背筋を伸ばしソファに座り直す。


「まず売上目標は本社が決める。

基本的に社員やパートの人数で計算に当てはめて決められる」

「え……それなら誰も辞めたり入社してなければ毎月同じってことになるよな」

 確か毎月、目標金額は変わっていたはず……


「そう。気づいたか?

 社員の出入りがない月に変動しているのはおかしいと思わないか。念のため阿部の営業所にも確認したが、同じように変動していた」

「これは何かあるって事か……?」

「調べてみないと何ともな……

これはとりあえず置いておいて」


 高橋が資料を広げた。

「次は売上金についてな。

この営業所の売上金は給料等の経費を差し引いた分は全て上に渡さなければならない。

 売上がどんなに多くても、逆に少なくても俺たちの給料に変動はない」


「それは良くも悪くもか……

 献上金があるのは薄々気づいていたが……」

「上からは売上を上げろ上げろと言われるが、上げたところで俺たちの給料は変わらん」

「……でもボーナスは? ボーナスはその時々で変動しているようだったけど売上に関係は……」


 数枚の資料を高橋が広げる。

「そう思ってここ三年の売上と給料を調べてみた」


 所長業務の間にそんなことまで……


 資料に一通り目を通す。

「……売上の増減はあっても変わらないのか……」

「一年前だったか、特別ボーナスを出すって本社が言って、夏に五万位増えた時があったけど、結局冬のボーナスを減らして前年とそう変わらなかった」


「タチ悪ぃな……たまにボーナスを増やすとか言って期待させて」

「ここ三年の給料を見ると、ベースアップで基本給が少しは上がるのにボーナスがほぼ同じ金額だった」


 高橋が大きな溜め息をつく。

「給料に関しては俺らではどうしようもない。

どう働きかけても無理だろ」


 「そうだよな……結局雇われの身ってそういうもんだよな。ジタバタしても会社のやり方なんて何も変えられない」


「それで、ここまではただの説明だったんだけど、

お前の考えを聞きたくて。

 売上目標に関してどう思う?

給料増えないのに皆にもっと働いてくれ、仕事量を増やしてくれって言えるか……?」






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