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35歳の俺が上司ざまぁするまでの物語  作者: VANRI


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【番外編】事務の女性社員①

「成瀬さんと二人きりで話がしたいです」


「……え?」


 ドキッとしてパソコンの手を止め顔を見上げる。

事務担当の桜田か。20代後半の可愛い系。

 珍しいな、あんまり話しかけて来ないのに。


 平常心を装い、パソコンに目を戻して話をする。

「何? 今じゃ無理?」


目を伏せがちにして小声で言う。

「あの……人のいない所で話がしたいんです」


 え! 何だそれ!

 何でそんな恥ずかしそうに言うんだよ!

 ドキッとしてしまっただろ!


「あぁ、じゃあ仕事終わった後なら……」

動揺がバレないようにテンション低めに答えた。


 ズルくない? この誘い方。もう卑猥な妄想しか出来ないわけよ。仕事中なのに。

 絶対そんな事ないとわかっているのに。

 あー無理無理。仕事集中できねー。

 これが男の性? まあ、健全だな。通常運転だ。


 仕事を早めに切り上げ、指定された自販機前の休憩所に行く。


 あーここね、完璧だね。フロア全体が見通せるし、ガラスの板があるから、中の様子は外から見えるが声はあまり漏れない。

 妄想みたいな事は確実に出来ない。


「すいませ〜ん遅れて〜」

数分後に小走りで桜田がやって来た。


「何飲む?」

ちょうど自販機で買うところだったので聞いてみる。

「なんでもいいです〜」


 はいはい。女のなんでもいいは、なんでもよくないんだよね。

 ここで俺がコーンポタージュやらおしるこ買ったらどうする? ドン引くだろ。

 ここは無難なミルクティーか。


 缶を手渡しながら聞いてみる。

「……で。何話って」

「実は……セクハラ受けてて……」

「は!? 誰に!?」

「藤田君です。」

「藤田……」


 藤田とは仕事以外の話をしたことないな……

明るめの茶髪でチャラそうな奴か。


「メッセージとかもしつこくて」

と言いながら、スマホの画面をさっと見せられる。


そこには、

「今度泊まりで遊びに行こう〜!」の文字。


「本当にしつこくて困ってるんです。私彼氏いるのに」

そう言いながら俺の方を見てくる。


 あー彼氏いたんだ。初めて知った。

つーか、涙目で見つめてくるとか卑怯だわ。


「そっか。俺から注意しとくよ」

「いえ!! 注意とかはしなくていいんです!!

気まずくなりたくないので!!」


 ……は? 相談されて、解決策打たなかったら相談する意味なくね? 話聞いて欲しいだけ?

 でも悩んでるの聞くだけなら、ぬいぐるみに話すのと同じじゃないの?

 とりあえず桜田の次の言葉を待つ。


 すると、ぐっと身体を近づけられ、小声で囁かれる。

「成瀬さん副所長だから、権限とかで私と藤田君を離してくれませんか?」


 近づかれるといい匂いがしてきて、一瞬何の話だったか忘れそうになった。危ない危ない。


「離す? 席を?」

「席は難しいと思うので、仕事で関わらないようにしてもらいたいんです」

と、にっこり微笑む。


「わかった……考えてみる」


 それを聞くと桜田はお礼を言いながら、さっさと帰って行った。


 うわーーーーめっちゃいい匂いだった……

あれ何の匂いなんだろな、髪? 香水?

もう匂いだけでドキドキよ。まだ若干鼓動が速いわ。


 えっと……何だったっけ話。

あーセクハラか。離すって何? どうやんの?

 元々、事務の子に渡す書類とか多いのに。

これ何? クイズ? 正解がわかんねーな。


 こういう時は……




「よう!」

所長室の高橋の所へ行く。


「あれ? お前いた? 姿見えないから帰ったと思ってた」 

「いや、それがさ〜……」


 一通り話を聞いてもらう。


「へ〜藤田がね〜……」

書類を整理しながら話し出す。

「俺、あんまり関わりないんだよな〜、

あのチャラくて明るいやつだよな」

「そうそう、20代後半くらいの」


「藤田はノリとかフザケてるだけかもしれないけどな……」

「ノリとかフザケてるだけでも、嫌がっている奴がいるなら何か手を打った方がいいと思う。

 ただ……離すってのが……」


「お前さ、桜田から相談されたから頑張ってる感じある?」

「……え?」

「60代のおばちゃんから同じ相談受けても真剣に受け止める?」

「同じように対応すると思う……けど」


 あれ? 俺って可愛い子だから頑張ってる?

60代のおばちゃんに同じ事言われたら……

勘違いだろって思いそう……でも対応はするよな。


 高橋がクククッと笑った。

「お前覚えてる? 学生の頃、付き合ってた子に目茶苦茶ブチギレられた事」


 高橋とは学生の時から一緒だった。元カノの事だって知り尽くしている。


「え? どれの話?」

「抱ける抱けないの話さ」


 「あぁ!! あれか!!」


当時の彼女に、

「男は、女をひと目見た時に一番に考えるのは抱きたいかどうか」

って言った時。

 見る女全部を抱けるかどうか判断している事が最低!って怒鳴られたな……

 最低って言われても本能的にそうなんだから仕方ない。

 赤い物を赤いって言うのと同じ自然な感覚だろ。


 その時知った、女は違うって。

 女は、男をひと目見た時に抱かれていいかどうか判断してないらしい。

 ただ女は、同性を見た時に自分より上か下か判断するという。男はそんな上下つけたりしないよな。女の方が残酷だろ。


 男と女は見た目だけじゃなく中身も全然違うんだって感心した……



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