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35歳の俺が上司ざまぁするまでの物語  作者: VANRI


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3/13

上司の不正、そしてざまぁ

 次の日、誰もいない時間に出社した。確かめたい事があったのだ。


 やっぱりそうか……。

 会社の車があるのだが、それは仕事用であり自宅まで乗って帰ってはいけない。

 なぜなら会社までの往復の交通費を支給されているからだ。


 会社の車の走行距離や使った時間を記入する紙があるのだが、それを見ても所長が家に社用車を使って帰ったことは明らかだった。


 だが弱い気がする……。言い逃れされるかもしれない。


 不正に交通費を受給した場合を調べると、

業務上横領、私文書偽造、詐欺罪に当てはまる。

全て刑法で懲役10年以下など。


 これを使うか? 脅しになる? 脅迫罪か?

いや、上に密告すれば……



 その時後輩の安田が入ってきた。

「あれ〜成瀬さん今日は早いですね〜」

「……まずおはようございますだろ」


 安田は25歳、入社時から可愛がっている後輩だ。


「こないだ飲み会来て欲しかったのに〜。

あの日、飲み会の後に会社の前まで来て写真撮ったんですよ〜。成瀬さんまだ残業してたっぽかったから〜。アハハ……」


「え!? それいつ!?」

「えっと〜あ、写真見たらわかるか。

ん〜……2月13日ですね! ホラ!」

と、スマホの写真を見せられる。


「それ!! 俺のスマホに送ってくれ!!」

「え〜!? こんなの欲しいんですか?

仕方ないな〜……」


 会社に電気が点いていた写真位で残業の証拠になる訳はない。

 俺が欲しいのはその下に映っているものだ。


 会社の駐車場に所長の車が有難いことにナンバー付きで写っていた。

 これとさっきの紙の時間を合わせると、確実に家に社用車を使って帰った事がわかる。


 後は……

通勤手当を請求しているか。これは誰でも見れるフォルダで見る事が出来たのですぐ確認出来た。

 よし、この日も含めた通勤手当を請求してある。

これも写真に撮って……


 これらはどこに言えばいいのだろうか。

刑法なら警察? 会社の上層部か……?


 念のためにもう一つ準備するか。

アイツは残業していないのに残業申請を出している。

そっちの証拠も手に入れば、その件でも叩く事が出来る。


 俺の時とは違い、「いなかった証拠探し」か……

もしくは、「別の場所にいた証拠」か。



 色々模索していたが、事態は急展開を迎える事になる。



――――――


 高橋に、人の出入りが滅多にない備品庫に呼ばれた。


「なんだよいきなり」

「ちょっと内密に話があって……」


 更に声が小さくなる。

「所長、役職を奪われるらしい」

「は? どういうこと?」

「元々、勤務態度が悪くて上層部から睨まれてたみたいだ。お前の今回の件は上にいってないから関係ない」

「実質クビか……」


 うちの会社のやり方として、上層部の怒りを買えば役職を奪われる。ヒラに戻るか、退職するかのどちらかを選ばされる。だがヒラに戻った前例はない。

 皆、居づらくなり退職を選ぶからだ。


「拍子抜けるな……」

 少し不正について調べたが、不要ということか。

 まあ、自分の手を汚さなくていいことに越したことはない。


「それでだ、次は俺が所長になるんだが……

お前に副所長をやってもらいたい」

「……え!? 俺!?」

「同期だからとか関係なく、勤務態度や知識からもお前が一番適していると思う。

 一緒にやってくれないか」


「あ、ああ。そう言ってもらえて嬉しいよ……」


 何かを頼まれる時に「お願い」と言われるのではなく「一緒にやろう」と言われるのは心地がいいものだと知った。




 そして、俺が副所長になる日が来た。

元所長は前例のない、ヒラに戻る決断をした。

 仕事も出来ず、大して資格も持ってない奴だから再就職も困難だろう。賢明な判断だ。

 俺はみんなの前で軽く挨拶をし、高橋と喫煙室に向かった。


 背後から駆け足の音がして振り返る。

元所長がこっちへ走って来ていた。

 その勢いのまま、胸ぐらを掴まれ壁にドンと押し付けられる。背中に軽く痛みが走る。


「お前だろ!! お前が俺を売ったんだろ!!」

血走っている目が気持ち悪い。低い位置から俺を見上げている。

 皆が引いた目で見ているのに気づかないのか、馬鹿が。


 上層部がすでに決めていた事なので俺は無関係。

でもコイツは俺が残業のことなどを上に告げたと思っているんだろう。

 そのまま否定するのも面白くないな……


 胸ぐらの手を雑に振り払う。


「どうだろうな」


「お前ッ!!こんなことしてタダじゃ済まないぞ!!」


 されたように胸ぐらを掴んで壁に押し付けてやる。

やり返されると思ってなかったのだろう、恐怖の顔を引きつらせている。



 しっかり睨み下ろし、ゆっくりそして強く言ってやる。


「上司に向かってなんだその口の利き方は」





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