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35歳の俺が上司ざまぁするまでの物語  作者: VANRI


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14/19

安田の訪問

「お疲れさまでーす」


 懐かしい声がしたので振り返った。


「安田ぁ〜〜!!」

「成瀬さーん、元気でしたか〜?」

「元気じゃねぇわー、お前の顔見れないと元気出らんわー」

「ハハ……元気そうですね」

「もう俺の愛人になれよお前〜。寂し過ぎて死んじゃうよー」

安田の肩を組む。

 変わらない笑顔に懐かしさが込み上げる。


「何ウサギみたいなこと言ってんすか。

あ、藤田〜! 成瀬さんが男の愛人欲しがってるよ〜」


 後ろに座っていた藤田が軽く振り返った。

「えー2番目の繰り上げ当選みたいな感じはやだなー。

 1番目でお願いって言われたら考えるけどー」


 とりあえず愛想笑いで切り抜ける。



「でもお前今日は何しに来たんだ?」


 退職後、一度就職が決まったと報告に来たきりで、会うのは久しぶりだ。


 安田が隣の席に座り、小声になる。

「ちょっと聞いてほしい事があって……」


 場所を自販機前に移動し話を聞くことにした。

「今、俺が勤務してる営業所はここの営業範囲外なんですけど、この会社の他の営業所が邪魔してくるんですよ」

「確かお前の所は……真田の営業所か……」

「はい。契約満了前にうちの会社で次も契約してくれる予定だったのに、突然そっちに変えられたんです」


 俺たちはリースのコピー機の営業をやっている。

個人の事務所から法人まで幅広い。


「しかも、次も五年契約予定だったのに七年で契約してたんですよ!」


 基本的に途中解約は出来ないようになっている。

絶対に出来ないわけではないが、解約する場合は残債も含めて多額の請求がいくため出来ないようなものだ。


「大きな会社との契約だったからだいぶ痛手でした……」

「やり方が汚ぇな……」

「オプションも付けてあって、お客さんの支払額もだいぶ増やされてました」

「本当か……でもそんなやり方したら会社の評判だって落ちるし、次回契約更新してもらえなくなるだろうに……」

「そうですよ。将来的にこの会社の評判が悪くなって業績も落ちる事に繋がるのに。

 今良ければいいって考え方なのかもですね」


「同じ会社の社員として情けない……」

「成瀬さんも気をつけてください。

真田は本当に汚い手を使ってきますよ」


 安田が顔を上げ、遠くを見て話す。

「……あいつ一人じゃないかもしれない。

同じ営業所にそのやり方に賛同している奴らがいるから出来る事でしょうから。

 営業所自体を警戒した方がいいかもしれませんよ」


「そうだな……警告ありがとう。

他の所に行ってもうちの営業所のこと気にかけてくれて、本当にいい奴だなお前」


「ハハ……会社じゃないですよ、成瀬さんがいるからですよ。」

と、照れながら満面の笑みを向けられる。


 もうーーー!可愛すぎだろコイツ!

本当に愛人にしてもいいくらい!!



「今日、久しぶりに飲みに行きません?」



――――――



 安田が少し酔ったようでウザ絡み始めた。

でもこれも含めて可愛いので許す。


 酒のグラスを一旦置いて話し出した。

「成瀬さ〜ん、聞いてくださいよ〜。

こないだ彼女とデートしてる時に、短いスカート履いた女の子が通ってたから見て。そしたらすごい怒られて〜。

 見ますよね男なら〜」

「ああ、見るよな、反射的に」


 見るだろ普通。それ責められるけど仕方ないよな。

あと胸が大きいのを強調する服着てる人とか。

 でも女も見るだろ、程よく鍛えられた細マッチョが胸元開けて歩いてたりしたら。


「成瀬さん、お婆さんのパンツ見たいですか〜?」

「はぁ!? 何その質問! 見たいわけねえだろ」

「でしょ〜? じゃあ、お婆さんが短いスカート履いてて、風がびゅーってなったら〜」

「……見ちゃうだろうな、見たいとかじゃなく目がいくだろうな」


「でしょ〜? じゃあ犬だったら?」

「犬!?」

「たまにスカート履かせて〜パンツみたいなの丸見えで〜お尻フリフリ歩く犬いるじゃないですか〜」


「……見るよな。目がいくよな。それ見て興奮しないけど」

「ハハ……あんなん見て興奮したらヤバいでしょ」


 安田がグラスをドン! と机に置いた。

「でも俺らヤバくないですか? パンツ見たすぎじゃないっすか?」


「いや……興奮するのは若い子の時だけだろ?

あとは目がいくってだけの話。

 ゴツいオジサンが、ミニスカ履いてる時に風でパンツ見えそうになっても見ると思うし」


「アハハ……確かに!

もっと早く成瀬さんにこの話すれば良かったです!」

「え? なんで?」


「こないだ怒られた時に、

『俺は犬のパンツでも見るわ!』って言ったらドン引きされて、それから口聞いてもらえないんですよ〜」

「ハハ……正直に言えばいいってもんじゃないんだな」


 安田との飲みの楽しさを改めて感じることができる日になった。

 やっぱりもっと一緒に働きたかったな〜…



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