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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

愛による殺人~献身的な処刑人たち~

作者: たなか

シャルロッテ−12歳、無垢な処刑人

マリア−−エリオットの妻、鉄の未亡人

エドモンド−知識の暴走機関車

レイモンド−ポエマーな死神

セオドリック−−生命のハイエナ


候爵「えっ!?あの方が亡くなったんですか、あんなに生命力に満ちあふれていたのにぽっくり逝ったなんて。」


子爵「確かに、思い返してみたらいかにも死にそうな外見でしたもんねぇ……?」

 

伯爵「確かずっと御病気で、何しろ体調を崩されてからは周囲の献身的な看護と十人の名医の指示を全部守らされていたようですよ。木乃伊だか水銀だか角獣の角だとか鮭の心臓の骨を混ぜてこねった丸薬を毎日十二錠飲まされて、それから祈祷と朝昼夜の瀉血もしていたようですからね。」


候爵「はぁー、それは死にますな。(確信)」


子爵「…ひょっとしてこれは事件ではありませんか?」


エリオットは風邪で寝込んでいた。

最初はただのちょっとした風邪、むしろ珍しくみんなが自分に優しくしてくれるとエリオットは喜んでいた。ほんの数日休めば良くなるはずだった……


シャルロッテ12歳「ひょっとして体調悪いの……?」


エリオット「うん、ちょっとね……」小粥食べる


シャルロッテ「私が食べさせてあげるね!」


エリオット「えー……いいよぉ……」


シャルロッテ「私がやりたいの!」


エリオット「じゃあ……お願いしちゃおっかなぁ…」嬉しい


シャルロッテ「やった!」


エドモンド「ちゃんと寝てなきゃダメだからね!」


エリオット「はいはい」


エリオット(たくっ……w)


数週間後

シャルロッテ「私が看取ってあげるからね……!!」感動、手を握る




エリオット「……私はまだ…死なない……!!」泣き


シャルロッテは美しい義父を献身的に看護する自分に酔っていた。


エリオット「ひょっとして私は本当に死ぬのでしょうか……?」


マリア「大丈夫、すぐに良くなりますよ……」


エリオット「……あなたをまた、一人にさせたくないんだ…」


マリア「まぁ…こんな状況でもまだ私を気遣ってくれるのですね……!」

接吻する


マリア「神様はそんな酷いことなさりませんわ…!」


エリオット「……はい…!」

久しぶりの笑顔をみせる


妻であるマリアは優しくエリオットを宥めていたが、もう既に二回も前の夫を亡くした熟練の未亡人である彼女は頭ではエリオットが死んだ後どうことを運ぶか冷静に考えていた。

できれば生きているうちに領地のことやエリオット自身の葬式はどうしてほしいか筆を残してほしかったが、それを病人に言い渡すのはどうにもマリアには残酷に感じられた。


エドモンド「ねぇ…なんで治らないんですか!?」医者に詰めよる


エドモンド「もっと瀉血した方が良いんじゃないですか…!?あなたの治療が悪いからじゃないですか!!もっと、もっと凄い薬−−鮭の心臓の骨とかユニコーンの角とか水銀、木乃伊とか色々入った薬のが良くないですか!!僕本で読んだんです!」


医者「あいにく私は魔術師じゃないんでね!!」


マリア「側に要られなくてごめんなさい……あなたの代わりの仕事は問題なくやっていますからね……」


エリオット「……ごめんなさい」


エリオット(マリアにはこれ以上負担をかけられない……!)


エリオット「……」手招きする


ヘンリ「何?」


エリオット「……予言する、私は君達に殺されるんだ…でも、みんなを赦すよ……幸せだ…こんなに愛されてたなんて……」


ヘンリ10歳(錯乱してるな……)


セオドリック「まぁ…!憎まれ口を叩いてるうちは大丈夫でしょう!」にっこり


エドモンド「ほら!祈祷の時間だよ!良くなるようにちゃんとお祈りして…!!」


エリオット「…うぅ……」ブルブル


シャルロッテ「ねぇ、寒くなぁい?汗拭いてあげるね!ほら、お着替えしよ!」

詰めよる


エリオット「……みんな帰ってくれ…」


周囲の献身的な看護により次第に本当に重症になってしまった。


セオドリック「ほら、魂を分けた親友のレイモンド伯爵からのお手紙ですよ。元気出して?」


エリオット「えっ……?」手紙を受け取る


『親友なる君へ、

あぁ……運命の女神は残酷だ……君の美貌に嫉妬したんだね……君の青白い肌はまるで夜の闇に溶けていくかのように……あぁ、君の墓に僕の歌とライラックの花を添えて…』


エリオット「げっほ…ゴッホ…はぁ…はぁ…」


エリオット「……燃やせ。」殺意


セオドリック「はい!畏まりました!」


エドモンド「あっ!瀉血の時間だっ…!!」


エリオット「えっ…待って…!!」


医者「はい。」準備する


エリオット「いやだ……いやだって本当に……」ポロポロ泣く


シャルロッテ「大丈夫よ……怖くないからね……?」エリオットの手を握る


エドモンド「ほら!暴れちゃだめでしょ!先生お願いします!」抑えつける


エリオット「誰か止めてって……!」

周囲を見渡す


ヘンリ「え…!本当にちょっと不味いんじゃない……?」


マリア「大丈夫ですよ。今朝だって瀉血したでしょう?」


エリオット「……っ」


セオドリック「大げさですね、後で笑われてしまいますよ。」微笑む


ヘンリ「まぁ……うん……大丈夫だよ。」目を逸らす


エリオット「あ、っ……」


医者「では、いきますね。」装着完了


エリオット「待ってよ……そんなことしたらほんとに死んじゃ……!あっ…!…」


エリオット「……はぁ……あぁ…?」 


エリオット「あ……」


ヘンリ「え……!ちょっと大丈夫……!ねぇって!!」


エドモンド「……?」


シャルロッテ「エリオット……?」


エドモンド「あっ…あっ…!?」


こうしてエリオットは死んだ。

場に居合わせた者達は最後の痙攣を様々な思惑のもとに見送った。


 

セオドリック(思い返してみるとあんなに優しいご主人様は居なかったなぁ……)追憶


セオドリック(そうか……あの人はもう居ないのか……)悲嘆


セオドリック(でも、俺はまだ生きてるじゃないか……!!)歓喜


セオドリックはエリオットの死に悲しんだが、一方でこうして特権階級の一人がやすやすと命を奪われたのに対して自分は生き延びたことに喜びを感じずには居られなかった。


エドモンド「……」

シャルロッテ「えらいえらい!」

エドモンドはエリオットが死んでから全くの廃人になってしまい、今や一日中蟻ん子を眺めるくらいしか能がなくなってしまったが、シャルロッテの慈悲により城に置かれていた。


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