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夫に騙されて死んだ元女騎士、次こそ愛娘と共に幸せになります!  作者: モハチ
第二章:春

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第九十話:唐突な相談

「ルイザ!おはよう!今日は時間を作ってくれるって言ったよね!」

「・・・ヨハスおはよう。その通りよ。」


 しとしとと雨が降る中、ヨハスは晴れやかな笑顔でルイザに詰め寄ってきた。


(朝から、こいつの笑顔を見なくちゃいけないなんて・・勘弁して)


 とルイザは内心げっそりしていたが、ヨハスは気づかずどんどん話し続けた。


「ありがとう!何時くらい?僕はいつでも大丈夫だよ!」

「・・そう。そしたら、1時間後に私の部屋に来て。」

「分かった!」


 ヨハスは明るく返事をして去って行った。ヨハスはその姿を見送りながら朝から元気を吸い取られたような気持になりため息をついた。


「はあ・・。」

「お母様・・おはようございます。あの、大丈夫ですか?」

「あ・・シンシア!おはよう!大丈夫じゃなさそうよ・・。」


 後ろからその様子を見ていたシンシアが気を使い話しかけてくる。ルイザはヨハスの満面の笑みを見たため砂を口から吐きたい気持ちだったが、シンシアの顔を見て少し元気を取り戻せた気分になっていた。


「でもあなたの顔を見たら、少し気分が良くなったみたい。ありがとう。」

「うふふ。私もお母様に会いたかったし、その、お礼を早く言いたかったの!馬、ありがとう!今日は雨が降っているから練習はできないけど・・・。」


 シンシアはパアッと顔を明るくしてルイザにお礼を言った。ルイザは嬉しそうにシンシアの頭を撫でた。


「ふふ。シンシアが喜んでくれて嬉しいわ。こちらこそありがとう。プレゼントを待たせちゃったなって思ってたの。」

「そんなことありません!タイミングは最高です!・・本当は早くお母様に会ってお礼を言いたいと思っていたのですが、忙しそうだったので・・。」


 シンシアは少し俯きながら話す。ルイザの胸中はとても喜んでいた。


「そんなことを思っていてくれたのね!私も会いたくて仕方なかったわ・・!」

「お母様・・!」


 シンシアは喜びながらも、ヨハスとの会話を聞いていたので怪訝に思っていたことについて話出した。


「先ほどお父様と話をするって言ってましたよね?それは一体なんなんですか?」

「そうね。私もあなたと話をしたいと思ってたところなの。昨日ヨハスが急に夜来てね、人事の話をしたいって言ってきたのよ。・・この時期に人事の話って何なのかしら・・。」

「人事・・。」


 シンシアはルイザの話を聞いて考えていた。


(このタイミングで人事の話・・?お父様たちが身の回りをガスティン侯爵の手下で固めているのは分かっているけど・・。『前』にはこんなことなかった・・。いろんな人が『前』と違っていることでアリスたちの行動も変わってきているのかしら・・。)


「ねえ、お母様、私もその時一緒の部屋にいてもいい?」

「シンシアならいいわよ。元々共有するつもりだったしね。」


 ルイザがシンシアに笑いかける。シンシアは共有するつもりだったという言葉に感動していた。


(お母様は私に事を信頼してくれている・・!)


 そのことを実感できたことがシンシアにとって何より嬉しかった。


「そしたらお母様の部屋に一緒に行きます!」

「ええ!行きましょう!会えてなかった分あなたの話も聞かせてほしいわ。時間は足りないかもしれないわね。」

「はい!」

 

 二人はルイザの自室へ移動し、話を始めた。シンシアの馬の話をしているとヨハスが部屋へやって来た。


「ルイザ、約束通り来たよ。・・あれシンシアもいるのか。」

「お父様こんにちは。今、お母様に色々話をしていたところなんです。」


 シンシアがヨハスを見て頭を下げる。ヨハスは「ふぅん」と相槌だけうってソファに座った。


「まあいいや。ルイザ、僕の話なんだけどいいかな?」

「いいわよ。ヨハス、シンシアも同席で良いかしら?今、次期領主として仕事内容を教えているから、人事の話についても知ってもらおうと思っていて。」

「え・・シンシアもいるの?」


 ヨハスは少し嫌そうな顔をした。すかさずシンシアがヨハスに話しかける。


「私、人事とかしたことないから・・どんな話をお母様とお父様がしているのかを知りたいです。それに・・採用される人事ならどうせ後から知ることだし、良いでしょう?」


(クソッ次期領主とか勝手に決めやがって・・僕が領主になるはずなのに・・!今は仕方がないから話を合わせるか・・)


 ヨハスは心の中で自分の怒りを抑えながら了承した。


「・・そうだね。シンシアにとっても良い教育になったら良いね。同席は良いよ。」

「ありがとうございます。お父様。」

「ありがとうヨハス。そしたら早速だけど、あなたの話を聞かせてくれない?」


 ルイザがヨハスへ人事の話について促す。ヨハスは待ってましたとばかりに話し始めた。


「実は、アリスの護衛騎士のことなんだけど、シンシアの騎士のハクを護衛騎士につけたいって言ってるんだ。」

「は・・?」


 シンシアは耳を疑った。まさか自分の護衛騎士の人事についてとは思っていなかった。

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