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夫に騙されて死んだ元女騎士、次こそ愛娘と共に幸せになります!  作者: モハチ
第二章:春

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第八十八話:次の来訪者

「そろそろ、ヨハスたちがあなたたちが来たことに気づき始めるかもしれない。もう帰ったほうが良いかも・・。」

「はっ!そうですね。確かにここにはヨハス様も、その子供もいるのですから・・レト、そろそろ私たちは帰りましょう。」

「・・・」


 レトはルイザを見上げ、ルイザの服の袖をそっと掴んだ。


「ルイザ様・・どうか修道院の人たちを・・助けて下さいね。」

「・・分かった。レトこそ、私に教えてくれてありがとう。」


 ルイザはレトの頭を撫でる。レトは気持ちよさそうな目をした後、男爵の方へ行った。


「そしたら帰ろうか。レト。」

「はい・・。」


 レトたちは帰り支度を始めた。その時、セバスが談話室のドアをノックした。


「ルイザ様・・またしてもお忍びのお客様です・・・。」

「え・・?」


(今日アポなし客多くない?)


 ルイザは心の中で思った。



 レトたちにはアリスたちにバレないよう裏門から帰ってもらった後、その客を招くためルイザはドアを開けセバスに声をかけた。


「ふう、セバス・・どちらさ・・」

「やあルイザ。」


 扉を開けると申し訳なさそうな顔をしたセバスと、その後ろでニコニコ笑っているカイフェンがこちらに向かって手を振っている姿があった。


「え!?カイフェン!?」

「そう、俺だよ~皇后さまからの手紙を持ってきたよ~!」


 カイフェンはにこやかに笑いながらズカズカ談話室へ入ってきた。


「だから、俺を部屋に入れて。」

「・・・はあ・・。」


(次から次へと・・。)


 心の中で妬みを言いながらも、ルイザはカイフェンをソファへ座らせた。


「それで、手紙は?」

「ああ、はいこれだよ。」


 カイフェンから渡された手紙は確かに皇后からの手紙だった。そっと手に取り、手紙を読み始める。


(おお・・王家の方も頑張ってるみたいね・・。は?王様より、皇后が言うことを信じたってこと?・・流石ね、皇后陛下は・・。)


 手紙には以下の内容が書かれていた。


〈やっほールイザ。返事が遅くてごめんね。レヴィナスがキャロル令嬢との関係性構築するのに時間がかかっちゃって。でも私が攻略したから大丈夫よ。キャロル令嬢は完全に私たちの味方になったから。王家の方も本腰を入れてガスティン侯爵を攻めていくから、あなたの方もヨハスたちの処罰などしてもらって構わない。ただダスティン侯爵への処罰については事前に連絡が欲しい。そこはよろしくね。〉


 ルイザは読み終えた後に一息吐いてカイフェンに話しかけた。


「・・良かったわね。キャロル令嬢がこちら側についてくれて。」

「うん。皇后陛下が出てきた途端、早々と気持ちを切り替えたそうだよ。」

「・・・すごいわね。それはそれで。」


 ルイザは返信の手紙を書く準備を始めた。


「皇后陛下の手紙ありがとう。でも、私もう一度皇后に手紙を書かなくちゃいけないの。少し待ってくれる?」

「勿論さ。」


 カイフェンはルイザの後ろに立ってルイザが書き始めた手紙の内容を見始めた。


「ちょっと。何なの見ないでよ。」

「いいじゃん。どうせ俺も向こうで君の手紙を見てたし。」

「・・見てたのね。」

「そりゃ、俺も一応王族だからね。」


 ルイザは黙って手紙を書き始めた。そこにはレトから教えてもらったヨハスたちによる強行、修道院への襲撃とそれに修道院の人々の誘拐、人身売買の可能性があるためこちらが動きたいという要望を書いていた。


「え・・あの男、そんなことができる勇気があるの?」

「・・多分、自分の子供や愛人がいるから・・というよりは、後ろ盾がいるからでしょうね。王家を敵に回した侯爵がね。」

「なるほどねえ。人身売買については侯爵がプロだからね。」


 カイフェンはしみじみと呟いた。ルイザはカイフェンを見て言った。


「この人たちは私の領民なのよ。早く助けてあげないといけない・・。皇后陛下からダスティン公爵の人身売買ルートを教えてもらえないかしら。私が助けに行きたいんだけど・・。」

「・・・それは俺に助けを求めているということでいいのかな?」

「え?」


 ルイザはきょとんとしてカイフェンを見る。カイフェンは笑って言った。


「前に話をしたろ?君が助けを求めてくれたら俺はどこにでも駆けつけるって。」

「・・・・」


 ルイザは目を丸くしたが、徐々に思い出していた。あの時の渡り廊下での出来事、そしてその後にカイフェンが言ってくれた、助けを求めてほしいという言葉を。


「・・そ・・そうかもしれない。」

「ふふ、ちょっと待っててよ。俺も早く君が別れたらいいと思っているんだから。」


 ルイザの耳元で囁くようにカイフェンは話す。ルイザはバッと赤くなった顔を上げ、同じく赤くなった耳を塞いだ。


「ちょっ!ちょっと!」

「ふふ。手紙はもういいかな?俺することができたから・・早く皇后の所へ行かないと。」


 するっと手紙を抜き取っていく。


「じゃあ、また来るね。」


 カイフェンはにっこり笑い、ドアからではなく窓から去って行った。


「え!ええそこから!?」

「またね」


 ルイザが驚いている間にカイフェンは馬に乗り王城へ帰って行った。

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