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夫に騙されて死んだ元女騎士、次こそ愛娘と共に幸せになります!  作者: モハチ
第二章:春

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第八十一話:王と皇后

「さあ、王よ・・レヴィナスよ・・キャロル令嬢を陥落できたのかを教えて・・。」

「ああロゼッタ・・待たせたね。」


 王城の中の、王と皇后両陛下の部屋、夜の薄暗い時間に2人はワインを片手に話をしていた。豪華な調度品が部屋を彩っている中、2人はガウンを着て大きなソファに座っていた。


「やはり、キャロル令嬢は王家に嫁ぎたくないみたいだ。今回のお茶会でやっと本心を話してくれるようになったよ。やっと心の壁を壊してくれたみたいだ。」

「ふふ。彼女は賢く、用心深いから・・でも本当に時間がかかりましたね。」

「全くだ。一体誰に似たんだが・・。ガスティン侯爵家にそんな思慮深い人間なんていないだろ。」

「ふふふ」

「ふっ」


 2人はにこやかに笑いながらワインをグイっと飲んだ。

 ようやくロゼッタ令嬢をこちら側へ引き込むための第一歩を進めることができた。彼女は本当に疑い深かった。

 現王のレヴィナスは今までの道のりを思い出していた。


 側妃としてこちらに嫁ぐと決まる前に一度2人でのお茶会を開いた。その時は自分の目を全く見ることなく、ずっと下を向いているばかり。声をかければ「はい・・」

「そうですね・・」の相槌ばかり。全く話は弾まなかった。

 

(一体何なんだこの令嬢は・・。)


 とその時は紅茶をお互いひたすら飲むだけで終わった。

 最愛の妻であり、皇后であるロゼッタと計画を調整してからはできるだけ自分に心を開いてもらえるように必死で会話を繋げたり、優しくしたり、彼女の生家を慮る話を振ったりと色々挑戦してみた。でも空振りに終わることもあり、慣れない気遣いでレヴィナスは心身ともに疲れていた。


(ああ・・本当に長かった・・。)


 レヴィナスは深いため息をついた。6回目茶会でやっと、自分たちの意向を彼女が察して、話をすることができたのだ。やっと警戒心をほどくことができた。


「ああ・・ここまで来るのに本当に長かった。長い道のりだった。くうう。体にこのワインが染みるよ。今までの苦労をこのワインが癒してくれる気がする。」


 レヴィナスはワインを飲んだ後に呟いた。その呟きに即座にロゼッタは突っ込みを入れた。


「ふふ・・何を言っているんですか。まだまだこれからですよ。」

「ぐふ」


 レヴィナスはワインを吹き出しそうになったが何とか抑えた。


「そ・・そうだね。まだ計画は始まったばかりだもんね・・。」

「そうです。完全にこちら側にしないと・・。こっちがやられますよ。ガスティン侯爵に。」

「うむ。それだけはいかんな。」


 レヴィナスは髪の毛をかきあげながら頷いた。


「今回の話で、キャロル令嬢は何て話をしていたんですか?」

「そうだね、まずは王の側妃になるつもりは全くなかった。そのため王に嫌われるようにずっとそっけない態度をとっていた。すみませんと謝られたな。」

「・・なるほど。それでこんなに時間がかかったと・・。いくら王に嫌われても側妃を免れることは無いんですけどね。お家ごとだから。」

「うん。嫌われたかったって言ってたよ。・・君を憧れているから、君に嫌われたくないって話してた。」


 その言葉を聞いてロゼッタは小さく「キャッ」と喜びの声を挙げた。


「だから、増々俺の側妃になりたくなかったみたいだ。」

「それはそうかもしれないわね。私のライバルなんて嫌でしょう。」

「だろう。」


 二人はにっこり笑いあう。


「彼女は()()()()()()()()()()()も気づいている、というか知っている。でも、父には逆らえなかったと言っていた。」

「そうでしょうね。彼女は()()()()()()をする人ではないもの。」

「できるだけ人身売買された人を奴隷落ちする前に助け出していたみたいだけど、それが侯爵にバレて監禁や折檻もされたと言っていた。」

「増々彼女をこちら側に入れる理由ができたわね。」


 お互いからになったグラスにワインを注ぐ。赤いワインが部屋の明かりに照らされ、水面がキラキラ揺れていた。


「ああ。こちら側に入れることについてはまあもう少し時間が必要そうかな・・。彼女も家には情があるんだろう。」

「まあそうよね・・。ねえ、あなたではなく、私が話をしたらどう?」

「え?」


 ロゼッタは少し考え、レヴィナスに提案した。


「だって、私のことを憧れてくれてるんでしょ?意外とレヴィナスより私の方が聞いてくれたりして・・」

「!!」


 レヴィナスは手を叩いた。

「確かに!次回はそうしてみよう!」

 

 2人は次のことを決めた後、ワインを飲み干しにっこりと笑顔を浮かべた。


「ああ・・ようやく君とゆっくり過ごすことができそうだ。」

「私も待ち望んでいたわ。」


 2人はワイングラスをテーブルの上に置き、抱き合った後長めのキスをした。

 唇へのキスから自然とキスは首筋へと移動していく。


「あ」


 ロゼッタは声をあげた。


「何?」

「久しぶりだし、今日はベッドにしましょ?」

「ふふ。そうだね。」


レヴィナスがロゼッタを抱き上げ、天幕がかかっているベッドへと移動していった。


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