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夫に騙されて死んだ元女騎士、次こそ愛娘と共に幸せになります!  作者: モハチ
第二章:春

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第七十四話:追及

「それで?教えてくれるヨハス。」

「・・はい。」


 ルイザの執務室に、ヨハス、マリサとアリス付きのメイド1人、アタンに気絶させられていたが起きた騎士2名、シイナ、アタンが揃っていた。

 ルイザは椅子に座り、目の前に立っているヨハスをじっと見ている。

 シイナは身体は自由になったものの、縛られ乱暴に扱われていたことから体を痛めており、彼女だけソファに座らされていた。

  

 ヨハスはぐっと息を飲んでから話しを切り出した。


「さっき、マリサが言った通りだよ。シイナがアリスを毒殺しようとしたんだ。」


 ヨハスはそう言ってシイナの部屋から出てきたという毒薬の瓶を出してきた。その中身は紫色をしており、半分ほどなくなっているようだった。


「これがその毒薬だよ。シイナを捕えた後に部屋を捜索したら出てきたんだ。()()は紛れもない証拠だろう?毒殺されかけたアリスは今ショックを受けて引きこもっているんだ。」


 ルイザはその毒薬を受け取り、しげしげと見つめる。確かに毒薬ではあるようだった。


「ちなみになぜ、シイナが毒殺しようとしたことは確定なの?シイナに恨みでも持った人が罪を擦り付けようとしたことだって考えられるわよね?」

「いや、シイナだよ。毒が入っていた紅茶の準備をしたのは1人だけ、シイナだけと聞いている。準備した人以外に毒を入れられるわけない。」


 ヨハスは胸を張って答えた。

 ルイザはその姿を見ながらちらとシイナを見て質問した。シイナは身体は弱っているものの、ルイザに向ける目は強かった。


「そう言っているみたいだけど本当?シイナ。シイナからも話を聞きたい。」

「・・ルイザ様。私はアリス様を毒殺しようとしていませんし、毒薬を隠し持ってはいません。」

「嘘をつくんじゃない!」


 シイナが発言するとヨハスは怒ったように叫ぶ。シイナはヨハスが怒鳴っても気にせず話を続けた。


「それに私は、1()()で紅茶の準備をしていません。それなのに1人で準備をしたと事実を歪曲されました。私は2()()で準備をしました。」

「「!」」


 マリサとアリス付きのメイドは息を飲んだ。ルイザはその二人の小さな反応に気づきつつもあえて突っ込まずに話を続けた。


「ふうん。ヨハスはさっき、1人でシイナが準備したって言ってたけど、本当はしていないということだね。ちなみに誰と準備をしたのかを教えて。」

「はい。それはこの方です。」


 すっとシイナはアリス付きのメイドを指さす。指を差されたメイドは少し動揺しながら自身の意見を主張し始めた。


「そんな!私はそんなことをしていません!何かの間違いです!これはきっと私を嵌めようとシイナさんが言っているだけでしょう!」

「まあまあ、落ち着いて。」


 ルイザはメイドを宥めた。


「あなたが嘘をついているということが事実かどうか分からない・・でしょ?シイナが1人で紅茶を入れていたかどうかも分からないのに・・。誰も分からないでしょう?」

「でも!」

「うるさい。使用人の癖に主人の話に反論するな。」


 ルイザがぴしゃりとメイドを抑える。メイドはぐっと拳を握りつつ、黙った。


「シイナ、毒薬を自分はもっていないと言っていたわね。」

「はい。」

「ヨハス、シイナの部屋を誰が探したの?」

「え・・」

「シイナの部屋は基本私の部屋と繋がっているのは知っているわよね?メイド長でありつつ、私の右腕なんだから・・。」

「え・・うんまあそうだね・・。」

「他のメイド達と違う待遇なのは知っているでしょう?シイナの自室は基本的にそこなんだけど。」


 ルイザは執務室の隣にある自分の自室の方角を眺める。 


「他のメイド達はそれこそ2人部屋が主で、相部屋だからこそ捜索もしやすいと思うんだけど・・シイナの部屋は基本できないでしょう?」


 ヨハスは言い淀んだ。

 ルイザは詰問を続ける。


「それともあなたは私の部屋を開け、シイナの部屋に入ったということでよい?」

「・・・」

「そしてそれを複数人でしたということ・・?私が許可した者しか入れていない私の自室に。」


 ヨハスは考えていた。

(やばい・・シイナの部屋はそうか・・ルイザの部屋に繋がっているんだ・・!)


 ヨハスはばっとメイドの方を見た。


「おい!お前がシイナの部屋に毒薬があったって言ったんだろ!?」

「・・!」


 メイドはビクっとしてヨハスを見る。

 ヨハスは責任をメイドに押し付けるように話し出した。


「お前は一体どこから毒薬を出してきたんだ?」

「ヨ・・ヨハス様!」


 メイドは懇願するようにヨハスを見たが、ヨハスは汚いものを見るかのようにメイドをみていた。

 メイドは次にマリサを見たが、マリサは表情を変えることなく真っすぐルイザの方を見ており、メイドの方を見ることは無かった。


「くっ・・!」


 メイドは誰にも助けを依頼できず、ずっと沈黙を保っていた。

 

 コンコン

 沈黙が流れる中、誰かが執務室をノックする音がした。

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