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夫に騙されて死んだ元女騎士、次こそ愛娘と共に幸せになります!  作者: モハチ
第一章:始まりと冬

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第四十三話:雪の降る日

 2人が目が覚めた時、外は粉雪がパラパラと降っていた。もうすぐこの粉雪が本格的な冬の容貌に変えていく時期がくる。 

 

「雪が降っているわね・・」

「そうですね。今年は一緒に雪が見れましたね。」


 クスっと笑いながら2人はメイドを呼び、身支度を始めた。今日から家の中での対応策は2人で練れた。家の中のことについては怖いことは無い、そんな気分だった。


 ダイニングルームではヨハスが先に着席していた。ヨハスの斜め後ろにはマリサが専属メイドの証にもらったであろう宝石を右胸の前につけ、誇らしそうに立っていた。

 シンシアとルイザは特に反応することもなく、朝食を摂取し始めた。


「ルイザ、今日粉雪が降り始めていて、これからもっと寒くなるだろうから、その前に視察に行けてないところに行こうと思っているんだ。いいかな?」


 朝食を食べ終えた後、ヨハスがルイザに声をかける。ルイザはそっけなく返した。


「ええ、良いわよ。道中にはきをつけてね。雪が降っているから滑る可能性もあるし・・」

「大丈夫さ!僕は雪に慣れているから!」


 ヨハスは許可を得れたことが嬉しかった様子でマリサと共にダイニングルームを出て行った。

 その様子を見ていたシイナがこそっとルイザに声をかける。


「ルイザ様、この視察は・・よろしいのですか?」

「ええ、いいのよ。昨日、シンシアと話をしたの。それで、ヨハスの子供がこちらに来ることを受け入れることにしたのよ。なんせ修道院がこれから厳しい冬が来るというのにわがまま疫病神がいたら増々厳しいでしょうし・・。」

「・・分かりました。こちらとしてもどのメイドをこの者につけるかを考えておきます。」

「ありがとう。それについては一案あるのだけど・・良いかしら。」


 ルイザとシイナが話しているところを見て、シンシアも近づいてくる。


「シイナ、私も知っているから大丈夫だよ。私には無理に隠そうとしなくて良いから。」


 シイナはルイザを見る。ルイザはゆっくり頷いた。 


「お嬢様・・分かりました。」

「シイナ、お母様が言う一案は私も噛んでるの。大丈夫だと思うし、何か言われてもわがままな性格でスパイメイドたちが分断すると思うから。ただ、暗躍できる、シイナが信頼するメイドはつけていてほしい。」

「分かりました。」


 ガスティン侯爵からのスパイメイド達にはバレないように、シイナは誰を付けるか調整を始める。スパイメイドたちは未だ、動き始める様子は無かった。

 雪が静かに積もり始めた。




「お母様!お父様!待っていました!!!!」

「おおアリス!!ごめんな、遅くなってしまって。」

「良いんです!迎えに来てくれるならそれで!!」


 雪が積もる前に修道院についたヨハス一行は、修道院のロビーで感動の再会をしていた。その姿を後ろから疲れ切った様子の修道女たちが見ていた。


(やっと来た・・なんて長い期間だったんだ・・これもルイザ様のおかげかしら・・)

(ヨハス様のこと、お父様って言った?聞き間違い??・・でも確かに髪色と瞳の色はヨハス様そっくりだわ・・)


 人前でお父様とお母様と言ったアリスの発言は修道女たちの心の中で疑問視されていた。そんなことは知らずペラペラ話し始める。


「もう、こんなところ居たくないと思っていたんです!早く私をクレアトン伯爵邸に連れて行ってください!!」

「分かったから。しーっ!静かに。ここにはまだ修道女たちがいるだろう?これからは僕を父と呼んではいけないよ。わかった?」

「・・そうでした。ここにはまだ修道院ですしね。」


 途中から声を潜めて話し出すが、その姿は父と娘の血がつながっていることを浮き彫りにしていた。修道女たちはまさかヨハスが浮気をしてその子供を伯爵邸に入れるつもりだったとは知らなかったので驚愕した。


(((私たちは・・ルイザ様を裏切る行為をしてしまったのでは・・)))


 焦る3人の修道女たちを尻目に、マリサが修道女たちの方へ近づいてきた。


「今までこの子をありがとうございました。これは謝礼金です。孤児院の運営に使用してください。・・・くれぐれもこのことは他言無用でお願いします。そうではないと、私たちの裏にいるあの方が容赦しませんよ・・。」

「「「・・・はい・・」」」


 修道女たちは脅されブルブル震えている。その様子を見て安心したマリサはヨハスとアリスの方へ近づいて行った。


「さあ、馬車には執事が待っていますから。今すぐ洋服を汚いものに着替えて。顔に泥を塗って。早くいきますよ。」

「はーい。」


 マリサに言われた通りアリスは準備していたボロボロのワンピースを着て、顔に泥を塗った。靴も脱いだ。


「さあ、行こうかアリス。僕たちの城へ。」

「うん!行きます!お父様!じゃなかった、ヨハス様!」


 3人は雪の降る中、馬車に向かって歩き出した。


 馬車の中にはアリスのことを知っているけど知らないふりをしているニックが待っていた。


(行こうと思ったら、絶対に来るな。ここで馬車を温めておけって言われた・・。執事は馬車を温める役割じゃないだろ!!)

 

 ニックは馬車の中で憤慨していた。


 修道女たちは3人を見送った後に崩れ落ちた。

 ルイザ様を、領主様を裏切るようなことをしてしまった・・なんてことをしてしまったんだと嘆き始めた。その一部始終を廊下の影から1人の孤児がじっと見ていた。


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