表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夫に騙されて死んだ元女騎士、次こそ愛娘と共に幸せになります!  作者: モハチ
第一章:始まりと冬

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/68

第四話:あの日のこと

 今世に巻き戻ってくる前の、ヨハスにメイドを増やすことを提案されたあの日。

 私は何も考えずにヨハスからの提案を受け入れ、新しく入ったメイドたちに対して何の疑問も持っていなかった。


(今回入ってくるメイドの1人が私を殺した女、マリサだわ。)


 マリサは新人メイドとして入ってきた。

 当初は目立つ何かを持っているわけでもない、グレーの瞳に深紅の髪が印象的なただのメイドだった。


(確か私の担当メイドとして配属されるきっかけになった事件があったわね・・・)


 マリサがメイドとして入職し、数か月が経った頃。

 ルイザは自身の両親であるカウフマン侯爵と侯爵夫人、次期侯爵である自身の兄と婚約者を招いて家族だけのパーティを開いていた。

 久しぶりの両親や兄弟との歓談はルイザの警戒心をほどいていた。


 ルイザは令嬢の中でも異例の令嬢だった。

 ルイザはカウフマン侯爵家の令嬢ではあったが、小さい頃からカウフマン騎士団員たちと訓練をし、実際騎士になった。

 王国騎士団に騎士として勤め、現皇后が即位した際に皇后の護衛騎士に大抜擢された。数年間護衛騎士を勤めていた。

 皇后が他国へ視察に行く際、暗殺者から皇后を守ったことで王から称えられ、今の領地とクレアトン伯爵位を授かった。

 通常はこのようなことで伯爵位を授かることは無いのだが、皇后が考えている政治的な理由も交錯した異例の受章だった。

 クレアトン伯爵位を授かるまでは皇后だけではなくルイザ自身も狙われることがあり、神経をとがらせることはあったが、伯爵位を受けてからは狙われることは少なくなっていた。

 気が緩んでいたのだ。


 あの日、家族との団欒も終わり、夜も更けた。

 それぞれを客室へ案内も終え、自室でワインを飲んでいるとヨハスが部屋を尋ねてきた。

 ワインやピーナッツなどのつまみをカートに乗せて持ってきたマリサと共に・・


(あの時は私も大分酔っていたし・・側仕えの騎士よりも早くマリサが気付いて私をかばったのよね。今思えばちょっとおかしいわ。)


 ヨハスとマリサが入室してきて少ししてから。

 ルイザがグラスのワインを飲もうとしている時、窓の外に光るものが一瞬見えた。 ルイザが身をかがめようとした瞬間、マリサがルイザに飛びつき、ルイザの目の前で矢に打たれたのだ。

 マリサが矢に打たれた後、側に仕えていた騎士が外に狙撃者を探しに行った、が、狙撃者は少し離れた草むらで自死しており、どこからの差し金かはわからなかった。  

 マリサは肩に傷を負ったが矢に毒などは塗られておらず、大けがにならずに済んだ。

 ヨハスはその日の後、マリサをとても褒めた。

 マリサを下級メイドから上級メイドの立場まであがらせた。


「その身を挺して我が妻を助けてくれてありがとう。こんなに献身的なメイドはいないよ。」


 元々ヨハスの専属メイドだったマリサのことを、数日間ずっと褒め称えた。

 ルイザがいる場でもマリサを褒め称え、


「こんな良心的なメイドが妻、ルイザの近くにいることが望ましい。」


 とその場でルイザの専属メイドの1人になるようにマリサに辞令を出したのだ。


(私も身を挺してくれたメイドに対してありがたさを感じていたから何の疑問もなかった。・・あの時から作戦が始まっていたのね・・)


 今回は事前に何があったのかを覚えていること、推薦状をもらうことでマリサの事前情報を知ることができるためこの事件を最初からなくすことができる。


(私を死まで追いやった。私の死後はきっとシンシアにもなにかしていたかもしれない。今回はそういうわけにはいかない。やり返してやるわ・・)


 ルイザはそう心に決め執務室へ向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ