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第2話 緊急で会社に呼び出されています

 『パラレルライブ』。通称、『パラライ』。このVtuber業界ナンバーワンの大手事務所である。

 

 所属タレントは20人ほどと決して多い人数ではないが、一人一人の個性を大切にし基本はアイドル方面での活動だけではなく、マニアックなゲーム大会の開催や深夜雑談など、個々人の活動を尊重し合ったプロデュースを行なっている印象がある。

 

 そして私がこの業界への志望動機を決め、生きる希望と勇気をもらえた彼女の所属事務所だ。


 その事務所の一室。都内の街並みを一望できそうな高層ビルのパラライ社長室に、私は由依と一緒に正座していた。


 2日前、気が遠のくような電話をもらった。


 ただ私は電話で聞かされたことを全く信用も整理もできないまま指定された通りに、週明け自分の会社ではなくライバル企業へと足を運んだ。


 駅直結の高層ビル。ウチの雑居ビル兼社長の住処とは大きな違いだった。


 受付を済ませるとセキュリティチェックをされ、専用のエレベーターへと案内される。


 『パラレルライブ』のロゴが掲げられたフロアに到着し、何も喋らない受付の担当者がそのままドアを開けると、整理整頓と掃除の行き届いたワンフロアに何人ものスタッフが働いている。


 ただ全部のスタッフの目線が自分に注がれた。そんなに外部の人間が来るのが珍しいとは思えないが、視線の理由は理解しているのだが思わず目線を壁側に向ける。


 あ、「葛木(かつらぎ)ミレイ」さんのサインだ。パラライ所属の人気ゲーマー。この前の『時オカ』実況面白かったな〜。プレイスキルが高いから、鮮やかな攻略とストーリーの解釈話も見応えすごかったな。今度は続編プレイするのかな、ルーチン的にはレトロゲーのあとは、しばらくFPSランクマ系やると思うけど、最近は苦手なホラゲー挑戦にも興味をもっ。


 などと考えると大きな部屋に通され、1人の男性と1人の女性が立って待っており、1人の女性が土下座をしていた。


 土下座をしていたのは由衣だった。その光景に、思わず自分も土下座をし今に至る。


「君ですか、旦那さんというのは」


 スーツ姿の威圧感がある男性が話しかける。がっしりした体格に、スキンヘッドでめちゃくちゃ怖い。


「あの、すいません、まだ状況が私もわかっておりませんでして」 

「わかってない!? どーーーーんだけ鈍感なんですか!?!?」


 こちらもスーツ姿の女性だが、スーツのサイズが妙にあっておらず着せられている感がある。そのせいか高圧的なしゃべり口なのに全く怖くない。


「つーちゃんは悪くないんです! そのこれは全部私が悪いんです!」

「君からの話は後でたっぷり聞くよ」


 男性の一言で由依は黙った。重々しい声色に自分も何をされるか慄いている。


「さて、常田さん。私が君に確かめたいことは1つです。君の隣にいる女性は奥さんで間違いないですか?」

「・・・はい」


 何度見ても横にいるのは、伴侶である由衣その人だ。


「はいって、あなたね! ことの重大さ分かってますか!? 隣のあなたが奥さんだとか、嫁さんだとかいう人が誰だか知って言ってるんですか!!」

「その、由依のことですよね?」

「キーッ!! 馴れ馴れしく本名名前呼びするな!!」


 女性の方はご立腹なようで先ほどから感情のボルテージが下がる気配がない。


「じゃあ質問を変えよう。君は彼女、パラライ所属『アノネ・リスペリーノ』と嘘偽りなく、神の前で愛を誓い合い、今に至る関係で合ってるかな?」

「・・・それは」


 私は答えに窮した。

 なぜならそれを知ったのは2日前のことなのだから。

お読み頂き感謝します。

初めてこういったものを書きます。


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社会人として頭おかしくて草
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