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17 隣国の留学生


「あれ? 筆頭侯爵令嬢がいない」


 教室に戻ると、第一王子の脇に、隣国からの留学生が座っていた。普段なら、筆頭侯爵令嬢、イライザのポジションなのに。


 その留学生は、隣国出身で、メガネをかけ、色っぽい雰囲気を漂わせている。

 サクラと同じ立場の留学生なのに、私は、なんだか近寄るのは危険だと、警戒を解いていない。


「イライザが席を外すと、すかさず第一王子に近づいていると聞いている」


 サクラが教えてくれた。すでに教室内で情報網を築いているのか、驚きだ。



「はい、あ~んして」


 隣国の留学生が、食べかけのお菓子を、第一王子の口に運んだ。


 まさか! 第一王子がそれを食べた……

 毒見は? 食べかけなんて、不敬でしょ? これはひどい……呆れた行動だ。


 もしかして、隣国では普通の行動かもしれないが、ここはメトロポリテーヌ王国だ。郷に入れば郷に従えと、教えられなかったのか!


 さらに、第一王子も、王族としての最低限の常識さえ無いのか。


「間接キスしちゃった」


 隣国の留学生が甘えた声を出した。これには、さすがに、周りのクラスメイトも引いている。


 第一王子は、目をハートマークにし、二人見つめ合ってデレデレしている。


 王子の護衛兵は? 廊下から見ていて、あきれている。いや、これを止めるのも護衛兵の仕事でしょ!


 普段は、イライザがいるからと、彼女に任せてばかりで、護衛兵は気持ちが緩んでいるようだ。


 この王国は、私や王弟殿下が、身を捧げてまで守る価値があるのだろうか……決心が揺らぐ。



 二人の顔が近い。これも独身の男女がしてはダメな距離だ。


 ん? 何か内緒話をしている。


「第一王子様の寝室に忍んで行きたいの」


 私は耳が良い。隣国の留学生のささやきが、聞こえた。


「僕は、いつでも君を待っているよ」


 このクソ王子が! 私は形だけの婚約者候補だが、なんだか怒りが湧いてきた。


「でも、寝室の場所が分からないの。このままでは護衛兵に捕まってしまいますぅ」


 令嬢は、いっそう甘い声でささやいた。



「大丈夫、僕が、君のために地図を用意するから」


 第一王子が即答した。王族の寝室の位置は、セキュリティー確保のため、王国の国家機密に指定されているのに?


「ありがとう第一王子様、愛しています」


 こいつは、許さん!




お読みいただきありがとうございました。

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