初恋
もしも、あの時この気持ちを「言葉」にしていたら
アナタは、振り向いてくれましたか?
私には、ずっと言えずにいた言葉がある。
それは今もきっと心の奥深くに眠っていて、淡い思い出に変わっているのかも知れない。
━アナタガスキデス━
たったこの数文字が、何年も伝えられずにいた。
始まりはいつだったろうか?
それさえも思い出せないほど、ごく自然に、アナタは私の中に入ってきて・・・やがて「大きな存在」になる。
どんどん、どんどん強くなるアナタを、隣で見てきた。
アナタが強くなるたびに、私の中のアナタの存在も大きくなって
いつしか目で追うようになった。
学校は違う。
知らない友達、知らない環境、知らないアナタ。
知らないことだらけなのに、アナタに惹かれた。
不思議だけど、タイプとか好みとか
そういうモノじゃ割りきれなくて、
「アナタ」だから好きになったんだと思う。
いつしか、傍にいる人に恋をして、付き合って
そうして「失恋」を向かえて・・・また想いは「アナタ」へと返っていく。
何度も、何度も「アナタ」に恋をする。
会えなくなって、もう何年経っただろう。
それでも、アナタを思い出すよ。
アナタの幸せを祈るよ。
━好きです━
今なら、素直に言えるのに・・・あの頃は、凄く重くて難しい言葉だったね。
これからも、アナタは私にとっての「初恋」です。きっと。ずっと。
短編というか・・・思いつくままに綴りました。
実体験・・・かも知れません。学生時代、「好き」と自分から言えずにいた作者の思いを詰めました。
読んで頂ければ幸いです。