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第8話 元恋人兼正義の魔法少女、後悔する




ああ......‥こんなつもりじゃなかったんだ

わたしは今日も一人ぼっちの暗い部屋で後悔する

わたしの名前は山貴やまき あい

魔法少女の■色を担当していて人生勝ち組《《だった》》女だ

無意識にポケットから取り出したスマホで新聞を見る

そこには大見出しでこう書かれた


『"期待の新星ニュースター山貴 翼氏、b街襲撃事件で死亡"』


下に記事をスワイプして記事を読むと魔法少女黒色担当、死路の魔法の痕跡が見つかったそうだ

急いで死路に電話をかけようとするが、寸前で辞めた

本来のわたしなら今すぐ電話をかけて死路を問い詰めていただろう

でももう消耗品《死路》との縁は自分で切ってしまった

わたしの■■と密会していることをバレたからだ

でも死路はわたしの奴隷《恋人》からそれだけで縁を切らない

多分、セッ◯スしているのを見られたんだと思う

死路アイツは扱いが面倒くさいけど色々と役に立つし見た目もわたしと並んでも劣らないくらいいいからわたしの奴隷《恋人》に最適だと思って告白をOKしてやった

でもつまらなかった

別に死路はペットに似てて従順で扱いやすくてよかったのに

あれがわたしが奏でられる唯一の、醜《美し》い鎮魂曲《賛美歌》だったんだから

でも奴隷《死路》は精一杯わたしが面倒見てやったのに裏切った

お気に入りの男は普通一人や二人居るものじゃない!?

やっぱり死路は気の器が小さいわね

でもわたしは世界で一番、最低《最高》の女だから許してやるわ

だってわたしは皆の理想の魔法少女アイドル、山貴 愛でいなくちゃいけないんだから!

まあ死路《奴隷》はどうせ将来的にわたしの邪魔になるだけだし、別にいいのよ

いいはずなのに、なんで悲しいの?

きっとこの悲しみは死路を失ったものではないわ!山貴翼《お兄様》を失ったことによる悲しみよ!

でも結局は山貴翼《お兄様》も死んでよかったわ

そしたらわたしは超名門、山貴家の財産をモノにできるんだから

後悔してはいけないのよ!と心に訴えても後悔せずにはいられない



「失礼します、愛様。ここ十日間引きこもってらっしゃるのでお呼びした精神外科のお医者様が来ております」



「わかったわ、今行く」



ああ、面倒くさい

メイドのメグが部屋に入ってくる

精神外科の医者なんていらないわよ

それならまだお気に入りの男に慰めてもらう方が良いわ



「お嬢様、サボりはいけません、もうお嬢様は当主になるのですから(じゃないとアイツと会わせて情報抜き出せねーだろが)」



メグは春夏秋冬長い古風のメイド服を着ていて不思議なところがあるが可愛くてわたしの唯一の友達だ

しかも優秀だし、死路とは大違いだわ

メグは足音を立てずにそれでいてメイド作法通りの歩きかたでわたしの前を歩いていく

メグが客室の前に着き直後ドアを叩いた



「医師様、お嬢様をお連れしました」



「分かりました」



中から琴を奏でるような声が響く

ふむ、これはわたしのいい男サーチが反応している

多分、これは絶対、いい男だ

こんな声を持った男が醜男ブスなわけない!

メグが扉を開けてわたしは客室に入る

そこには、茶髪に赤目の美しい美貌を持った男がいた

一瞬、俳優とか有名人かと思ったが白衣を着ていていかにも医師らしい格好をしているので違うらしい



「すみません、待たせました」



「大丈夫ですよ、そのくらい。はじめまして、私は精神外科〇〇所属で派遣された神山 良井と申します。お嬢様、以後お見知り置きを」



彼は薄っすらと笑みを浮かべる

こんなイケメンがいたらお見知り置きをするに決まってるじゃない!

あとでラブホに一緒に泊まろうかしら?

わたしの中にあったモヤモヤは一気に吹き飛び早くこのイケメンを自分のモノにしたいと思考がフル回転した

まずこのイケメンとどうやって関係を持つか...

最初は美少女でお淑やかなキャラで行くべき?

それともやんちゃで少しえっち、でも本人は自覚してない無自覚キャラ?

あとは高嶺の花の美少女なのに懐いてくるキャラ?

でもわたしはわたしのキャラで行こうかしら?



「ええ、先生。よろしくお願いします。早速ですが先生はどこご出身で?」



「北海道ですかね?最近こちらに来たんですよ」



ふーん、北海道なのね

メグに頼んで居場所を特定して盗撮しましょ

あとは徐々に個人情報を引き出さないと



「先生はイケメンですね、彼女さんとかいるんですか?」



「いますよ、でもそんなことどうでもいいので早く診察を始めましょう(メグ、これでいいんだな?)」



「...(ok、そのままアホクソ野郎から死路の情報き出せや)」



後ろにいたメグから一瞬、鋭い視線を感じたが気の所為なのだろう

あの時わたしは、想像もしなかっただろう。

そんな一瞬にも気づけぬ魔法少女だから後悔することになることを

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