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序章 不穏な動き

「まったく、主さまのお顔に泥を塗るなんて。やはり人間は使い物にならないですね」


真っ暗な部屋の中でその声は響いた。

“全國集会議”ーー各國の代表が集まり、國の内情や情報を交換し、国会反逆行為を起こした人物を徹底的に追い詰めていく側面を持っている。しかし、その円卓を囲む各國のトップが集まる中で凛と響く声は、國の上位者を怯ませる。

「も、申し訳ありません!全ては、観査官の不手際、いえ、軍事を指導しきれなかった軍師に!」

「お黙りなさい。主の寛大なお心は今生きる人間から選りすぐりの者達を迎えるおつもりでしたのに、・・・なのに、無能なクズがへまをやらかしたあげくに貴重なハイブリットを逃がすとは。はぁ、誠に・・・遺憾ですわ」

「も、申し訳ありません!この事態はティベリックが!がぁああ!?」

平に謝るその男をその人物は床に踏みつけた。

「黙れと言ったでしょう。もう、用済みです。ティベリックの軍はまだ使えますが、あなたが埋め合わせをしたところで(わたくし)が主さまにご報告するのですよ?あなたの功績ではなく、私の功績に響くのです」

「ひぃいいいい!お許しお!」

それに薄くニッと笑い、

「えぇ、いいでしょう」

「あ・・・ありがとうございます!」

踏まれた足の下で手を組み祈るように感謝をする。

「んふふ。少しは役にたってもらわねば。最後(・・)くらい」

「へ・・・何を!」

「いいですか?あなたは今ここでみなの教訓となるのです。その為の礎です!人間は私達悪魔の言いなりになっていればいいのです!それが、生き甲斐になる!」

パチンと指を鳴らせばその男を蹴飛ばす。

「嫌だ!嫌だ!イヤだ!いやだ!イヤダ!」

身体中がブクブクと泡のように動き、男は喉元を引っ掻きまくる。

「おだずげお゛ぉおおおおお!!ぐがぁあああああああああ!!!」

すがるように伸ばされた腕さえも、体内に虫が這い回るように動き一気に爆散する。残った下半身からは、大腸やその他の内臓はだらりと落ちその端々からボタボタッと血が流れ、弾けた水のように散らばった血飛沫は椅子の背もたれを汚した。

「・・・いいですか。あなた方の國にハイブリットをなんの為に置いているのか、国家反逆行為をなぜ厳しくしているのか。全ては主さまの理想郷の選別のために、・・・そもそもハイブリットはもともと私達の所有物(・・・・・・)なのですから。・・・近頃そのハイブリットすら国家反逆行為が起こっているようです。事態の収集をさっさとつけなさい?」

カツッカツッとヒールをならしながら歩き出す。

「今回のハイブリットは彼らを先導する力があり、それは、味方にすれば戦力になる。しかし、その逆も然り・・・敵に回れば一貫の終わりでもあります。そんな貴重なハイブリットをなんとしても見つけるように」

その人物は円卓の中心に来ると

「さぁ、皆さん。主さまに仇をなす者に粛清を!我が主さまに喝采を!」

拳を天に突き上げ言う。

「今後はあなた方も気をつけるように」

その場に居た者達は一斉に立ち上がり「はっ」と一言。声を合わせ言うと頭を垂れた。それに声の主は高らかに笑った。

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