表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/33

6話

 始まりの土地――大きく広い草原からスタートして、少女は世界を発つ。

 わからないことばかりなら、これから知ればいい。この世界にはこの世界のタブーがあるかもしれない。でもだからって、それを恐れてしまい動かなければ、全く進まない。

「……」

 ずっと闇の中にいて、その世界しか知らなかったのだ。

 闇の中で得た知識は――この世界で通用するのか。不安がないと言えば嘘になる。

 何故ここに来ることになったのか。帰ることが出来るのか考え、探そう。

 ――なんだろう。不安だけでなく、ワクワクしたものがある。

 楽しい。

 この新しい世界に期待している自分がいる?

 見上げれば、天敵が浮かんでいるというのに――。

 この高揚感は一体なんなのか――。

「――」

 楽しい。

 気付けば、走っていた。

 後ろの青いのが豆粒になって、そして見えなくなるまで。

 驚異的な脚力。

 本人はそれに気付いてない。

 ずっと動いてなかったはずなのに、理不尽なほどの運動能力だった。

「……」

 黒い閃光が世界ルースを走った。

 止まった時、緑の世界はまだ終わってなかった。

「は、はああ。凄いな」

 まるで無限に感じる緑の世界に黒い少女は感動を覚えていた。

 体に当たる風が、心地よかった。

 だいぶ走ったはずなのに、まだ続く。

 この世界は自分と合ってないはずなのに、この気持ちはなんなのか。

 ちっぽけだったから、だ。今までの自分はちっぽけだった。その事に今の現状をもって気付いたから。

 今の現状――自分の質と合わずとも、広大な世界は自分に確かに感動を与えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ