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最終話

 少女は深い闇の中で映像を見た。

 映像の中には見覚えのある少年が映っていた。

 少年は鬼気迫る表情で戦っていた。

 見たことのない表情。

 守る者があり、それを守る者の表情だ。

 戦っている相手は――闇。人というものが孕んだ闇、だ。

 いくら光を以って消しても、闇は衰えることを知らないかのように光を蝕もうとする。

 人がつくった闇は強大すぎる。

 質が悪すぎる。

 人というものの闇は、特異だ。

 とにかくドロドロしている。

 本来の闇はこういう姿なのか。

 これだけ特質なのか。

 少年は天敵に怯むことなく走る。

 戦いは――終わらない。

 少女はじっと見続ける。戦う少年の様を。

 いつの時か、映像は切れてしまい、少女は瞼を開いていた。

 この時、すでに決まっていた。

 少女は行く。

 役に立てないようだったら、すぐに帰る。

 何か出来ることを信じて行く。

 大して悩まなかった。

 すぐに心は決まった。

 意志はすでに理解していて、諦めたような空気を漂わせている。

 少女を動かしたのは、少年の意志。

 それに惹かれた少女が動く。

 正反対に位置する者が手を組めるのか。それが出来たとして、道は明るく照らせるのか。

 先のことなどわからない。

 わからないけれど、何もしなければ――動かない。

 ここで動くということは、進むと信じて闇の中にいた少女は動く。

 少女はずっと闇の中にいた。

 だが、ある日ある時間に、光の力で光の世界へ連れられることになった。

 それからか、少女が変わったのは。

 もしくは元々変わっていたのか。

 闇の彼女が光に自分から突っ込むなどありえないことなのだから。

 ……少女は再び闇の中へ帰ってくるのだろうか。

 先は見えない。闇、光どちらの結果になるかわからない。

最後です むしろこれからって感じもしますけど 最後です 1話から付き合ってくれた方がいたなら どうも誠にありがとうございます 次書く作品は 書いてよかったなみたいな作品にしたいです ふうう。

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