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19話

 ――声が聞こえた。

 気のせいじゃない。もう少しで暗闇になる世界。

 オレンジ色に染まった世界で小さな光が自分の前に現れた。

 下の方に。

「……」

 ニヤリと八重歯を見せて笑っている小さい子供がいた。

 なんだ、この金髪小僧は。

 吊り目がちで意地悪な印象を与える。

 人間の子供に興味はない。

 光と思ったのは、金髪だったのだ。

 何故かドキッとしてしまったじゃないか。

「お、おい、コラ、無視してんじゃない」

 踵を返して歩こうとしたら、後ろから悲鳴に近い声でかけられる。

 もうどうでもよくなり、無理矢理無視をしようとした。が。

 ピカッと光が背後で生まれた。

 その光は、布くらいの物質なら軽く焼くくらい出来る光で、エスは結界を無意識に張っていた。

「……」

 エスはくるりと振り返って、じっと子供を見た。

 子供はこちらが振り返って満足したのか、ふふんと得意げに笑う。

 今の光がこの子供の仕業なのは間違いなさそうだ。

 ……この子供は。しかも。もしかして。

 自分より幼い感じのこの子供が。

「犯人?」

 その時、子供の八重歯が光った気がした。

 信じられないこともない。外見で判断は出来ない。

 しかし、そうだとしても、何の為に?

「なぜ――?」

 それは。

 今日は挨拶のみ。

 次会った時に教えてやるよ、たぶん。

 光った。

 眩しくて目を閉じた。すぐに開いたが、すでにいなかった。

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