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永遠の未完作品  作者: 夜桜詩乃
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ごみ処理の結果

「ふ……ふははっ!! まさか、第一声がそんな事だとは……!! くくっ!!」

 目の前の男――飯島の親父らしい人は大声で笑い始めた。

 どういう事だと飯島に目を向けるが、飯島は唖然としているだけでどうやら役に立ちそうにもない。

「ひぃひぃ……いやぁ、失礼。想像していた言葉と違ったもので、ついつい大笑いしてしまったよ……改めて自己紹介でもしようか。僕は飯島いいじま 孝之たかゆきという者で飯島 恵の父親でおまけで飯島グループの社長をやってる男だ」

 飯島グループの社長がおまけなのか……。

「僕は神谷かみや 正樹まさきです」

「ああ、君の事はよく知っているよ。いつも恵がお世話になっているね」

「まぁ、色々と巻き込まれてはいますね」

 俺がそう答えると、再度大笑いを始める孝之さん。

 何だこの人、ペースがまったく掴めないな……。

「いやぁ、僕にそういう事を言う人が初めてでね……君は、恵に聞いていた通り面白い人間のようだ」

 おい、飯島 恵。そこで目を逸らすな。

 一体、どんな話を自分の親父に言ったんだ?

「そ、そんな事よりお父さん! どうして、こんなところにっ!」

 あ、飯島さんが話を逸らすために口を開いたぞ。

 まぁ、後でゆっくり聞き出せばいいか。

「ん? 恵が家に帰ってくるたびに話していた彼に興味が沸いてね。ちょっと挨拶をしに来ただけだよ」

「なっ、ま、毎日話してるわけじゃ……!!」

「そうかなぁ? 僕の記憶が正しければ、昨日は……」

「わーっ! わーっ! 言わなくていいです!!」

 何やら、飯島親子が言い合っているが、俺はというと学校に間に合うのか? という心配をしつつ、野良猫を眺めていた。

「まぁ、そういう事にしておこう……っと、時間だ」

 どうやら、話が終わったらしく、飯島(父)は帰るらしくどこかに電話をした。

 その電話を切るのと同時に、俺たちの正面に黒塗りの高級車が駐車する。

 来るの早すぎだろ。

「あ、そうだ……神谷君」

「はい」

 車に乗り込もうとした飯島(父)がこちらに振り返って俺の名前を呼ぶ。

 やっぱり、俺に何か用があったんだろうか?

「君の父親はよくやってくれてるよ。休暇を言い渡したら、喜ぶどころか逆に仕事を要求されるとは思っていなかったけどね」

 親父ぃ……!!

 何をやってるんですか。

「は、はぁ……すいません、ウチの親父がご迷惑を……」

「あっはは! 別にいいんだよ。やる気がある社員は大歓迎だからね」

 まぁ、元気にやっているならそれでいいけどな。

 でも、親父には少しでも休んでほしいわ。

「あぁ……あと一つ」

 飯島(父)の声のトーンが若干下がる。

 その顔は微笑んでいるはずなのに、どこか薄ら寒い物を感じた。

「ゴミは処分しておいたよ。では、よい学校生活を」

 そう言い残して、車に乗り込んで走り去ってしまう飯島(父)。

 ゴミってなんだ?

「っと、いけね! 急がないと遅刻するっ!」

 そう言って走り出した俺。

 後から無言でついてくる飯島。


 途中で、飯島に追い抜かされたのは言うまでもない。


「だぁ~……疲れた」

 どうにか予鈴ギリギリで教室に飛び込み、俺は自分の机に突っ伏していた。

 クラスメイトたちはそんな俺を遠目に見るだけで、直接何かをしようとしている感じはしない。

 上履きもちゃんとあったしな。

 どうやら、イジメとかに発展する感じではなさそうだ。

 そこまで考えた所で、教室のドアが開いて担任ではなく理科の先生が入ってきた。

 理科の先生は白衣を着ていて、メガネを掛けた姿が印象的だ。

 ちなみに、男性だ。

「えー……突然ですが、前の担任の先生は急に異動になりました。これからは、私が担任を務めます」

 その言葉にざわつく教室。

 だが、俺はそれ以上に机に思いっきり突っ伏した飯島の姿が印象的だった。

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