プルーストの香水瓶
芳しい生花の香りで満ちた小部屋
棚に並べられた透明な硝子瓶達
どんなに複雑な香りも再現出来るよう
番号の下には「友思う異国の海」なんて
ノスタルジックな名前がついている
調香師の天秤で香りは混ざり合い
溢れた香りは透き通る瓶を満たす
一番最後の香りも逃さぬよう
慎重に調香表を確認していく
香りが混ざれば混ざる程
複雑で高貴な香りが生まれる
香水瓶に閉じ込められた天使の香り
ヴェネツィアン硝子の光が描く世界
壁に映し出される幻想は華やかな色彩
優美で艶やかな造形がずらりと並べられ
小瓶に閉じ込めた「光射す花畑」からは
メルヘンチックな香りが出来上がる
調香師の天秤で蕾は花開き
彩る花弁は透き通る瓶を満たす
一番奥の香りも殺さぬよう
慎重に調香表を確認していく
天秤が傾き匂い立つ
繊細で素朴な香りが生まれる
色付き硝子に閉じ込められた天使の香り