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5 選択する使者
<geofu、あるいはそこに至るまでの前書き>
傷つき倒れた者に、彼の者は力を与えた
彼女に与えられたのは、”選択権”
四肢をもがれた彼女は、選ぶ力を得た
「選択する使者」
この足はいらないね。
人を蹴るような足なんて
この手はいらないね。
人を叩くような手なんて
この口はいらないね。
人を罵るような口なんて
この耳はいらないね。
人の悪い部分ばかり拾うような耳なんて
この目はいらないね。
人に濁った視線ばかり送るような目なんて
お前なんていらないね。
何にも良いこと無いもの
害しか生み出さないゴミなんて
燃えてしまえばいいのよ。
更生?
瀬戸際に立たせてから出る言葉を、
どれほど信じられるというの?
だからあなたは、
いらないね。
いらないわ