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12 偽神暗鬼
「信じない」
あの人たちの信じる神さまは、
あの人たちに寛容だ。
だって、
あの人たちが生み出した神さまなんだもの。
神の言うことは絶対って、
それってつまりは、
自分たちの言うことは絶対って言ってるのと
同じことよ。
だから私は信じないことにしたの。
神も、人も。
「等しく供物」
肉を揺らすイモムシは
先ほどまで黄金を弄んでいた。
明日の太陽に苦慮することもなく、
果実を頬張った罪があった。
ので、
もはや動くことすらままならなく
してやった。
第三の腕もない。
今は床と接吻を交わしている。
そのまま腐れ、地に還れ。
木々の養分へと変わるんだ。
お前の語る神も、それを望んでいる。




