11/12
11 癒えぬ苦痛に苛まれて
「因果応報」
堕ちろ、堕ちろ、堕ちろ。
お前が浮上してくるな。
救われるべき者が救われるべきなんだ。
意味もなく奪い続けた輩が、
上等な最期を迎えられるだなんて、
あっていいわけがないでしょう?
犯した代償を払わなければ、
浮かばれない、浮かばれないの。
臓腑焼く、冷たい炎が言っているよ。
『罪を許すな』って。
『苦痛を与えよ』って。
残念だったな、死に神は地獄をお望みだ。
亡者の手によって責められたまえ。
堕ちろ、堕ちろ、
堕ちろ。
「残された痛み」
振りほどけない痛みが
絶えず自己主張を続けている。
肉体の修復に逆らうようにして、
意思は腐敗を望んでいる。
地獄は容易く現われて、
儚い幸福を奪っていく。
輝くようなあの笑顔は、
腐った肉塊が狙っているから。
優しさに限界はあるけど
悪意には限界がないって、
最初に教えてほしかった。
我が物顔で走りまわる、
あの悪魔たちに言っておいてほしい。
あらんかぎりの苦しみの中で
絶望に塗れて、消えろ
って。
・書き残した日
「因果応報」2018/03/23
「残された痛み」2018/04/16




