第19階層 自分チート、じゃなくて他者チート
涼「俺がなるんじゃない、俺がさせるんだ」
夜中にダンジョンへ侵入者が現れること無く、無事に定休日の朝を迎えた。
朝食を摂るために全員が続々と集まって来るのを見ていると、なんだか少し安心する。
「それじゃ、いただきます」
俺の挨拶を皮切りに全員がいただきますを言い、食事を開始する。
今朝は戸倉手製のサンドイッチ。
パンに切れ目を入れて、育成スペース産の生野菜と味付け肉を挟んだだけの簡単なやつだけど、充分に美味い。
おかずは自家製ケチャップ付きスクランブルエッグと、こちらも育成スペース産野菜のスープだ。
「リンクス君、今日は顔色が良いですけど何かあったんですか?」
「はい! ちょっとイイ事が」
肌もやたらツヤツヤしているみたいだけど、昨日許可を出した件が理由だろうな。
朝からする話題じゃないから、あの女冒険者をどうしたのかは追及しないでおこう。
「せっかくの休みの日に悪いけど、アッテムと香苗はダンジョンギルドへ行くのに付き添ってくれ」
「は、はい!」
「オレもか? 分かった」
今日は入手した品と捕まえた冒険者を売るだけでなく、ケチャップとウスターソースの製造販売についての打ち合わせがあるから、どうしても人手が必要になる。
打ち合わせは俺が対応しなきゃならないから、売却はアッテムが担当して、香苗には連れて行く冒険者の見張りを頼んでおいた。
「ああそれとリンクス、午後の服屋との打ち合わせ用に試作品を準備しておいてくれ」
「はい!」
他の奴はせっかくの休みだし、好きに過ごさせよう。
用事を言いつけた三人も、用件さえ済めば自由にさせるつもりだ。
でないと定休日の意味が無いからな。
「じゃあ、今日はそういう事でよろしく。ごちそうさま」
このごちそうさまも、順調にここの住人達に浸透している。
広めたのは勿論、生産者側だったイーリアと食べるのに苦労していたローウィだ。
別に悪い事じゃないから、俺も放置している。
「それじゃあ、アッテムと香苗は時間になったら一緒に行くぞ」
「はい!」
「分かった」
さてと、出発まで副業の企画案でも練っておこう。
一度部屋に戻って、仮の副業企画案を手に考えに耽る。
内容そのものは自分なりに詰められたと思うけど、本当にこれでいいのかと迷ってしまう。
それに元の世界にしろこっちの世界にしろ、商売をする以上は色々と知識が必要になる。
ダンジョンはイーリアやアッテムの助言があるし、副業については既に商売をしているベアングのおっちゃんへ商品の提案をしただけ。
今日のオバさんとの契約が上手くいってもそれは同じだから、経営についてはノータッチで完全な丸投げ状態。
もしも自分で商売を立ち上げるのなら、そっち方面に詳しい人材を雇う必要があるな。
他にも色々と調べたり準備したりすることがあるだろうし、平凡な高校生だった俺にはちょっと厳しいかも。
元の世界には学生で起業する人がいたけど、今さらながらその人達が凄いって実感できる。
なんか新たな副業自体、やれるかどうか不安になってきた。
「これは一度、誰かに相談させてもらおう」
ちょうどこの後にオバさんと契約の話をするし、少し相談してみよう。
あの人なら、元の世界の料理知識で相談に乗ってくれそうだし。
「おっと、そろそろ時間か」
時間を確認すると、ちょうどいい時間だから企画書を片付けて準備を整える。
約束に遅れる訳にはいかないし、向こうより先に待ち合わせ場所に着いておいた方が印象が良いだろう。
いくら食欲優先の見た目幼女なオバさんでも、相手の方が格が上なんだから印象を良くしておいて損は無い。
「アッテム、香苗、行くぞ。奴隷にする冒険者を連れて来てくれ」
「はひっ!」
「おう、すぐ連れて来る」
捕まえた男冒険者を香苗達が連れて来たら、ダンジョンギルドへ向けて出発。
売却する品を入れたマジックバックは売却を任せたアッテムが背負い、香苗は男冒険者の首輪に繋がっている鎖を引いている。
元の世界なら明らかに異常なこの光景も、ダンジョンタウンでは日常茶飯事だから通行人達は誰も気にしていない。
ダンジョンマスターが荷物を部下に持たせるのも普通だし、奴隷を連れているのも普通だし、捕まった人間が売られていくのも普通だからだ。
(奴隷制度があった時代ってこんな感じだったのかな)
今さらながらそんな事を想いながら歩いているうちに、ダンジョンギルドへ到着。
来るのが早かったようでギルドはまだ開いておらず、同じように早く来てしまった人達が開くのを待っている。
その中にオバさんの姿は無いから、先に来ることはできたようだ。
「もう少しで開くだろうし、端に寄って待とう」
通行の邪魔にならないよう、ギルドの外壁近くに寄って開くのを待つ。
待つこと数分、職員が中から出てきた。
「お待たせしました。押しあわないよう、順番にお入りください」
職員に促されてギルドへ入り、売却のため受付に向かうアッテムと香苗を見送る。
まだオバさんは来ていないから貼り紙でも見て待とうと思っていたら、入り口の方からそのオバさんの声がした。
「おぉ、もう来ておったか。先に来ているとは感心じゃな」
後ろに犬耳の女性を引き連れて現れたオバさんに、ギルド内が少しざわつく。
「では早速じゃが、仕事の話といこうかの」
窓口で契約に関する書類を受け取り、適当な席で対面に座って打ち合わせは始まった。
まずはオバさんから土地の調査と予算会議の結果、どちらも見通しが立ったことから、正式に製造工房の計画が実行されることになったのを聞かされた。
大前提となる部分の目処が立ったのは何よりだ。
そこが駄目だったら、今回の話自体が白紙になるんだから。
「では、残るは契約内容を詰めるだけですね」
「そうじゃな。まずは双方の利益配分についてじゃが」
ここからは本格的な打ち合わせに入り、配分の割合を始めとした契約内容を詰めていく。
やる事が多いし金も使うから、向こう側に有利な条件で纏めようと意見を述べていたら、エリアマスターが新入り相手にケチ臭いことできるかと言われ、少しだけこっちの旨味を上乗せされた。
「謙虚なのは悪くないが、程度が過ぎると悪い輩に付け込まれるから注意するのじゃぞ」
ご指導ありがとうございます。
そういう訳で時折小言を貰いつつ内容を詰め、どうにか双方が納得できる契約書が完成した。
「これを提出したら、その後は住人管理ギルドですね」
「いや、今回はダンジョンマスター同士での契約じゃから、向こうには書類を提出しなくて良いのじゃ」
へえ、そういう仕組みになっているんだ
頷きながら契約書に署名と血判を押す。
血判を押すために作った傷には、ユーリット特製の軟膏を塗っておく。
「これで契約成立じゃな。今後とも、長い付き合いを頼むぞ」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
席を立ってしっかり握手を交わし、話が纏まった事に一安心する。
あっ、そうだ。副業について話を聞きたいんだった。
「すみません、ちょっと相談に乗ってもらいたいんですが、時間はありますか?」
「相談とな? 構わん、話してみよ」
席に座り直し、他所へ委託せずに自力で新たな副業を始めることを考えているものの、経営を始めとした多くの不安点があって、そもそも自力で副業を行うこと自体に不安を感じたことを話した。
腕を組んで相槌を打ち、最後まで話を聞いたオバさんはずっと黙っていた口を開く。
「なるほどの。そういう気持ちは自分で商売を始める時、誰もが思う気持ちじゃな。じゃが我から言わせれば、結局はやってみなきゃ分からん」
いやまあうん、極論すればそうなんだろうけどさ。
「どれほど入念に準備したからといって、必ず成功するわけではない。逆に最初は分からない事だらけで失敗ばかりしようとも、その都度学んで修正して改善することで成功を収めることもある」
「それは……。そうなんでしょうけど」
「不安になるのは分かる。じゃが、やらないうちから不安になっても仕方あるまい。まずは決めるのじゃ、失敗を恐れて現状維持を選ぶか、失敗を恐れず行動するか。不安に立ち向かうかは、行動すると決めてから向き合え」
まずは決断することか。
これはあれだ、ダンジョンの方針を決める時と同じだ。
侵入者がいなくなろうが構わないとと決めたように、こうやるって決めなくちゃ始まらない。
どうやらダンジョンの方針を決める前と同じく、芯がしっかりせず揺れていたから余計な不安ばかり浮かんで、やるかやらないかを決められんかったようだ。
だとしたら……やろう。
侵入者がいなくなっても副業でなんとかするって言ったんだ、やるだけやってやる。
「助言、ありがとうございます。案が固まったらやってみようと思います」
「そうか、頑張るのじゃぞ。ちなみに、どんな商売を考えておるのじゃ?」
「元いた世界の食品に関することを考えています」
競馬も考えていたけど、場所や馬の確保や世話、さらには胴元を務める点を考慮すると大変そうだからやめておいた。
「ほうほう、それは興味深いの」
よし、喰いついて来た。
これで何か困ったことがあったら、相談くらいは乗ってくれるだろう。
「マスター、さん。売却、が、終わりまし、た」
おっと、売却の方が終わったか。
差し出された明細書を受け取って確認すると、おおよそ見積もり通りの値段で買い取ってもらえていた。
「売却ということは、ダンジョンへ侵入した輩の品か」
「えぇ。Dランクの冒険者も複数いたんですけど、楽勝でした」
ちょっと自慢気にそう言うと、オバさんの表情が怪訝なものに変わった。
「ちょっと待て。ヒーラギよ、ダンジョンのランクはいくつじゃ?」
「ランクですか? 二ですけど」
「ランク二で召喚可能な魔物で、Dランク冒険者を相手に楽勝じゃと?」
「鍛えてますから」
「だとしても信じがたいの。ランク二で召喚可能な魔物でもDランク冒険者に勝てないことはないが、楽勝とまではいかないじゃろ」
それは鍛え方の問題じゃないかな。
イーリアから聞いた話だと、うちのダンジョンみたいな鍛え方は特殊みたいだし。
「だとすると……。ヒーラギは従魔強化のスキルを習得しているのか?」
名称からして魔物を強化するスキルなんだろうけど、そんなスキルは無かったな。
「いいえ。前に調べた時、そんなスキルはありませんでした」
「前に調べた時、というのはどれくらい前じゃ」
えっと確か、最後に調べたのは。
「ここへ来て二日目、ダンジョンギルドのギルドマスターへ挨拶に行った時ですね」
それ以降は自分のスキルを調べていない。
「ひょっとすると、従魔強化のようなスキルを新しく習得しているのではないか? でなければ、いくら鍛えているとはいえ納得できんのじゃ」
あれから約一ヶ月半は経っているから、その可能性は無いとは言い切れないか。
少なくとも、雷魔法のスキルは習得しているはず。
「一度確かめてみたらどうじゃ? 何の拍子に、新しいスキルを習得しているか分からんからの」
別に減るものじゃないし、調べても損は無いか。
「アッテム、帰ったら調べてもらえるか」
「は、はい! 承知、しました」
「うむ、よろしい。ではヒーラギよ、我も予定があるからそろそろ良いかの」
「分かりました」
こっちも午後には予定が入っているから話を切り上げ、窓口へ契約書を提出。
無事に受理されたら、最後にもう一回握手を交わしたら互いに帰路へ着く。
特に寄り道もせずダンジョンへ帰ると、全員がリビングに集まって雑談をしたり、五目並べをしたりしていた。
「ただいま」
「お帰りなさいませ。契約はいかがでしたか?」
「問題無く交わせたよ。これはその写しで、こっちは今日の売却品の明細書な」
出迎えてくれたイーリアへ、マジックバックから取り出した契約書の写しと明細書を渡す。
「写しの方は厳重に保管しておきます。明細書の内容は、いつも通り帳簿へ記載ですか?」
「ああ、頼む」
マジで優秀で助かります、イーリアさん。
改めてそれを実感していると、後ろにいるアッテムから声が掛かった。
「あ、あの、解析の、準備、してきます、ね」
そう言い残して部屋へ向かうのを見送る。
「誰の解析をするの?」
「俺だ。実はダンジョンギルドでな」
戸倉からの質問にオバさんとのやり取りを説明したら、皆が興味を示して雑談も五目並べも止めてこっちへ注目しだした。
用事を済ませようとしていたイーリアも、作業を後回しにして解析結果を見ようとしている。
やがてアッテムが解析に使う水晶玉を手に戻って来ると、視線が水晶玉へ集まる。
「で、では、いきます」
注目が集まっていることでやや緊張気味のアッテムは、目を閉じて解析を始める。
どんな結果が出るのか注目が集まる中、突如アッテムの声が響く。
「ひゃあぁぁぁぁぁっ!?」
驚いた様子で目を見開き、普段からは考えられない大声を上げた様子に、こっちまでちょっと驚いた。
「ど、どうした?」
「ななななな、なんですかこのスキルは!」
そんなに驚くほどのスキルがあったのか?
一体どんなスキルなんだ。
「イイ、イーリア、さん。魔石盤、を、貸して、くだ、さい」
「え? えぇ、分かったわ」
一旦司令室へ入ったイーリアが魔石盤を手に戻ってくると、解析結果を表示させますと言ったアッテムが右手を水晶玉へ、左手は魔石盤にかざす。
ほんの僅かに光ったと思ったら手を離し、魔石盤を操作していく。
「し、調べたら、ここ、こんな、スキル、が」
どんなスキルなんだと、全員が表示された情報へ目を向けた。
名前:ヒイラギ リョウ
種族:人間
性別:男
スキル:料理 索敵 回避 指導 使役 雷魔法 従魔覚醒【新】 統率
固有スキル:異界寄せ
「ししし、新種スキルッ!?」
うおっ、イーリアが驚いたのは久し振りだな。
ていうか新種スキルってことは、魔物の新種認定と同じようなものか?
「マスター、さん。新種、新種スキル、ですよ」
「過去に誰も習得した事が無い、新しいスキルです。この【新】っていうのが目印です」
目印は分かるよ。【未】とか【封】と同じだろうから。
でもこの従魔覚醒って、どんなスキルなんだ?
「詳細を調べられるか?」
「可能です。このスキル自体に解析をかければ、効果と習得方法が分かります」
おっと、アッテムが饒舌モードだ。
かなりテンパッてるようだな。
「調べられるのなら頼む」
「分かりました」
すぐにアッテムは解析を開始して、またも驚きながら解析結果を魔石盤へ表示してくれた。
従魔覚醒:従魔強化スキルの上位スキル
効果
従えている魔物の能力とスキルの熟練度を倍加
従魔を一度でも鍛えていれば自動で効果を発揮
倍加の数値はこのスキルの熟練度と共に上昇
数値の最小は二
習得方法
従魔強化スキルを習得済みであること
魔物を百体以上従え、使役スキルで心を通わせる
指導スキルを用い、一定期間以上鍛える
それにより従魔強化が進化し習得
「倍加……だと?」
プラス補正どころか倍加補正ってなんだよ。
「ど、どうりで、ランク一や二の魔物にしては強すぎる訳です」
「てっきり、訓練、の、成果、だと、思ってま、した」
俺だってそうだよ。
こんなスキル、誰が予想できるかって。
「というか俺、いつの間に従魔強化スキルを習得していたんだ?」
「え、えと、解析による、履歴による、と、魔物を、鍛えて、二集目、辺り、です」
履歴まで調べられるなんて、解析スキルは便利だな。
「指導スキルで的確な指示を出して訓練をさせていたからでしょうね。使役スキルで意思疎通も取れてましたから、訓練自体もスムーズに進んでいましたし」
そして気づかないうちに従魔強化を習得して、いつの間にか従魔覚醒へ進化していたってことか。
意図せずして偶然習得していたとはいえ、まさかこんなスキルがあるとは。
「この、スキル自体、は、ダンジョン、開きの、二日前、に、習得、してい、ます」
ということは、ダンジョン開き初日から魔物達の力は倍加されていたのか。
そりゃあ、侵入してきた連中が悉く全滅する訳だ。
やらせていた訓練の成果ってだけじゃなく、このスキルで強化されていたからなんだな。
「凄いですヒイラギ様! まさかこんなスキルを習得されるなんて!」
このスキルに関しては完全なマグレだから、そんな崇拝の眼差しを向けられても困る。
「スキルの習熟度に応じて二倍、三倍と強化されていくのかよ。勝てる気がしねぇな」
「さすがは柊君。パチパチパチ」
香苗の意見には同意するけど、戸倉は何をもってさすがなんだ。
そして拍手しながら口でパチパチされても、ちっとも嬉しくない。
「柊君、柊君。この調子でカオスでチートな最強ダンジョン作ろう!」
先生の鼻息がやたらと荒くて、目がキラキラしている。
個人的にチート系は好きじゃないんだけど、なっちゃったものは仕方ないか。
ただ、防衛のために最強ダンジョンを目指すのは賛成だ。
「ところで今の熟練度だと、魔物達の強さは何倍に強化されるんだ?」
「え、えと、現在は四倍です」
「四倍って……」
こうなったらもう開き直るしかないな。
ダンジョンを守るために幸運が転がり込んできた、そう思い込んでおこう。
「ちょうどいい機会だ、全員のスキルをチェックしておこう」
さすがに従魔覚醒のようなぶっ飛びスキルは無いだろうけど、確認をしておいて損は無い。
皆も賛同してくれて、順番に解析スキルで調べていく。
その内容はイーリアが書き写してくれた。
名前:ヒイラギ リョウ
種族:人間
性別:男
スキル:料理 索敵 回避 指導 使役
新スキル:雷魔法 従魔覚醒【新】 統率
固有スキル:異界寄せ
名前:イーリア
種族:ダークエルフ
性別:女
スキル:農耕 料理 鑑定
新スキル:看破【未】
名前:リンクス
種族:インキュバス
性別:男
スキル:性技 魅了魔法 調教(奴隷) 裁縫
新スキル:変装
名前:ローウィ
種族:狼人族
性別:女
スキル:剣術 槍術 盾術 棒術 拳術 料理
裁縫 掃除 運搬 解体 農耕 採取
新スキル:指導
名前:アッテム
種族:魚鱗族
性別:女
スキル:解析 看破 隷属
新スキル:料理【未】
名前:ユーリット
種族:カーバンクル
性別:男
スキル:火魔法 水魔法 鑑定 調合 採取
新スキル:解析【未】
名前:フェルト
種族:人間
性別:男
身分:奴隷
スキル:弓術【封】 潜伏【封】 解体 索敵【封】
新スキル:掃除 運搬【未】
名前:ミリーナ
種族:人間
性別:女
身分:奴隷
スキル:治癒魔法 応急処置 解呪 掃除 料理
新スキル:整頓
名前:ミヤタ カナエ
種族:人間
性別:女
身分:奴隷
スキル:拳術【封】 蹴術【封】
新スキル:掃除【未】
名前:トクラ アオイ
種族:人間
性別:女
身分:奴隷
スキル:料理 追跡【封】 潜伏【封】 操車
新スキル:掃除【未】 整頓【未】
名前:サトウ シズク
種族:人間
性別:女
身分:奴隷
スキル:鑑定 精密作業 調合 採取 整頓
新スキル:掃除【未】
調べた結果、全員が何かしらスキルを習得、または習得しようとしているのが分かった。
しかし、なんでリンクスが新たに習得したスキルは変装なんだ。
他の皆は仕事の内容やここでの生活から、まだ分かるんだけど……。
これはあれか、先生の知識を基にコスプレ紛いの格好を色々としていたからか?
「変装スキルって……」
「もうすぐ解析スキルが身につくのか。漢方を研究していたからかな?」
「看破スキルですか。役立ちそうですね」
「やった、指導スキルを習得できた!」
「よ、四つ目、の、スキル、だぁ」
リンクスはちょっと納得していないようだけど、他は概ね新しいスキルに喜んでいる。
実を言うと俺も嬉しい。
(この調子でダンジョンも成長させていかないとな)
ここでの生活を守るためにも。