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プロローグ

 人を善人と悪人で分けるとしたら、その基準は一体どこにあるのだろう。


 俺はどちら側の人間だろうか。


 きっと、どちら側の人間でもない、曖昧な存在だ。


 善人がいいに決まっているが、もう善人にはなれない。


 一度犯した過ちは、どうしたって消えはしない。


 どっちつかずの俺は、一生このまま半端物として生きていく。


 そう思っていた。


 あの島で、あいつに、あいつらに会うまでは。


 このサークルには、聖人のような善人も、悪逆非道の悪人もいらない。必要なのは――


 そして俺は、生き方を変えた。

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