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しるし(詩集)

汚色

作者: さゆみ


川の水面が微かに揺れる

それは鱗を真似る

死んだ川は自らを魚に化して

寂しさを緩和する

見つめた僕はただの通りすがりで

死んだ川に興味はない




桜の葉は枯れてしまった

縮れ上がった落ち葉は

渇いた色で名残を叫ぶ

僕は惜しみなく踵を下す

落ち葉がグサッとないた

僕には来たる春は見透せない




彼は寂しさをギャンブルで垂れ流す

溢れ出る快楽は

刹那に消える

激痛の嘲笑い

血走った目は虚像を積む

僕は彼の曲がった背中を見ながら左折した




彼女は寂しさを溜めこむことで

それを安心に置き換えた

ドレスやバッグに靴

ペットボトルにカップ麺

部屋を埋め尽くす安心に上限はない

僕は彼女の横腹を通り抜ける

足の踏み場などない





鏡の先で僕を見かけた

死んだ魚の目をしていた

きれいな水が飲みたい









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― 新着の感想 ―
[良い点] ふーん。五連で構成されているけど、二連目、枯れた桜の葉とすれば、些細ですけど連がすべて「か」で始まりますよね。そして死んだ川は川は死なないから擬人でいいんですけど少しふんわりとさせるには死…
[一言] 最後の三行が好きです(^-^)/ 死んだ魚の目…の例えが好きです。 女性だと、寂しさを埋めるために物を買い込むのにはとても共感しました。
2013/09/02 21:17 退会済み
管理
[一言] 自然を使った表現の仕方が好きです(^^) ほんのりと夏の終わりのような寂しさを感じました 優しい言葉も鋭い言葉も綺麗に使い分けられる所が、すごいなぁと思います‼ 素敵です♪
2013/08/31 20:59 退会済み
管理
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