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愛の鎖

作者: 尚文産商堂

彼と私とは、赤い糸なんて弱いものじゃなくて、鎖みたいな強いつながりがある。


出会ったのは、もうずいぶんと前のこと。

確か、中学校だった。

あの頃の私たちは、親しいというわけでもなかったけど、同じクラスということもあって、知り合いではあった。

それから時が経って、クラス持ち上がりで3年生まで来た。

持ち上がりっていうことは、クラス替えをすることがないということだから、1年生の時と同じ面子で、同じような友人や部活の友達と過ごしていた。

そんなときだった、彼が私のそばに来て、教室の真ん中で、みんながいる目の前で、私が好きだと告白をした。

いったいこの人は何を言っているのだろうかという思いが先に来て、告白を受けたということは、頭が受け付けなかった。

でも、それがきっかけで、私は彼と付き合うようになった。


高校へ入学してからも、この関係は続いた。

なにせ、みんなの目の前で告白を受けたものだから、みんな知っている事実だ。

だから、女子から男子への橋渡しも、私がすることになった。

そのためだろうか、私たちの周りには人が絶えることはなかった。

そこから私は、生涯の仕事の方向性を見出すことができたわけだけど、それはここでは話すようなことじゃないから、省いておく。


大学へ入るころになれば、ほかの人たちにもカップルが増えてきたから、私たちに頼るっていうことは少なくなった。

私たちも余裕が出てきたおかげで、あちこちに遊びに行くようになった。

その途中で、私は気づいた。

彼と出会ったのは、赤い糸のような柔いものではなくて、紅き鎖で、私たちはつながっているのだと。

何度も何度も、前世で経験したであろう、この恥ずかしさや楽しさというのは、きっと彼も感じているだろう。

だから、私は彼と一緒にいる。

鎖が錆びるまで。

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