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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

独りの蟲毒

掲載日:2025/10/10

 ああ、孤独が迫ってくる。歩いて、走って、飛んで。

 生きているものが遠くへ行くように、孤独は此方へ迫る。大事な人が悲しい顔で遠ざかるのをどんなに此方が呼び止めようと手を振って去っていくのに、孤独はどんなに拒んでも笑顔で手を振って向かってくる。

 

 ああ、孤独が迫ってくる。悩み、泣いて、恨んで。

 死にゆくものを生き長らえさせる事が冒涜なのをしって、孤独は此方に迫る。大事だった物が知らぬ顔で塵になるのを見ながら、孤独は手を取る。

 

 ああ、孤独が迫ってくる。切って、喚いて、それで。

 蟲が産まれてから独りで生きるように、人も老いて一人で死ぬ。九十九匹は孤独とは無縁でしょう、みな死に逢えたのですから。最後の一匹は不幸とは無縁だろう、一人寂しく生き残れたのだから。


 ああ、孤独が迫ってくる。泣いて、笑って、なんで。

 病で孤独を孕んでも、孤独は此方にはこない。輪を囲む仲間を一人壊しても、また一人壊れても素知らぬ顔で過ごすのは。


 ああ、孤独が迫ってくる。止まって、歩いて、叫んで。

 傘を忘れた。雨に濡れる。何思って振り返ったのか。万雷の喝采は孤独の産声のように濡れたアスファルトにさへ此方は写らない。


 ああ、孤独が迫ってくる。殴って、踏み抜いて、すり潰し。

 吸殻は、フィルターだけが蟲に見向きもされずに取り残される。ネオンの照らす町の明かりが落ちたなら、煙草の火さへも此方を照らさない。


 ああ、孤独が迫ってくる。痛がって、よがって、倒して。

 誰かを抱いても、朝はベッドで一人で起きた。酒を煽り損ねて殻の瓶を見れば怒りが湧いてくる、だから酒瓶を投げるのでしょう。だから、部屋に反響する孤独が此方を追い詰めた。


 ああ、孤独が迫ってくる。立って、座って、横になる。

 布団の中を蠢く蟲になった。蟲は分解されて無になるのに、理不尽にも土にさへ拒絶され骨だけが残り続ける。密閉された四畳半の箱の中、名すら誰にも忘れられ床の染みに。

 


 ああ、蠱毒が迫ってくる。飛んで、拒んで、恨んで、それで、なんで、叫んで、すり潰し、倒して、横になる。

 

 ああ、あなたが孤独か。焼かれ、砕かれ、すり潰されて、蓋が閉じる。

 ああ、そうなのか。独りの蟲毒の壺に収められたのか。

 















はい。どうも始めましたイーサンです。前回エタった作品を読んでいただいてくれた数千人の方はお久しぶりです。

Z世代の蟲がリビドー全開で、ℤ世代に蔓延る病を言語化しました。なろうにあるまじき暗さで申し訳ありません。どうしても書きたかったんです。あるテレビ番組にて、終活を始める割合ランキングが紹介されていまして、Z世代を含んだ20代が2位という悲しい結果を目にしました。駆り立てられたと言えば聞こえはいいですかね、私たちを知ってほしいと思って執筆した次第です。


これを見た方が、Z世代へ寄り添ってくれるならZ世代という言葉はなくなると思います。

Z世代の方は、すぐに他人を信用してかかりつけ医を見つけてください。


長々と失礼しました。最後に、此方にはあなたの場所はありません。この壺は独り用です。あなたにはあなたの家族が用意した壺があるのだから。


2025/10/10 前置きを消しました。表示形式を変更、読みやすくしました。一部文章校正、気に食わない部分を直しました。


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