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黒の魔女  作者: 希望無人
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2話 剣士と樹人

 ——魚を釣るには、いくつかコツがある。


 まずは気長に待つこと。

 焦ってはならない。ゆっくりどっしりと構えて機を待つ。

 そして第二に集中すること。

 チャンスが訪れても、それを逃してしまっては意味がない。神経を張り巡らせて注視すべし。

 最後に、緩急をつけること。

 機が訪れた時は大胆に——


「…………」


 あ、と声を漏らす。

 不発だ。釣り糸の先につけていた餌だけ持って行かれている。


 俺は眉を寄せた。


 ——どうにも、あれからあの手紙のことが脳裏をよぎるようになった。


 それもこれも、爺さんが変なことを口走ったせいだ。


「後悔の無い選択、か……」


 俺は懐から、大事に取ってあった紙切れを取り出した。

 そこには、熊みたいに大きな体躯の男と、その腰元にも及ばない背丈の少年が写されている。


 俺を蔑んできた父も、実のところ初めは優しい、どこにでもいるようなオヤジだった。

 

 いつからだろうか。父が俺を出来損ないと貶すようになったのは。

 剣を初めて持った時だろうか。あるいは、いくら鍛錬を積んでも成長しないと気づいたあの日だろうか。

 

 今でも時々思い出す。

 遠い昔の日々を。


 ——それでも、過去は過去。


 過ぎ去ったことに価値はない。俺は決別に文句はない。


 いいケジメの付け時だ。向こうから絶縁の話を持ち出してくれたのはむしろありがたかったと言える。

 

 それよりもこれからのことだ。


 最近、魔獣の群れをよく見かけるようになった。

 山頂から下ってきているらしい。


 こういうのは、たいてい()()の前兆だ。

 野生生物には特有の勘があり、こういう異常な反応を見せる時は決まって不吉なことが起こる。


 少し、注意を払っておかないといけないだろう。




 手紙が届いてから一週間が過ぎた夜。

 

『——アルトは、いつも肉を食っておるな』


 夕食を調理していると、不意に爺さんが話しかけてきた。


「そりゃあ、人間だからな。肉を食ってないと生けてけない」


『ほお、では、一体どんな味なんじゃ?』


「どんな味って……肉の味だよ」


 随分と答えづらい質問をしてくるものだ。

 というかトレントには味覚がないから、味に例えても伝わらないだろう。


 爺さんはしばらく鍋の肉をじっと見つめると、物欲しそうな顔を浮かべた。


「……はあ、爺さんも、食うか?」


『いいのか?』


「まあ、自分だけ食ってるってのもなんだしな」


 俺は獣肉を半分に割いて、片方を投げた。

 爺さんはそれを器用にキャッチして、物珍しそうに目を細めた。


 それを横目に、俺は早速と齧り付いた。

 脂身がはじけて、甘美な旨みが口を満たした。


 ……美味い。

 美味いが、しかし一年間もこればかりを食べ続けていると流石に飽きてくる。


 塩も無い、コショウもない、当然、宮廷料理人の特製ソースもない。

 山籠り生活の数ある不利益の一つだ。


 ややあって、爺さんは見よう見まねで肉を口元に放り込んだ。

 ガリガリと木が擦れあうような音がする。


 こんなおどろおどろしい咀嚼音は生まれて始めて聞いた。


『うむ……人間の食べ物は、よく分からぬな』


 樹人は珍妙な顔でそうつぶやいた。

 そりゃあ味覚がないんだから分かるわけがないだろう。


『……じゃが、お前と同じものを食べるのは心底心地が良い』


「なんだよ、それ」


 珍妙な顔で珍妙なことを言われてもよく分からない。


 ただ、爺さんは珍しくご機嫌そうにしていた。

 まあ、当人の気分がいいならそれでいいかと思った。


 =====


 二週間後。

 急激に肌寒くなってきたのを感じた。


 冬の訪れだ。一年前もこんな感じで寒波が到来していたのを覚えている。

 動物の中には冬眠を始めるやつもいて、いつもより森が静かに感じる。


 ……魔獣の喧騒だけは絶えないが。


 俺はテントの中を整理していた。


「薪はできるだけ集めておきたいな……」


 寒い冬を乗り越えるために、体を温めてくれる存在は必須だ。

 湿気で使い物にならなくなった枝を選別しながら、ガチャガチャと持ち物を整える。

 こういう作業は、存外嫌いではない。


「火打石は……なくてもいいか」


 魔法が使えるようになってから、こういうアイテムを使う機会はめっきり減ってしまった。

 逆にかさばるから捨ててしまおうかと思うほどだ。


 便利なのはいいことだが、それに頼り切りになってしまうのは気をつけたいところだ。


 一通りの整理が終わった。


「これだけ枝があれば、しばらく薪には困らないだろう」


 前回の冬もこれで乗り越えられたし、問題はあるまい。

 と、そんなことを思っていたところ。


『水を差すようで悪いが、そんなものではここの冬は乗り越えられんぞ』


 爺さんが唐突にそんなことを言い出した。


「なんだよ、急に。去年はどうにかなっただろ」


『…………』


 爺さんは複雑な表情を浮かべた。




「…………」


 俺は絶句した。


 ——なんだ、これは。

 

 視界中を埋め尽くす霧と吹雪。

 たちまち足元を氷つかせていく極寒。


 写真越しに見れば神秘的なこの景色も、現場からしてみればたまったものではない。

 気づけば脛の辺りまで雪が侵食している。


 なんなんだ、これは。

 と、再び問う。


『この森の名物、理不尽な殺人寒波じゃな』


「ど、どうして……去年はこんなことになってなかっただろ」


『それは運が良かっただけじゃ。寒波が来る年と来ない年があるからな』


 俺は地面に膝をついた。


「それを、先に言ってくれ……」


 ——ともかく、絶望に明け暮れている場合ではない。


 どうにかまともに生活できるだけの領域を保たなければ、俺はこのまま凍えて死ぬ。

 それだけは阻止しなければならない。


 とりあえず手始めに、薪に火を灯せるか試みてみる。


『ファイア』


 初級の炎魔術の呪文を唱える。

 

 ボッと音を立てて、炎が出現した。

 しかし次の瞬間、ジュッとその炎は吹雪にかき消される。


 なんて儚い……!


 次々と覆い被さってくる雪に、炎が力負けして瞬く間に消火されてしまう。

 よしんば中級威力の炎を出したところで、薪が全滅しているため着火しない。

 

「テントももう使い物にならない……」


 俺の拠点は、今や氷雪に埋め尽くされかつての姿は見る影もない。


 暖も取れない、寝床も使えない。

 着実に死への条件が揃いつつあった。


 ……寒い。


 一番困窮したのは、夜になってからだった。

 日が沈んで外気はますます凍てつくような寒さを纏い、無防備な俺の体を氷漬けにしようと襲いかかってくる。


 ——これ、寝たら死ねるよな。

 この極寒の中だ。一度目を閉じて意識を手放せば、永遠の眠りにつくことになるだろう。


 流石に冷や汗が垂れてきた。

 冷たい雪の上に座り込んで、体をすくめる。


「爺さん、この寒波って、どれくらい続くんだ?」


『分からん。一日で終わることもあれば、一週間経って続くこともある』


「なるほどね……」


 前者であることを願うばかりだ。


「ところで……爺さんは大丈夫なのか……?」


『ワシを舐めるでない。三百年生きていた大樹の精霊じゃぞ、これくらいの吹雪、どうということはない』


 樹人は自慢げに言った。

 今ばかりはその体が羨ましいと思った。


「…………」


 しばらく沈黙した俺を見かねてか、爺さんは唐突に口を開いた。


『アルト、こっちに来なさい』


「なんだよ、今の俺は一歩動くのも億劫なんだが」


『いいから、来るんじゃ』


 しつこいな、と呟きつつ仕方がないので移動する。

 そばまで行くと、爺さんは微かに息を吸い込んだ。


「……爺さん?」


 直後、優しい息吹が吹きすさんだ。

 雪が散り、暖かい空気が肌を撫でる。


 樹人の枝先から葉が茂り、降雪をしのぐ傘となる。

 同時に地面から熱気が湧き上がり、たちまち降り積もっていた雪が溶けていった。


 これは——


「精霊力……」


 根本からたちまち温もりが溢れ出してくる。

 久しぶりに、心底ホッとした気分になった。


『どうじゃ? これで暖かいだろう?』


「……爺さん、こんなこと出来たんだな」


『ワシは三百年を生きてきた大樹の精霊じゃからな』


 爺さんの自慢げな表情は相変わらずだ。


 しかし、そんな安心も束の間、腹がぐうと鳴る。

 そういえば何も食べていなかった。空腹になるのも無理はない。


 ただ……


「薪が全滅してるから、火が起こせないな」


 食料自体はあるものの、火が起こせなければ調理もできない。

 こんな状況でも、生の肉を食べるのはごめんだ。


 今日のところは我慢しておくか。

 と、爺さんが徐に口を開いた。


『薪が無いのなら、ワシの枝を折って使いなさい』


 頭の方を指さすトレント。

 

「良いのか?」


『子供が遠慮をするな。いくらでもくれてやる』


「……俺は子供じゃない、もう十六だ」


『そうか、ワシからみれば赤子も同然じゃな』


 減らず口の無くならない奴だ。

 しかし、その申し出はありがたい。


 俺は樹木の頭から枝をいくつか折って地面にくべた。


『ファイア』


 今度は着火する。

 精霊力に満たされた枝は、普通のものよりよく燃えた。


 

 

 空腹の腹を満たすと、途端に眠気に襲われた。

 地面からの温もりも相まって、油断すれば瞼が閉じそうになる。


「爺さん、俺はもう寝るよ」


 大樹に背中を預けて座り込む。

 トレントの幹は精霊力が脈を打ち、生命の鼓動を感じた。


『アルト、少し話に付き合ってはくれないか?』


 爺さんはしゃべり足りないとばかりにそう言った。


 本当はすぐにでも眠りにつきたいところだったが、今は話に付き合ってやるくらいやぶさかではなかった。

 ややあって爺さんは話を切り出した。

 

『ワシはな、マルガの花をもう一度見たいんじゃ』


「花を見たい? なら、見れば良いだろう」


『その花は春にしか咲かんのじゃ。冬を越えなければならん』


「なんだよ、まるで冬を越えられない見たいな言い方だな」


 すると、爺さんは物悲しそうに首肯した。


『その実、越えられぬかもしれない。感じているんじゃ、寿命の限界をな』


 何者も命の限界から逃れることはできない、と爺さんは言った。

 いつも能天気な爺さんにしては、妙に辛気臭い声色だった。


「馬鹿なこと言うなよ。お前は三百年生きた大樹の精霊なんだろう。それなら、三百年も三百一年も変わらないだろ」


 そう言うと、爺さんは少し驚いたような顔をした。


『そう、じゃな……全くもって、お前の言う通りだ』


 フッとトレントは笑う。


『冬を越えるくらい、このワシにも造作もないことじゃったな』


 やがて、沈黙が訪れる。

 瞳を閉じようとして、逡巡する。


「まあ、その、なんだ……」

 

 しばらくして、俺は少し悩んでから、思っていたことを言うことにした。


「爺さん、今日はありがとう……助かったよ」


『子供がそんなことを気にするでない』


 俺は、子供じゃ無い。

 そう言い返すよりも前に、意識が遠ざかっていった。




 目を覚ますと、手元がくすぐったいことに気づいた。


 見ると、白い毛の狐が丸くなって眠っていた。

 どうやら、トレントの精霊力に引かれてやってきたらしい。


 狐の背を撫でながら、顔を上げる。


 同時に目に映り込んだ光景に、俺は息を呑んだ。


 吹雪は止み、太陽の光が差している。

 辺り一面は雪に覆われ、その上をリスが足跡をつけながら駆けていった。


 物語の中から飛び出してきたかのような、真っ白な白銀世界。

 俺はしばらくその景色に目を奪われることとなった。


「爺さん、吹雪が止んだぞ」


 木の幹に手を当てる。


「……爺さん?」


 しばらく経っても返事がかえってこない。

 訝しんで再び叩いてやると、微かに枝が揺れた。


『ああ、すまん。少し呆けておった』


「大丈夫かよ、爺さん」


 そう尋ねると、爺さんは神妙な表情を浮かべた。


『それが、実は大丈夫ではない……』


「どうした、どこか悪いのか?」


 すると、俺の声を遮って頭部の方を指さされる。


『雪が積もって重たい……』




 枝先を叩くと、パラパラと粉雪が散った。

 地面には落とした雪が山を作っている。


「こんなもんでいいか?」


『ああ、随分と良くなったぞ』


 精霊力で体積を増やしていた分、積もっていた雪の量もなかなかのものだった。

 本当に世話のかかる爺さんだ。


 地面に降り立つと、爺さんが「そういえば」と思い出したように言った。


『ワシが精霊力で生やした葉っぱ、そのうち大量に落ちてくるから、片づけは頼んだぞ』


 ワシは手が短くて届かんからな! と調子のいいことを言う。


「…………」


 本当に、世話のかかる爺さんだ……


 ちなみに、葉っぱの掃除は死ぬほどめんどくさかった。


 =====

 

 寒波が訪れてから二週間が経った。

 以前として雪は降り積もったままだ。


『——アルト、ワシらは非常に重要なことを忘れておる……!』


「何だよ、突然……」


 爺さんは鬼気迫る勢いで語る。

 すると、肩にボスッと何かが当たる音が鳴った。


「何の真似だ」


『フン、わかっとらんな、アルト。雪が降ったのならしなければならんじゃろう——雪合戦を……!』


 続け様に雪玉が飛んできた。

 俺はそれを腕で防ぎ、イタズラな顔のトレントを視界に収めた。


「あのな、俺もお前ももう子供じゃないんだ。こんな雪遊びなんて——」


 言うよりも先に顔面目掛けて雪の砲撃が飛んできた。

 

 なかなか、やってくれるじゃないか……

 いいだろう、戦いを仕掛けてきたのはそっちだ。後悔させてやろう……!


「フン!」

 

 お返しに雪玉を一発投げ込むと、枝先に阻まれて破裂した。


 こいつ、結構器用なことしてくるな。

 トレントは短い腕をこねくり回しながら雪玉を作る。

 

 次の弾が飛んでくるよりも先に雪をかき集めると、じんと冷たさが手に染みた。


 間も無く、未開の森に雪合戦の激烈な喧騒が鳴り渡った。

 握っては投げ、握っては投げ、雪玉があちこちに行き交う。


 気づけば時間が過ぎるのも忘れ、かじかむ手の意識に没頭していた。


 ……こんな風に誰かと雪遊びをするのなんて、いつぶりだっただろうか。


 ああ、そうだ。

 小さい頃、父さんに遊んでもらった時ぶりだ。


 あの時も、こんなふうに手袋もせずに指先を赤くしていたのを覚えている。

 ——懐かしいな。


『——ルト! ——っと待て!』


 何だかモゴモゴした声が聞こえる。

 が、とりあえず無心になって雪玉を投げ続ける。


『——! ——!』


 何かおかしい。

 と、俺は我に返った。


「……あ」


 爺さんの顔面が雪まみれになっていた。

 集中するあまり気づかなかった。


「ごめん、爺さん……」


 =====


 やがて一ヶ月が経った。


 あれ以来理不尽な殺人寒波は来ていない。

 去年に引き続き、運が良かったのだろう。


 降り積もっていた雪も溶け始め、冬の終わりを感じさせるような時期になってきた。

 その日もいつも通り、釣りの帰りだった。


 バケツ片手に拠点へと戻ろうとしていたところ、俺は眉を顰めた。


「またお前等か……」


 熊の魔獣が三体。

 ウマそうな餌がやってきたとばかりに唸り声を上げている。


 バケツを地面に置いて一息。

 俺は木剣を抜き出した。


『ヴるアアアアアアアアアッ!』


 踏み込むと同時に一閃、刀身を胴体に叩き込む。


 たちまち、三体共同時に血飛沫を上げて沈黙した。

 今日はやけに魔物との接敵が多い。


 これで十二体、か……


 ふと、嫌な予感がした。

 

 普通これだけ魔物がいれば、トレントの精霊力に誘われて爺さんが襲われているはずだ。

 しかし、今日はいつもの悲鳴が聞こえてこない。


 俺は急ぎ足で爺さんの元へ向かった。


 ——案の定だった。


 魔獣たちに取り囲まれ、爺さんは苦悶の表情を浮かべていた。

 しかし、悲鳴を上げない——いや、上げられない。


「……っ!」


 息を吐く間もなく、魔獣たちを細切れにする。

 肉塊に成り下がる魔獣の傍、爺さんは声を震わせた。


『世話を、かけるな……』


「そんなこと言ってる場合か……! 動くな、今傷口を切り落としてやるから」


 傷跡には瘴気が溜まり、魔獣化が始まっていた。

 このまま数時間もすれば、この樹人は瘴気に意識を支配され理性を失った魔獣と化するだろう。


 俺は侵攻を初めている傷口に向かって剣を振った。

 地面に落ちたカケラは、グズグズと腐り切った後霧散した。


「説明しろ、爺さん。どうしてこんなことになったのか」


 普通、魔獣化は魔力や精霊力で対抗することができる。

 しかし爺さんは対抗できなかった。それどころか、声も上げられない程に疲弊していた。


 今目前にいる樹人は、精霊力の尽きた枯れ枝も同然だ。


「……まさかあの時、俺を助けるために精霊力を使い果たした、なんて言うんじゃないだろうな」


 もしそうなら、呆れたなんて話では済まない。

 爺さんは気まずそうにそっぽを向いた。


『弱っているお前を見たら、助けずにはいられなかったんじゃ……』


 もはや何を言えばいいか分からなかった。

 こうなるとわかっていれば、助けなど要らなかった。


 樹木の幹に触れる。


「魔獣化は防いだが、すでに瘴気が体内に入り込んでる……これは、呪い(カース)状態だな……」


『通りで、さっきから体力が回復しないわけじゃ』


 呪い状態は、魔獣化までには至らないものの、持続的に体内の生命力を奪い続けていく。——最悪の場合、死に至る。


 これを解くためには、魔獣の大元を殺さなければならない。


「俺は今から大元を潰しに行く。爺さんは大人しくしてろ」


『……すまないな』


「謝るな」


 木剣を佩き、魔獣の足跡を目線で辿る。

 距離はそこまで遠くないはず。一刻も早く処理しなければ、先に爺さんの体力が尽きる。


 速攻で潰す。

 恨むのなら、気安く他人にちょっかいをかけた自分を恨んでもらおうか……


 俺は足跡の先へ目を向けた。

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