石版
ここは、秋田県の北部にある大きな山間のきりたんぽ市。
かすみ商事という大きな会社があります。ヤシロオサム社長としっかり者のモハラツトム専務がいます。
おやっ、ヤシロ社長が何か謎の石版を持って来ました。
ドアノック音 コンコンコンコン
ヤシロ社長
「専務、何かさ会社の敷地に古代の石版がありましたよ」
モハラ専務
「社長、そこら辺の石っころ拾ってきて石版とかありえませんよ。今、書類をチェックで忙しいですから後にしてください」
専務は、社長から石版を取り上げて床におきました。
(続き)
ヤシロ社長は少し肩をすくめて苦笑いしながら、石版を床に置いたモハラ専務を見つめました。
ヤシロ社長
「まあ、確かに忙しいのは分かるけど、これだけは見てほしいんだ。何か特別なものが刻まれている気がするんだよ。」
モハラ専務はため息をつき、少しだけ手を止めて石版に目を向けました。彼の目は一瞬で何かを捉えたかのように見開かれました。
モハラ専務
「これは...まさか、本当に古代文字か?」
ヤシロ社長はうなずきました。
「そうなんだ。だから、専門家に見てもらおうと思っているんだ。君も興味があるだろう?」
モハラ専務はしばらくの間、石版をじっと見つめてから、やっと重い腰を上げました。
モハラ専務
「わかりました。確かに興味深いですね。専門家に見せるのは賛成です。でも、その前に、私たち自身で少し調べてみましょう。社内に歴史に詳しい社員がいるかもしれません。」
二人は石版を持って、社内を歩き回りました。社員たちは忙しそうに仕事を続けていましたが、モハラ専務とヤシロ社長が何かを持って歩き回っていることに気付き、ざわめきが広がりました。
若い社員のオオサトが目に留まりました。彼は大学で考古学を専攻していたとのことです。
モハラ専務
「オオサトさん、ちょっといいですか?これを見てください。」
オオサトは石版を手に取り、目を見開きました。
「これは...古代の文字ですね。何か重要なものかもしれません。」
ヤシロ社長
「やはりそうか!では、オオサトさん、君の知識を借りて、この石版の解読を手伝ってもらえますか?」
オオサトはうなずき、興奮した表情で石版を詳しく調べ始めました。それが何を意味するのか、どんな歴史が隠されているのか、彼女の目には探究心が燃え上がっていました。
これから始まる冒険に、モハラ専務とヤシロ社長、そしてオオサトがどんな秘密を解き明かしていくのか、期待が高まっていきました。