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第8話:大樹の巫女祭(8)

「じゃあ逆に白は死神の天敵ってこと?」


 無属性が死属性に強いのであれば、そういう解釈で合っているはずだ。

 今までの話を私が理解できていればだけど。


「それならどれだけ楽か……」


 白がため息を吐いた。


「これがまた厄介なとこでな。死神は生物属性を持たない。つまり、生、死、無のどれも保有していないんだ。放出型の死属性を纏っているだけで」

「えぇ……」

「確かに無属性で死属性の影響を洗い流せるから、気づいた時にウイルスに侵されて戦えなくなっているなんてことは避けられるけどな。そうでなくても死神は戦闘力が高いから、簡単には倒せない」

「でも、白の闘気力を死神は避けてたよね。大袈裟に」

「そりゃ、どんな効力を持つかわからない攻撃は避けるよな」


 あ、そっか。無の力って気づいたのはそのあとだったか。


「じゃあさ」

「なんだまだなんかあるのか?」

「悪い?」

「別に?」


 はあ、本当にこの男は……。


「黒の能力っていったっけ。あとは外から来た力とかなんとか。あれは?」

「……。まあいいか。話して問題になることじゃないし」

「?」


 なんだろう?


「俺2つ持ってるんだ」

「何を?」

「闘気」

「は?」


 それってつまり……。


「魂を2つ持ってるってこと?」


 二重人格なのかな?


「いや、完全に混ざり合って1つにはなってるが、闘気としてはわかれてて、魂源も合計4つになっている」

「ええ……」

「そんな化け物をみるような目で見るなよ……」

「いやだって……、そういう事ってよくあるの?」

「さあ、俺以外に例は見たことないな」


 そりゃそうだ。普通は魂は一つしか持てない。

 異世界とかそんなの関係なく、どんな物語だってそうだ。

 もう一人の僕、みたいなのは時々あるけどさ。


「で? そっちの方の魂源って?」

「吸増、狂気」

「あまり使いたがらないっていうのは?」

「死神の時も見たように強力な力を持っていはいるけど、使えば使うほど精神が狂気によって汚染されていく。その"ろ過"には時間がかかるしそもそも気持ちのいい物じゃないからな、本当に使わないといけない時以外は使わない」


 精神の汚染ってどんな感じなんだろ……。

 聞いただけで気分悪くなってくる。


「吸増っていうのは?」

「文字のまんまだよ。いろんなものを吸収し増幅させる。自身の筋力や魔力闘気力とかな」


 死神を追い払った時、急に戦闘能力が増加してたのはそれか。


「代わりに受ける痛みや呪いの量なんかも増加してしまう」

「え」

「そのデメリットもあるしさっきも言った通り、緊急時以外の時に使うつもりはないよ」


 白に無理をさせないように私も頑張らないとだな……。

次回も読んでいただけたら嬉しいです。

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