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第7話:フラウロウでの日々(3)

 翌日……。

 ここ数十日私たちのパーティも余裕が出てきたので、ローテーションで休日を入れている。

 今日から3日は私が休みの日だ。

 とはいえパーティのみんなはいないわけだから、一人だとすることもなくて暇だ。

 ってなわけで、かねてより買おうと思っていた物を階に行こうと思う。


 私たちのパーティの収入はある程度安定している物の、それぞれのお小遣いは実はそこまで多くはない。

 依頼料の半分はパーティの維持費や貯金に、残りを四分割してそれぞれのお小遣いとしている。

 それだけでも結構な収入になるんだけど、冒険者って結構お金かかるんだよね。

 食住はパーティの維持費から出すことにしているが、趣味はもちろん、冒険に必要な道具やその他の出費はどうしても必要な時を除き、自分の財布から、という事に決めている。

 特に大変なのは装備の点検や新調。

 例えば服。普段着は別にいいんだけど、冒険用や戦闘用となると、かなり高価だ。

 でもは戦闘や冒険ではすぐにダメになってしまうからどうしても、お金がなくなってしまう。

 そんなわけで普段だったらあまりお金を使わないようにしてるけど、今日は奮発して新しい剣を買うことにする。

 白から借りてる剣もまだまだ使い続けられるのだが、ちゃんと自分で買った物も欲しいなと思ってね。

 というのも数日前、臨時収入が入ったんだ。


 覚えてるかな。初めて塔とあった遺跡、あの中で偶々見つけた宝石。

 あれフラエル政府に回収されていたんだけど、最近やっと鑑定が終了したんだってさ。

 結果を聞いたら何とびっくり、本物のルーナムストーンだったらしい。

 失われた国宝だったため私の物にはならなかったけど、その代わり報酬が支払われた。

 最初はパーティの収入として還元しようと思ったんだけど、白と愛歌が私の手柄だからって、9割が私のになった。

 せっかくだから1割はパーティの運営費にしておいたんだけど、それでもかなりの額が残っている。

 それで変える武器を探そうかなってわけだ。


「こんにちはー」


 予め連絡していたお店に入る。

 今から一時間だけ貸し切りにしてくれたらしい。そこまでしてもらわなくていいって言ったんだけど、ちゃんともてなしたいって言ってくれててね。


「夜空さん、お待ちしてました」


 奥から男性が出てくる。私たちのパーティの最初の依頼人、セミ・トレントットさんだ。

 彼の家は代々フラウロウ南東エリア全体の武器屋を纏め上げている家系だそうで、今回の件で予算を提示したらどんな武器が帰るかな、とか色々相談していたんだ。


「最近ルトさんとはどうなんですか? 婚約されたって聞きましたけど」

「あー、今度二人で皆様に挨拶にでもと思っていたのですが、お耳に入っていましたか。はい、結婚を決めました。……ですが実は、そんなに会えているってわけでもないんです」

「え?」


 てっきり同棲でもしているのかと。


「ほら、彼女命を狙われていたでしょう? ですから、とある政府管理の村で保護されているんですよ」


 なるほど。

 ルトさんを守るというのもあるだろうが、またあのドラゴンみたいなのに街に襲われたらたまったものではない、ってのもありそうな気がするね。


「そこへ行くのは許可を取るのが大変で……、それでも時々会いに行っていたんです。それであの事件から一年経てば、自由にしていい、という許可をもらったそうなので、思い切って……」


 そっか、もうすぐ一年かぁ。


「そっか。おめでとうございます!」

「ありがとうございます。さ、今日はそれよりも武器の話です。世界中からかき集めた逸品ばかりですので、きっとお気に召す物があると思いますよ」


 そう言って店の奥に案内してもらった。

次回も読みに来ていただけたら嬉しいです。

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