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第5話:みんなは今日何をした? 私はね、お掃除(8)

 休んでいる暇はない。

 すぐに塔が寄ってきて攻撃を仕掛けてくる。

 愛歌を連れそれを避けた。


「なんで、愛歌が物理ダメージを受けてるの?!」

「たぶんあれは魔力と細胞を結び付けて、体を変化させている術なの。私のお父様が研究していたものと同じ……」

「え?」


 愛歌のお父さんって確か……。

 

「夜空! 少しあいつ任せていい?」

「え、え?」

「言霊魔術:sneak」


 そういって愛歌がどこかに消えてしまった。


「ええええ?!」


 そんな事言われたってぇ?!


「何している!」


 塔の声が聞こえる。

 瞬間、身体に強い衝撃が走る。遅れて激痛。

 吹き飛ばされるのを感じ、すぐに壁に叩きつけられた。


「ゲホッ、ゲホッ!! いっつぅ……」


 これ、まっずい……。

 ここまで体格や筋力に差があると、物理戦はあまりしたくないな。

 

「火属性魔術:炎獅子(ホットドック)っ!!」


 魔力を半分ほど使い、出力を上げた魔術で攻撃する。

 しかし……。


「なんで効かないの……」


 魔術が効いていない。

 皮膚が魔力を弾くようになっているようだ。

 多少のダメージはあるようだが、魔力半分使ってこれなら勝ち目がない。

 

「え、どうしよう」


 これ終わりじゃんねぇ?


「愛歌、どうすんのこれ?!」


 魔術が意味ないなら物理攻撃しかない。

 しかし剣を使えば折られてしまう可能性もある。


「しかたない!」


 自身に強化魔術をかける。

 すぐに飛んで来た攻撃を腕で受けた。


「いっつぅ……っ!」


 骨がミシミシっと悲鳴を上げているのを感じた。


「おりゃ!」


 攻撃を受け流し、その勢いのまま背負い投げ組み倒した。すぐに離れる。

 多分愛歌は塔の体の中で何かをやってんだ。なら私は時間を稼げばいい。


「土属性魔術:岩檻(いおり)!」


 塔を岩の壁で囲った。

 これで少しは時間を……。


 ドンっ! ……ドンっ!


 岩の檻の中から壁を殴る音が何度も響き渡る。


 ピシッ。


 そしてひびが入るまで30秒も持たなかった。


「もう! 愛歌! 早くしてよ!」


 ドォーンっ!


 壁を突き抜け塔が飛び出してくる。

 そしてまたこっちに向かってきた。


「そういえば魔術撃ってこないな……」


 攻撃を避けながら考える。

 変身してからは馬鹿みたいに近接戦を挑んでくるだけだ。

 もしかして変身の影響で魔術を使えなくなっているのかな。


「けど、こっちの魔術も効かないんだよな……。でも」


 少し距離を取ると、塔がまたこっちに駆けてきた。


「ほらっ」


 魔力を発光させる汎用魔術を使い、目をくらませる。


「岩属性魔法:天の岩戸!」


 今度は周囲の木々も使い、岩の山を作って塔をとらえた。

 さっきとはちがい、体を動かすことが難しい状態からそれを振りほどくのは困難だろう。

 そして今回のは壊れても瞬時に修復させることができる。

 あとは私の魔力が尽きるのが先か、愛歌が戻ってくるのが先か。

「次回! 夜空の魔力切れる! デュエルスタンバイ!」

えっと、じゃあこんなとこに来てないで早く仕事終わらせてあげてください。

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