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第5話:みんなは今日何をした? 私はね、お掃除(5)

 街の中を駆けながらそのキメラ人間と戦い続けた。

 私も強くなったと思たんだけど、こいつに完全に勝てる間でには至らないみたいだ。

 戦闘力だけなら相手が完全に上、殺されずに済んでいるのは相手が意識をほとんど持たない魔獣の様な存在だから。

 それでも戦闘IQは高いみたいで、人間的な動きもあって戦いにくい。


「ぐぎゃあああっ!」


 近づかれ、かぎ爪に戦闘服が裂かれる。


「あー! もう! 何すんのっ!」


 怒りに任せて目的の公園までキメラ人間を投げ飛ばした。


「もー! 気に入ってたのにっ!」


 邪魔だから仕方なく、服の上半分を破き捨てる。

 戦闘用の黒インナーだけになっちゃうから恥ずかしいんだけど、まあ白もいないしね。そんなこと考えてる余裕なんてない。

 すぐにキメラ人間を追いかける。


「さてと気が引けるけど、ごめんね」


 そういいながら剣を抜いた。

 キメラにされたその人は、あまりに大きく改造を施されていたものだから気づかなかったけど、私より5歳ほど年下の男の子だった。

 それを殺すのはためらわれるが、これではもはや生きているとも言えないだろう。


「ってわかってても、罪悪感は感じちゃうもんだねっ!」


 そういってまた私に向かって攻撃してきた、蛇の部分を斬り落とした。


『ノアちゃんや白みたいに何も感じずに殺生を行える方が、人としてどっか壊れてるんだと思うわよ』


 そりゃそうだ。

 そういう意味ではこれでも愛歌はまだまともな方なんだろう。


『ちょっと、これでも、って酷くない?』

「人の心を勝手に読まないでって」

『ごめんごめん』


 愛歌は人に憑りいているという性質上、考えてることが読みとれちゃうことがあるらしい。

 普段はそうしないようにしてるらしいけど、漏れてきちゃうことはあるみたいだね。

 そんなやりとりをしながら、キメラ人間と戦い続ける。


「ふっ!」


 かぎ爪のある方の腕を愛歌の指示で的確に壊し、動かせないようにした。

 すると痛みのせいか怒ったキメラ人間は、翼で軽く浮き巨大な鳥の足で私を鷲掴みにしてきた。

 そしてそのまま少し飛び上がり、地面に私を叩きつけた。


「がっはっ?!」


 強化されているとはいえ流石に痛い。


「もう怒った! 愛歌、一瞬闘気と強化を右腕に集中させて!」

『了解』


 またキメラ人間が飛び上がり降下し始めた時、剣でその足を斬り落とし、何とか2撃目を避けることに成功した。

 地面に着くと同時にキメラ人間は地面に伏した。片足を失ったことでバランスを崩したみたいだ。

 そのうちに、と思い片方の翼を叩き斬った。


「これで立ち上がるのは難しいでしょ」


 まだ油断はできないけど、無力化できたといっていいと思う。

 さてこの子どうしようか……、そんなことを考えていた時だった。


「ふむ。やはり身体再生機能は欲しい所だったな。せっかくの作品が台無しになってしまう」 


 そういいながらその人物が近づいてきた。

次の話も読みに来ていただけたら嬉しいです

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