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第5話:みんなは今日何をした? 私はね、お掃除(4)

 ベランダに出たその下方の大通りでは、人の川ができていた。みんな何かから逃げているらしい。

 遠くで粉塵が上がった。


「まーた魔獣でも入り込んだかな」

『わからない。とにかく、建物の上を伝ってあそこまで行きましょ』

「わかった」


 そういって対岸の家の屋上に跳んだ。


言霊魔術(ルーン):翔』


 走り始めた時、愛歌の言葉と共に体がふわっと軽くなっていることを感じた。


「何これ?」

『私の言霊魔術』

「魔術苦手なんじゃなかった?」


 走りながら()く。


『言霊魔術は闘気力を使ってるのよ。私の闘気力は魔力と結びつけることでやっと効果を発揮するの。魔術に近いから魔術って呼んでる』

「へえ。愛歌の魂源ってなんだったっけ」

『投影

と言霊。戦闘で使うのは言霊の方がメインかな』


 声とか文字とかそういうのに宿る言葉の力を魔術に転換することができるんだって。

 そんな愛歌の能力を聞いていたら、その場所に着いた。


「なにあれ……?」


 それは人というにはあまりに異形の生物だった。

 背中には右に鳥の左にコウモリの羽がついていて、右肩から獅子の顔が左肩には大きな蛇が生えている。

 そして口の中には牙が生えており、左腕は熊の様になっておりその先には長い鉤爪がついている。さらには右足が鳥の足の様になっていた。

 

『もしかしてあれがキメラってやつ……?』

「だと思うけどまさか、人まで……」

『あなたたちの記憶はみていたけど、直接見るとこう、おぞましいものがあるわね……』


 そのキメラ人間は下で冒険者のパーティと戦っていた。

 4対1ってのもあって結構善戦しているように見える。


「どうする? あのパーティに任せちゃおうか?」

『あのねぇ。こんな田舎街を拠点にしている冒険者がそんな強いわけないでしょ?』


 はっきり言うなぁ……。


『それにあいつ、塔を探す手掛かりになるんじゃないかしら?』

「それもそうか。じゃあ、サポートは任せたよ」

『大船に乗った気でいなさい』


 愛歌に色々と強化魔術をかけられながら、下に降りそのキメラ人間を蹴飛ばした。


「大丈夫ですか?」


 力負けしそうになっていた前衛の冒険者に声をかける。


「ちと危なかったかもな」


 そういいながらヒーラーから回復を受けている。


「あいつは私に任せてください。みなさんは避難誘導を……」

「は? 嬢ちゃんが誰か知らんが、俺らだってこの街じゃちと名の知れた……」


 その時、全身に寒気が走った。

 キメラ人間の方を振り向くと肩の蛇がこっちに伸びてきて、噛みつこうとしていた。

 私はそれを掴みぐいっと引っ張って、本体をこっちへ引き寄せた。

 その勢いを利用し本体を蹴飛ばした。

 この間3秒ほどだっただろうか。私だって強化魔術ありならこれくらいはできるようになったんだ。


「ね、任せて」

「あ、ああ。行くぞ」


 冒険者たちを見送った。

 後ろから咆哮が聞こえる。キメラ人間がこっちに走ってきていた。


「あーえっと、どうしよ」

『とりあえず、広い場所に誘導しましょ。少し通りを行った先に大きめの公園があったはず』

「了解」


 私はキメラ人間を攻撃しながらその場を離れた。

次も読みに来ていただけたら嬉しいです

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